2018.04.26

大人の趣味の為のライフスタイルマガジン「IN THE LIFE(イン・ザ・ライフ)」

沿線散歩、現代版ナローゲージを訪ねて

2017年4月現在、日頃の足として誰もが気軽に利用できる、ごく一般的な旅客営業を行なっているナローゲージの鉄道が三重県に2ヶ所あります。一つは三岐鉄道北勢線、もう一つが四日市あすなろう鉄道内部線・八王子線です。いずれも運行開始から100年以上を誇る歴史ある路線で、長い時間の中で周辺環境と共に少しずつ姿を変えてきました。その結果、旧来からの面影を残しながら新しさもしっかりと見受けられる、伝統的軽便鉄道のイメージとも通常の鉄道路線ともまた趣が違う、独特な「鉄道のある風景」を作り出しています。このコーナーでは、極めて少数派となって久しい現役のナローゲージである北勢線と内部線・八王子線の沿線を歩き、些か早足となりますが情景模型的観点を踏まえつつ現代ナローの見どころ・魅力に迫ります。

三岐鉄道北勢線

クモハ271+サハ146+クハ171の3輌編成。サハの全長が約11.3mと際立って短いのが大変ユニーク。

 1914年に開業した軽便鉄道がルーツ。北勢鉄道・三重交通・近鉄と幾度かの事業者変更を経て、2003年からは三岐鉄道が運営する、軌間762mm、電圧750Vの路線です。

 ビルが建ち並ぶ西桑名駅を出発すると、住宅地や工場の裏、畑を貫くように線路は進み、次第に周辺の建物が減ってゆき風景が街中から郊外へと変わり、終点の阿下喜駅に至ります。

めがね橋・ねじり橋

 北勢線で最も有名な訪問・撮影スポットと言えば、楚原駅から歩いて20分ほどの所にある勾配区間に架けられた1916(大正5)年製のコンクリートアーチ橋・めがね橋とねじり橋です。この区間は同線のうち特に見晴らしの良い場所でもあります。

勾配とカーブ

 全国ランキングのような見方をすると決して上位という訳ではないものの、北勢線には急勾配急曲線が多くの箇所に設けられています。小さい分小回りが利くナローゲージならではの光景と言えましょう。

駅の設備

 三岐鉄道移管の際に一通りの駅舎がリニューアルされ、近代的な装いとなっています。有人・無人すべての駅に自動改札機が設置済です。

関西線跨線橋

 鉄道用跨線橋の中でも全国的にここだけでしか見られないのが、馬道駅から徒歩約5分の「関西線跨線橋」。狭軌(JR)と標準軌(近鉄)を特殊狭軌の北勢線がクロスオーバー。3種のゲージが一堂に会する贅沢な鉄道シーンが楽しめます。近隣の有名な「西桑名2号踏切」と共に訪れておきたいところ。

四日市あすなろう鉄道内部線・八王子線

10‰の勾配を下り、八王子線西日野から日永へと向かう新260系2015年更新車「なろうブルー」。電動車モ261は路面電車を除く日本国内の旅客用車輌ではほとんど見られなくなった、貴重な吊り掛け駆動だ。

 1912年に開業。三重鉄道・三重交通などを経て近鉄の路線になり、2012年頃に廃止の提案がありましたが、第三セクター化した上での存続が決まり、2014年3月に四日市あすなろう鉄道として再スタートを切った、軌間762mm、電圧750Vの路線です。あすなろう四日市〜内部を結ぶ内部線と、日永〜西日野間の八王子線があります。

 四日市あすなろう鉄道は内部線5.7km、八王子線1.3kmと、徒歩でも行けなくはない短距離を結ぶ市内路線ということもあり、途中に開けた場所(主に畑)も若干ありますが、両線共に基本的には起点から終点まで住宅地の中を縫うようにして線路が敷かれています。

日永駅周辺

 同鉄道最大のビューポイントが日永駅。内部線・八王子線のそれぞれ上下列車が同じタイミングで到着するようにダイヤが設定されています。特に、四日市発西日野行きの八王子線直通列車が到着する際は、ホームと線路配置の関係から四日市行き列車の前を横切ってホームに進入するダイナミックな瞬間が体験できます。

アップダウンと急カーブ

 距離が短いから終始平坦な土地を真っ直ぐ進むだけだろう…と思い込んで現地へ赴くと驚かされること請け合い。意外や意外、数キロの中に勾配や急曲線が点在するのです。

駅の設備

 キレイに整備され昨今のスタンダードな雰囲気を持った駅から自然の流れに任せているような趣あふれる駅まで多彩なバラエティが見られます。無人駅の割合が多く、各駅に自動券売機又は乗車票発行機が設置(改札機はなし)されています。

赤堀駅

 四日市の次にして、ことに味わい深いのが赤堀。年季の入った設備に加え、駅と同化するように立つ一本の大樹は圧巻です。

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