2018.04.26

大人の趣味の為のライフスタイルマガジン「IN THE LIFE(イン・ザ・ライフ)」

昭和レトロなアンティーク屋さん「金田屋 LICHTMÜHLE」

初めて聞いた言葉なのに、どこか懐かしい響き「リヒトミューレ」

木更津市の西側、いわゆる旧市街にたたずむ『金田屋リヒトミューレ(LICHTMÜHLE)』。昭和7年に立て直された建物は、当時を忍ぶ建造物としても貴重な存在。

『金田屋リヒトミューレ』。
初めて聞いた言葉なのに、どこか懐かしい響き。そんなアンティークショップが、千葉県は木更津、港にほど近い交差点にひっそりと店を構えている。
光を浴びると、ガラスの中に納められた小さな羽がクルクル。「リヒトミューレ」とは、自然の力を借りて動く不思議なオブジェクトである。ただ明るければよいというワケではなく、日光や白熱球の明かりに反応する。要するに温もりのある光を動力としているのである。

ペリカンの各商品を紹介しているカタログも、どうしようも無く魅力的だ。一番大きなサイズのボトルが、内枠から飛び抜けているグラフィックが秀逸。すばらしい。

店内に並ぶ、時が止まった逸品たち

店主の長谷川さんとリヒトミューレの出会いは偶然だった。当時会社勤めだった長谷川さんが、外苑前のとあるお店のウインドウで見かけた不思議なモノ。それがリヒトミューレだった。英語でラジオメーターと呼ばれるそのオブジェは、柔らかな日差しを浴びて無心に回っていたという。

時を忘れて、ただ見惚れていた。

サラリーマンとして過ごす日々も悪くない。仕事は好きだし、成果もあげてきた。漠然と、自分の好きな物に囲まれた店を持つというほのかな夢が心の片隅にあることも確かだが、だからといって、そう簡単には……。

結局、その日その瞬間に、独立を選ぶ決意を固めたのだという。

光を浴びている間は回り続け、暗くなれば止まってしまう。「自分に正直な毎日」を送っているリヒトミューレとの出会いが、大きな決断に繋がったというのだから、人生なにがあるかわからない。

リヒトミューレに自由の象徴を感じ、好きな事を生業にして生きていく道を選んだ長谷川さん。思い浮かぶのは、リヒトミューレ専門店であったり、カフェ・リヒトミューレ、はたまたアンティークショップにも惹かれる……。運命の決断から数年、紆余曲折と様々な出会いに支えられ、アンティークな逸品を扱う『金田屋リヒトミューレ』がオープンしたのは、それから数年後の事だった。

入荷するとすぐに売れてしまう真空管ラヂオ。1960年頃に発売された「ビクター・R-205」は1万6,800円。iPodもつなげる完動品。

文房具好きならずとも愛さずにはいられないアイテムたち。旧いパイロットのロゴに和む。

レトロでかわいらしいボトルたちには、一つ一つに表情が。使い道はあなた次第。

整備済の「使えるアンティークたち」

さてさて、趣のある店舗は、江戸時代から続く「旧金田屋洋品店」をリフォームしたもの。長谷川さんご自身も高校生の時に住んでいたという木造モルタル造りの建物は、アーチ型装飾が昭和初期の風情を今に伝えるレトロ建築……ではあるが、何しろおよそ30年もの間放置されていたとの事。床がくさり、すきま風が忍び込む店舗を、長谷川さんご自身が修理したというから天晴れである。壁にしっくいを塗り、床を張り直す。怒濤のような大工仕事をはじめとするあれやこれやを見事に乗り越え、晴れて構えた自らの城。それが『金田屋リヒトミューレ』なのだ。その店内には、長谷川さんご自身が心惹かれた品々がところ狭しと並ぶ。リヒトミューレが優雅に舞う窓際、ダンヒルのオイルライターにペリカン、ウオッチにクロック、オールドノリタケ……。

こうして羅列すると、そのラインアップに統一感を感じられないかもしれないが、実際にお店にお邪魔してみれば、確かな方向性を見いだすことが出来るだろう。ペリカン関係でいえば、万年筆に代表される“ペン”は勿論のこと、各種アイテムの充実ぶりに驚かされる。ディスプレイスタンドからポスター、書籍まで、ペリカンブランドの魅力満載のアイテムがズラリと並んでいるのだ。店主が心に抱くペリカン愛。それがひしひしと伝わってくるのである。興味を抱くと調べずにはいられず、自然と"物"が集まってきたり、"人との出会い"に恵まれるのだという。

思わず店内を見渡せば、そこはすなわち長谷川ワールド。ちょっとした小瓶からガラスペン、真空管のラヂオ、それらが展示されている棚やテーブルに至るまで、すべて店主が愛した逸品で満ちあふれている。

嬉しいことに、長谷川さんのお店に並ぶアイテムは、原則として実際に使うことができる。必要とあらば整備を施すのがモットーなのだ。ダンヒルのライターや真空管ラヂオも、完動品である事を考え合わせると、かなりのバーゲンプライスが下げられている事をお伝えしよう。実際の商品は、是非ともお店に足を運んで確かめていただきたい。

『金田屋リヒトミューレ』のモットーは使えるアンティーク。特に、ダンヒルのオイルライターは日本屈指。1920 年頃の英国製「The Spirit」は、灰皿付きの超レアアイテム。

ドイツのフォーゲル社が製造するリヒトミューレ。唯一アンティークではなくブランニューで販売されているのが、看板商品であるリヒトミューレという事になる。

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