2018.04.11

大人の趣味の為のライフスタイルマガジン「IN THE LIFE(イン・ザ・ライフ)」

ユニバーサル、超希少なヴィンテージ・クロノグラフコレクション!

業界屈指のクロノグラフブランドとして知られるユニバーサル。ごく初期の手巻きクロノグラフを一堂に集めた、プライベートアイズの貴重なコレクションをご紹介する。

アンティーク時計ショップの雄、プライベートアイズの秘蔵コレクション!

 近年、ユニバーサルのヴィンテージウォッチがジワジワと人気を高めている。ユニバーサルはクロノグラフの分野でベストセラーを連発させ、薄型時計の先駆けとして、後の時計作りにも大きな影響を与えた名門マニュファクチュールだ。しかし、現在はブランド名は残っているものの、歴史が一度途絶え、現在は異なる資本による経営で、当時とは別ブランドといっても差し支えないほど変わっている。

 そんなユニバーサルのヴィンテージが見直されるきっかけとなったのが、2 0 1 0 年にイタリアで発行された「UNIVERSAL WATCH GENEVA」というビジュアルブックだと語るのは、プライベートアイズの遠藤真博さん。ブランドの歴史が一旦は途絶えてしまったため、ヒストリーや過去のコレクションが確認できず、評価しづらい状況にあった。しかし、この本が発行されたことで、ユニバーサルというブランドが体系化され、コレクターたちからの注目が集まり、評価が高まっているというのだ。今回ご紹介するヴィンテージウォッチは、30年代~40年代製のユニバーサルでもごく初期のものばかりを集めた。

 まずはユニバーサルのヒストリーから紐解いていこう。二人の才能ある時計師ヌーマ=エミーユ・デコームとユリス=ジョルジュ・ペレが、スイス時計産業の集積地、ジュラ渓谷のル・ロックルで1894年に創業した時計会社がルーツだ。1898年に30分積算計を備えたクロノグラフ懐中時計の発表し、クロノグラフのメーカーとして歩みだす。1917年には腕時計クロノグラフを発表し、本社をジュネーブへ移転。1932年には12時間積算計を備えたコンパーを発表。1936年にはコンパーをプロトタイプとした傑作クロノグラフ、コンパックス、さらにトリプルカレンダーとムーンフェイズを搭載したトリコンパックスを完成させ、名声を不動のものとした。そのほかにも豊富なバリエーションを発表し、マイクロローターの自動巻きの開発で存在感を示してきたが、1970年代にはクォーツショックに耐えきれず、歴史は途絶えることとなった。しかし、自社製ムーブメントのクロノグラフを手掛けていたということで、この時代のものはヴィンテージ市場でもロンジンなどと並んでコレクターから今なお一目置かれる存在である。

 なお、今回紹介している時計は、30~40年代のモデルを中心としているため、「ユニバーサル・ウォッチ」と「ユニバーサル・ジュネーブ」という2種類のブランド表記がある。これはユニバーサルが1933年に正式に「ユニバーサル・ウォッチ・ジュネーブ」と社名を変更し、1937年に「ユニバーサル・ジュネーブ」と商標登録をしたためだ。そのため同じコンパーでも2つの表記が存在するのである。

UNIVERSAL GENEVE COMPUR COLONIAL

45分積算計とスモールセコンドからなる2レジスタータイプ。インデックス外周にはテレメーターを備え、文字盤中央にはスネイルデザインのタキメーターを備える。ムーブメントは初期から製造されてきたCal.285を搭載。ねじ込み式の裏蓋を採用した、世界初の防水クロノグラフでもある。SSケース。ケース径38mm。手巻き。

黒文字板、エアロコンパックスの存在感!!

上から

UNIVERSAL GENEVE COMPAX
タキメーター表示を備えた3レジスタークロノグラフ。太字のゴシック数字のインデックスや時分針に夜光塗料が塗布されたミリタリー仕様。ムーブメントはスタンダードなCal.285を搭載。SSケース。ケース径38㎜。手巻き。参考商品。

UNIVERSAL GENEVE AERO-COMPAX
こちらはアラビア数字インデックスに、ゴールドのドルフィン針を組み合わせたドレッシーなモデル。ムーブメントにはCal.285よりやや小ぶりなCal.281を搭載する。SSケース。ケース径35㎜。手巻き。参考商品。

UNIVERSAL GENEVE AERO-COMPAX
タキメーター表示を備えたコンパックスをベースに、12時位置に第二時間帯表示を搭載。第二時間帯表示は9 時位置のリューズで操作する。インデックスや時分針には夜光塗料を塗布。Cal.285。SSケース。ケース径38㎜。手巻き。参考商品。

UNIVERSAL GENEVE COMPAX
通常の3レジスタークロノグラフとは別に、クロノグラフ作動時にリューズを引いて時刻合わせををすると、12時間積算系の針が連動して動くという特殊な機構が付加されている。ムーブメントはCal.285を搭載。SSケース。ケース径35㎜。手巻き。参考商品。

「UNIVERSAL WATCH GENEVA」に収められたユニバーサルのイラストのポスター。飛行機や車など、クロノグラフが必要とされる乗り物とイメージを重ね合わせている。このことから当時から高級路線であったことがわかる。

コレクター垂涎の2レジスタークロノグラフ

UNIVERSAL WATCH COMPUR
文字盤中央にタキメーターを備え、インデックスはセクターダイヤルのデザインとなった2レジスタークロノグラフ。ケースはシリンダー型となっている。SSケース。ケース径37.5㎜。手巻き。参考商品。

UNIVERSAL GENEVE COMPUR COLONIAL
2レジスタータイプのクロノグラフ。インデックス外周にテレメーター、文字盤中央にスネイルデザインのタキメーターを備えた世界初の防水クロノグラフ。ムーブメントはCal.285を搭載。SSケース。ケース径38 ㎜。手巻き。参考商品。

UNIVERSAL GENEVE COMPUR
タキメーター、テレメーター、60 秒計測のトリプルスケールを搭載。ホワイトダイヤルにゴールドのアプライドインデックスが際立っている。ラグは可動式のフレキシブルタイプとなっている。Cal.285 。18KYGケース。ケース径35㎜。手巻き。参考商品。

UNIVERSAL GENEVE COMPUR
丁寧に色分けされたトリプルスケールは状態がよく、美しい。時分針や積算針にゴールドの細い針が採用され、ドレス感の強い1本に。力強いラグがゴールドケースを際立たせている。Cal.283 。18KYGケース。ケース径34㎜。手巻き。参考商品。

UNIVERSAL GENEVE COMPUR(左)

スケールもないシンプルな2レジスタークロノグラフ。ホワイト文字盤にブルースチール針が映える。搭載されたムーブメントのCal.287はCal.285の派生で、やや大ぶりなサイズが特徴だ。SSケース。ケース径37㎜。手巻き。参考商品。

UNIVERSAL GENEVE COMPUR(右)

ブレゲ数字に、赤字でプリントされたテレメーターとスネイルタイプのタキメーターのスケールが目立つ2レジスタークロノグラフ。ケースと一体化したラグは、カラトラバ仕様となっている。SSケース。ケース径37㎜。手巻き。参考商品。

UNIVERSAL GENEVE COMPUR(左)
ブラックダイヤルに、タキメーター、テレメーターなどのスケールがゴールドでプリントされた2レジスタークロノグラフ。12と6のアラビア数字が文字盤全体のアクセントとなっている。Cal.285 。18KYGケース。ケース径34㎜。手巻き。参考商品。

UNIVERSAL GENEVE COMPUR(右)
テレメーターとタキメーターを備えた2レジスタークロノグラフ。パネライによく見られるようなダイヤルがサンドイッチ構造になっており、インデックスがより目立つデザインとなっている。18KYGケース。ケース径37㎜。手巻き。参考商品。

コレクターを魅了する自社製クロノグラフムーブメント

 ユニバーサルがクロノグラフで成功したのは、バリエーション豊富なムーブメント開発を積極的に行っていたからだ。初期にはコンパーなどに搭載されていた大型キャリバー285を中心に、その後に小型化されたキャリバー281やキャリバー289のムーブメントが主力として製造されていた。これらをベースムーブメントとして、モジュール化した機構を組み込み、派生のクロノグラフムーブメントを生み出してきたのだ。

コンパーを進化させた2レジスターのユニコンパックスをベースに、簡易脈拍計測系を備えた医療用のメディココンパックス、3カウンタークロノグラフに12時位置には第二時間帯を備えたアエロコンパックス、デイト表示機能を搭載したダトコンパックス、3カウンタークロノグラフに月や曜日表示を備えたトリプルカレンダーに加えてムーンフェイズ表示まで備えた最上位モデル、トリコンパックスが良い例だろう。

 その当時のクロノグラフは専業メーカーからムーブメントを供給してもらうのが一般的であったため、ユニバーサルは各社のニーズに応えていった結果、このような豊富なバリエーションが生まれたということが容易に想像できる。実際にゼニス、エルメス、ジラール・ペルゴ、ジャガー・ルクルト、エベラール、ヴァシュロン・コンスタンタンといった一流ブランドにも供給されていた。バリエーションの豊富さが、どれだけ信頼されていたかの尺度になるといっても過言ではないのだ。こうしてユニバーサルのクロノグラフはバリエーションを増やすとともに、同時にその評価も高めていったのである。

 今回ご紹介しているヴィンテージウォッチは1930年代から1940年代製が多い。この時代はクロノグラフが発展した時代であり、世界大戦の時代とちょうど重なる。そのためユニバーサルのクロノグラフの多くは各国の軍に軍需品として納品されていたので、ダイヤルカラーはブラックが目立つのが特徴だ。最先端かつ高額であったために、時計の支給は将校などの高い階級に限られたと推測できるが、ヨーロッパの主要国では公式なオフィシャルウォッチとしても採用されていた。またモデル名が物語るように、航空用や医療用、鉄道時計までも揃うプロフェッショナルウォッチであったのだ。

 近年、再び脚光を浴びるようになってきたユニバーサルのヴィンテージウォッチ。掘り出し物が豊富で、最上位機種のトリコンパックスでもまだアンダー100万円で見つけることができる。ヴィンテージウォッチファンなら、1本は持っておきたい時計といえるだろう。

ユニバーサルの名声を決定づけた最上位モデルのトリコンパックスのポスター。クロノグラフを文字で強調しながら、1930 年代にもヨーロッパで広がりつつあったモータリゼーションの波に乗ろうとしていたことがわかる一枚だ。

Private Eyes

レアなヴィンテージウォッチが所狭しと並ぶ。アンティークウォッチショップの雄、プライベートアイズ。豊富な知識を持つスタッフは顧客からの信頼も厚い。

address:東京都北区滝野川6-28-7・1F
tel:03-3940-0707
営業時間:11:00~19:00
月曜定休

http://www.watchnet.co.jp

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