2018.04.26

大人の趣味の為のライフスタイルマガジン「IN THE LIFE(イン・ザ・ライフ)」

4頭のクマもお出迎え!  NEPENTHES『ネペンテスのインテリア』

平たく言えば洋服なんてどこでも買える時代だが、ここの店で買いたいと思わせてくれる店もまだまだある。長年日本のファッションシーンで輝き続けるネペンテスのショップは、正にその筆頭格。ここでは、インテリアという観点から同社の店づくりについて掘り下げていく。

SOUTH2 WEST8

ファッションを切り口に、アウトドアライフを提案する。

“南2西8”の交差点標識を目印に、とあるビルの1階へ。鹿のトロフィーが並ぶエントランスを抜けて辿りついた先には、開けた大空間のアパレルショップが広がっている。ここは『サウス2ウエスト8』。札幌が誇る名店だ。

ショップ入り口のシロクマを含めて現在店内には4頭のクマの剥製がある。最初はシカのトロフィーが一つあっただけというが、今では店に置ききれず倉庫保管の剥製も少なくない。

 1988年、今から30年ほど前に原宿神宮前の路地裏でオープン。前身となる伝説的アメリカンクロージング・セレクトショップ『レッドウッド』を離れ、清水慶三さんが新たな店を始めたという事で、服好きの間ではオープン直後から話題の店となっていた『ネペンテス』。植物の名前を冠した10坪ほどの小さな店は、その後オリジナルブランドを展開して日本のファッションシーンに大きな影響を与えるわけだが、実はその店、洋服のみならず、インテリアの面でも注目度が高かったのである。
 今でこそ流木をインテリアとして活用したり、ぶち抜き天井にしてインダストリアルな雰囲気を出すのはよく見かけるが、当時としてはそんな店はセンセーショナルだった。また、どこのアパレルショップも植物を取り入れなかった時代、奇怪な植物をいち早く飾っていたのも同店なのだ。時が経ち、現在もファッション界からも一目おかれ続けているネペンテスは、現在はネペンテスの名前で4店(内1店はNY)と、エンジニアドガーメンツで1店、サウス2ウエスト8で1店。合計6店の店を運営。その全てにおいて地域の色を鑑みつつ、店のインテリアもテーマも変えている。今回はショップのインテリアディレクションを務めている青柳徳郎さんにそのこだわりについて伺った。

壁一面に並んでかけられた大型フレームザック。店の世界観を象徴するようなクラシックで味わいのあるディスプレイだ。

「渓流釣り」をテーマとしたサウス2ウエスト8のブランドの世界観を強く打ち出した和風の一角。藤鼠色の壁や、力強く描かれた『鱒』の書など、迫力のある空間となっている。

NEPENTHES TOKYO

ネペンテスの原点。

洋服をベースに、ネペンテスの想いを表現していく場であり、同社の揺るがない原点として存在している東京店。オリジナルブランドは勿論、独自の目線でセレクトされたブランドにも注目が集まる。

ショップの入り口脇に植樹されたトックリランの大木と、その背後に横たわるオリーブの巨木。大都会の裏路地に現れる異質な植物は、一見してネペンテスだとわかる同店のランドマークだ。

 2015年より、創業地からほど近い場所に移転、現在の無機質なコンクリート作りの建物にてリニューアルオープンを果たしたネペンテス東京。インテリアとしては、移転前の渋谷時代の店舗からステンドグラスや照明などを引き継ぎつつ、新しい空間を作り上げた。また、新店舗は開けた角立地という事もあって採光が良く、同社の重要なファクターでもある植物にとって良い条件が揃った。それにより、エクステリアにとしてメキシコ原産のシンボルツリーも取り入れている。
 「表のトックリランは、生け花的な考え方が根底にあります。背景に古木の根を見せ、脇にブーゲンビリアの花で彩りを添え、普通の植え込みとは少し違ったアプローチになっています」 

 「大前提として、人と同じ事はしたくないんです。それは取り扱っている商品についても同じですが、必ずウチらしいアレンジや提案を加えながら、清水が描く世界観を〝店〞という形で表現しています」
 青柳さんは、エンジニアド ガーメンツの鈴木大器さんの元で約10年服作りや店舗運営に従事した叩き上げのクリエイターで、自社のWEBや雑誌、店舗装飾など、ブランドの〝見え方〞を監督している人物。クリエイティブ全般を統括しており、オリジナルへのこだわりも強い。
 「東京はザ・ネペンテスといた雰囲気、大阪は公園に面した開放的な場所なので南カリフォルニアのイメージ……と、場所ごとにコンセプトは変えていますが、ネペンテスとしての統一感は大事にしています。服屋なので当然服の見え方が第一ですが、植物や装飾品も色や素材感にテーマを持って揃えてあげるだけでグッと見え方が良くなるんですよ」
 北海道のサウス2ウエスト8では、2016年の春フィッシングカテゴリーの強化に伴って一部をリニューアル。これまであった、アメリカのハンティングショップの様な装いに加え、新たにコンセプチュアルな和の空間も作り上げて新境地を開拓した。
 「行きたいと思ってもらえる店にするため、インテリアには手を抜きません。札幌の店は特に遠くから来られるお客さまも多いので、できるだけエンターテインしたい。気張りすぎないよう、そのさじ加減が大事なところですが、置いてある商品も含めてワンアンドオンリーの店でxり続けたいと思っています」

ENGINEERED GARMENTS

メイドインNYを体現する。

ヴィンテージのような深みのあるウェアを展開するEGのショップは、重厚なアイアンの什器とウッドの床やドアが特徴。表に看板を出さず、ひっそりと裏通りで営業している。

メインフロアには、温もりのある天然木の床に無機質な什器が並ぶ。

 デザイナー・鈴木大器さんが手がけるNY発の人気ブランド『エンジニアド ガーメンツ』。青山にある世界で唯一の路面店は、モダンアートやインダストリアルデザインからインスピレーションを得て、NYの排他的なイメージを暗に表現した、シンプルなクロージングストア。真っ白な漆喰の壁にシーズンのルックや、NYのフォトグラファーの作品も掲示し、店内はシャビーかつモダンな雰囲気で統一している。

PRESS ROOM

服の世界観を見せる大切な場所。

渋谷区某所に構えるネペンテスのPR拠点もまた、服のプレゼンテーションの場としてあるため、ショップ同様にインテリアにも一家言あり。

青柳さんのデスクにあるモノは必要最小限で、好きなアートやインスピレーションの元となる資料のみ。 右下:トロフィーの下でPC作業をする、なんとも不思議なワークプレイス。

 ネペンテスのPRとクリエイティブを担う部隊『SSP.』のショールームも、ブランドのイメージを伝える場所としてショップに引けを取らない空間作りが施されている。こちらでは通常厨房で使われるステンレスの棚やテーブルなども取り入れており、ソリッド感と程よいハズシ感の妙を見た。「一つのジャンルに囚われすぎず、色々なカルチャーが混ざった有機的で意外性のある空間が好きなんです。その方が自分は居心地が良いですね」

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