2018.04.02

大人の趣味の為のライフスタイルマガジン「IN THE LIFE(イン・ザ・ライフ)」

地中海の小国、マルタで行われるクラシックカーの祭典 MALTA CLASSIC

静と動、最高のコントラストに嘆息

 太陽に祝福された地中海の小国、マルタ。ゆっくりと時がたゆたうこの島で、その静寂を突き破るのはマルタ・クラシック。知られざるクラシックカーの祭典だ。

 地中海の真ん中、という場所柄、マルタは古くから貿易や軍事の要衝として栄えた場所だ。大きさは東京23区の半分程度の小さな島。しかし歴史をたどれば文化の痕跡は5千年以上にもさかのぼり、それはそれは深く壮大なストーリーブックができあがる。マルタを最も有名にしているのは、中世以降の歴史。16世紀にマルタ騎士団がこの地を本拠地とし、堅牢な要塞を築き上げオスマン帝国の侵攻を防いだことからヨーロッパ中にその名が知れ渡り、キリスト教徒にとっても重要な場所となったのだ。中世の街並みを今に残し、首都ヴァレッタは街全体が世界遺産に認定されている。地中海性気候の穏やかな気候もあり、マルタはヨーロッパ人にとっては定番のリゾートな旅先となっている。
 そんなマルタに近年、ヴィンテージカーオーナーたちがアツい視線を送っている。というのも、2007年にフランス人実業家で熱烈なクラシックカーファンのティエリー・ジョバンニーニによってマルタで初めて、クラシックカーグランプリが開催されたからだ。
 集まったのはヨーロッパやアメリカ大陸屈指の名車たち。以来、基金が設立され毎年恒例となり、2011年には開催地を首都ヴァレッタからイムディーナへと移し、2017年の今年で10回目を迎える。
 ヨーロッパにおけるクラシックカーイベントといえばモナコや英国が有名だ。参加する大会には事欠かないはずなのに、カーオーナーたちは苦労してマルタ島まで車を運び、やってくる。かつての宗主国であった英国はもちろん、フランス、イタリア、遠いところではアメリカからも。過去には日本人オーナーの車も出場したことがある。こんな遠くまで、いったいなぜ――? 日本やアメリカはともかく、ヨーロッパの人ならモナコなどの大会に出場するほうが地
続きなので楽なのに。その答えは、会場のイムディーナに来たらすぐにわかった。それはただ、この場所に身を置くこと、に意義があるから。実にシンプルだ。

「静寂の街」の異名をとるイムディーナの旧市街は普段、車の入場ができない。城壁に囲まれ、中世のまま時が止まったような中央広場に、わが愛車がたたずむ姿を想像してみたら―。参加せずにはいられない。

1577年に建設された聖ヨハネ大聖堂はヨーロッパの中でも最も壮麗で重要なカソリック 建築物として知られる。世界遺産ヴァレッタの旧市街の見どころのひとつ。

マルタ・クラシックはグランプリ、コンクール・デレガンス、ヒル・クライムの3部門。どれも入場料な どはなく、町の風景に溶け込んでいる。1971年式アルファロメオGT1300ジュニアは背景によく馴染む。

「この車は私と同じ年の生まれなんだよ。もちろん現役さ、彼も私も!」と笑う今回最年長の英国紳士、 ヒュー・マイエス氏。マルタ・クラシックには今年で3度目の参戦。クルマは、1927年式タルボP4。

グランプリのパドックへはVIPチケットを購入すれば入場可能。デレガンスとは違った緊張感が漂うが、 同時に同窓会のような雰囲気も。写真は、BMW中興の祖としてヒットした2000Ti。

2日目に開催されるデレガンス。会場のイムディーナ旧市街、聖パウロ大聖堂前の広場は審査員とジ ャーナリスト、オーナーとその友達、そして観光客などでごった返す。「静寂の街」は大騒ぎ。

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