2018.02.26

大人の趣味の為のライフスタイルマガジン「IN THE LIFE(イン・ザ・ライフ)」

イタリア、ミラノ発、ラグジュアリー・ヴィンテージの専門店

Photo & text:Soichi Kageyama Coordinate:Yuko Noguchi

『最後の晩餐』があることで有名な、サンタマリア・デッレ・グラツィエ教会。1469年に完成したというその建物の前には、ラグジュアリーヴィンテージをテーマとしたお店がある。外から内部の様子はまるで分からず、小窓にはヴィンテージロレックスなどが、落とされた照明の中、浮かぶようにディスプレイされ、その脇には格子のついた扉がひとつたたずんでいる。ただ、鍵がかかっているため、おいそれと入れる感じではない。しかしながら、どこかの映画俳優?と思わせるようなセレブ達が、吸い込まれるようにその扉に入っていくのだ。お店の名前は「BERNARDINI」。

開放的な空間にヴィンテージがずらり

オーナーのマックス・ベルナルディーニ氏、自らの名前がお店の屋号だ。

「どうぞ、お入りください。ここは1920年代から70年代までの腕時計や、ルイ・ヴィトン、ゴヤールなどの古いトランク、そしてヴィンテージエルメスなど、ラグジュアリーヴィンテージをテーマとした専門店です」

一歩店内に入ると、大きなアーチ状の窓が印象深い開放的な空間。室内にはヴィトン、ゴヤールのヴィンテージトランクがそこかしこにレイアウトされていた。

Address:Via Caradosso 220123 Milano/Italy  Tel:0039-02-4818697 
http://www.bernardinimilano.com

ヴィンテージエルメスも充実

「じつは私、最初の仕事はマラドーナ氏の通訳をやっていました。今の仕事での最初のお客さんも彼。カルティエのヴィンテージ時計をマラドーナ氏に買っていただいたんですよ」。

現在のお店の一角にある小さな工房。そこでは、もともと彼の父親がジュエリーを扱う店をやっており、その脇でマックス氏が時計を扱いはじめたのがビジネスの始まり。

その後、父親の店を買いとり、男性向けのラグジュアリーヴィンテージをテーマとして、その世界を広げてきたということだ。

天井の高い店内はとても開放的で、ラグジュアリーヴィンテージの名前にふさわしいアイテムがそこかしこにディスプレイされている。

オーナーのマックス・ベルナルディーニ氏。ヴィンテージウォッチのビジネスを1980年代にスタートさせ、現在のような総合的なラグジュアリーヴィンテージショップを作り上げた。

「BERNARDINI LUXURY VINTAGE」と書かれた軒と小さな窓。そして扉がひとつ。知る人ぞ知るヴィンテージの銘店である。

「イタリアにはアンティークのものがたくさんあるんですが、じつは若い方はあまり興味がないんです。

イタリアに住んでいるだけで、近くには歴史のある教会があるなど、周りは素晴らしいものに囲まれているというのに。そうした古いものを愛する文化っていうのは、年配の方が普通多いですよね。

どうしても若い方たちは近代的な物が欲しくなるものです。イタリアの他のアンティーク店の年齢層は、平均で62歳。

ただ、私のお店の平均年齢は36歳なんです。そこには秘密があるんですけどね」

マックス氏が自身のためにオークションで落札したという、ルイ・ヴィトンのヴィンテージケース。7000ドルという高値で競り落としたもの。

中は、ジントニックを作るためのキット。もちろん、ヴィトンのオリジナルでゴードンのビン専用となっているのがお洒落。

ヴィンテージクロコのトランク。クロコは現在取引禁止なのだが、50年経過したものは良いということ。2500ユーロくらいの品物。

元あった、父親のお店を何倍にも横に広げ、今度は縦にも広げようとしているマックス氏。

いったいその秘密とはなんなのであろう。店には20代のカップルとその母親。娘のためにヴィンテージロレックスを探しにきたという。

ラグジュアリーヴィンテージの潮流に、ミラノの若者が注目しはじめた。

エルメスの大ぶりなヴィンテージバッグ。ザックリと持ちたい、上質な革のバッグ。イタリアオヤジにはやはり似合う。

こちらもヴィンテージエルメスの小物。葉巻のカッターなのだが、持ち手が動物の角のようなもので製作されている。

ヴィンテージロレックスがずらり

「ヴィンテージの時計のマーケットっていうのは、1980年代に私たちイタリア人が作ったんです。で、その後すぐに日本人に広がったんです」

店の奥には、ロレックスのヴィンテージクロノやスポーツモデルがごっそりと眠っている。

イタリアでは素晴らしいコンディションの物を「ジャパニーズコンディション」と呼ぶことがあるそうだ。

ロレックスのヴィンテージクロノ、手巻きモデル。黒い文字盤、薄いケースが美しい。

こちらは少し新しい年代。デイトナやプレデイトナもかなりの数があった。

「これは仕事というより信念なんです。古いもので何か好きなものが出てくると、どうしても買ってしまうんです。

だから、僕は死ぬ時貧乏でしょうね(笑)。ただ、値段が高くても本当に貴重な物の場合は、無理して仕入れても買いたい人が絶対に出てくる」

のだとか。普通の物を普通の値段で仕入れても、欲しい人はなかなかいないのだという。

アールデコ調のケースと、飛び数字が印象的なヴィンテージ・パテック。

ゴールドのパテック。パテックはすべてドキュメント付きの販売。

文字盤が上下左右で模様になった、バブルバック。

「私が買った物は、今まで全部クオリティが高い素晴らしいものを仕入れてきたんです。

それがお客様に通じて、お店を広げることができたんです」

ヴィトン、ゴヤールもヴィンテージで

ルイ・ヴィトンやエルメス等のヴィンテージトランク。重厚感のある質感は経年変化した高級品ならでは。

店内にレイアウトされる、ヴィトンやゴヤールのヴィンテージトランク。かつては、超富裕層の長旅などに使われていたこのトランクを、このお店ではそのまま販売している、というわけではない。

外観はそのままに、中をお客さんの嗜好にあわせてカスタマイズして販売しているのだ。

作りの良さを再認識してしまう、ゴヤールのヴィンテージ。刻印やプレートのディテールにも目を奪われる。

こちらのゴヤールは、お店用に中身が腕時計のディスプレイケースとなっていた。ちょっとしたテーブルにも使える高さ。

「例えば、この大きなゴヤールのヴィンテージトランクは、中を改造してシャンパンやグラスなどを入れるバーセットにしています。

そのほかにも、カジノ好きなご主人の50歳の誕生日のために、50という文字を型取りした、ゲームケースに改造したり、iPadとスピーカーを入れてブルートゥースでつなげたり、オーダーで製作しているんです」

古いものをそのまま売るのではなく、現代にあわせてカスタムし、販売する。

ヴィンテージトランクはインテリアとしても素敵だが、ただの物入れでない工夫をプラスすることで、付加価値が上昇するのだ。

バスローブやティーセットを入れるトランクにカスタムするための設計図。いろいろな使い方が広がってくる。

トランクのデザイナー、エミリナさん。お店の女性は美人ばかり! マックスエンジェルと呼ばれているらしい。

リメイクしたヴィンテージトランク

「こういうものって夢のあるアイテムだと思っていて、本当に細かな部分まで気をつけて、いいものを作ろうと思っています」

ヴィンテージトランクを次々と改造して販売していると、最後はなくなってしまうのでは? と質問すると

「私たちは、もう10年間ずっと買い付けをしていて、この店と同じくらいの大きさの倉庫があるので、まあ当分大丈夫ですね」

クロコやヴィトンのヴィンテージトランク、ヴィンテージエルメスの銀小物や革アイテムが狙い目。

ジャガールクルトの、温度・湿度計&時計がセットになったもの。腕時計とあわせるのもお洒落。

世界遺産である教会の影が伸びる店舗。

「私たちの仕事で良い事は、値段を私たちが決められるということです。そして、そのアイテムを山ほど持ってるということでしょうね」

また「BERNARDINI」では、商品をオリジナルの箱で納品するための工房も設けている。

イタリアの貴族の方には、その貴族のカラーを使って箱を作るなど、細かいサービスが行き届いているのも、長い人気の秘訣かもしれない。

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