2018.01.05

大人の趣味の為のライフスタイルマガジン「IN THE LIFE(イン・ザ・ライフ)」

イタリア、詩人の骨董店を訪ねて

シャンデリアのコーナーに船が難破している。電化製品ものは屋根のあるところに陳列されている。

モノに囲まれた屋敷の秘密

「モノに囲まれた屋敷」の前を通り過ぎたら、誰もがUターンをして覗きたくなる。そんな不思議な雰囲気を醸し出すアンティーク屋が「ANTICHITA’IL POETA/ VILLA CALLIOPE」だ。オーナーの名はロレンツォ・ポンティッジャ。これまた不思議な人物で、自らを詩人であり、現代における世界で唯一の哲学者だと言う。

 今回も電話をかけたときに「今出来上がったばかりの詩だ」、と突然朗読し始めた。すべてがあまりにも強烈である。

 このアンティーク屋となっている屋敷は屋外、屋内ととにかく物で溢れている。足の踏み場もないというのはこういうことなのであろう。そんな中から「宝物を見つけてやる!」と皆宝探しにやってくるのだが、たいがいは10分もたつと途方にくれてしまう。

 しかも、店主ロレンツォには基本的に愛想笑顔はない。いつもこの世界に向かって怒っている。大声で怒鳴り、ぶっきらぼうに答える。お客の方もかなりの心の準備をしなくてはついてはいけない。近所でもかなりの変わり者で通っているらしい。彼を前にするとそれも納得できる。

 そんな彼が、どういう気持ちの変化か自分の話をし始めた。長年付き添った奥様は随分前に亡くなったということで、彼女のことを女神のように語る彼を見ていると、このかなり偏屈な店主も一人の男性なんだなと思えてくる。「自分のことを理解してくれ、100%信頼をしてくれる人が側にいてくれることほど、自分が強くなれることはないんだ。それを幸せというんだ。妻が居たから僕は僕で居られたんだ」としんみりと話してくれた。フッと家を見回すと、実はかなりのお屋敷だ。物に覆われて家を見る余裕もなかったが、天井も高く、作りも立派。家族皆でここに住んでいた頃は、良い父親として暮らしていたのかもしれない。

 途切れることなくクルマが行き交う道路沿いにこの屋敷はある。屋敷の前と裏には大きな庭があり、その庭いっぱいに物が置かれている。この光景は屋敷の前を通り過ぎるときにしっかり見ることができる。中にはガラクタ屋敷か、と思う人もいるかもしれない。けれども何故か、古いモノ好きは興味をそそられてしまう。入り口の可愛い鉄門には、「IL POETA、1958年オープン」と書いてある。

 店主は50年以上商売をしているらしい。鉄門を開けると、とにかく物が溢れているが、一応はジャンル別に配置が決まっているらしい。ランプ、瓶、柱時計などなどが、雨にも風にも夏にも冬にもお構いなく、外と半屋外に置きざらしになっている。

 私たちが立ち寄ったとき、外国から来た家族連れが何やら大きな物をクルマに積んでいた。聞くと、ここは外国人がよく来るという。北イタリアで有名なコモ湖近くにあるこの町には、バカンス利用の観光客が多い。この外国人客は、妙な屋敷の前を偶然に通りがかり、面白半分で物色しに入ったところ想像以上の物にあふれていたため、思わず衝動買いしてまったらしい。根気はいるが、必ずその人にとっての宝物がここには潜んでいるのだ。

住所:Viale Lombardia 37 Albese conCassano( CO)
電話:0039-031-421028
営業日:年中無休
(ただし出かけている時もあるので要連絡)

常に怒り、大声で話すロレンツォ。店の一角にある書斎からはいつも 怒鳴り声が聞こえてくる。アート、書籍も様々なものが販売される。

シャンデリア、書籍、年代物の皿や小物などの陶器。店主ロレンツォのワールド全開な室内。

屋敷は屋外、半屋外、一階、二階と分 かれていて、価値のありそうなものはどん どん奥まったところにレイアウトされている。 こちらはラジオコーナー。

IL POETA / VILLA CALLIOPE 屋敷の入り口。なかなかはじめは入る勇気が出ないかも。

ディアドルフはないだろうが、木製の古いカメラも見る人によっては掘り出しものかも。

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