2018.06.18

大人の趣味の為のライフスタイルマガジン「IN THE LIFE(イン・ザ・ライフ)」

その色の名は、「湘南色」

 湘南色の115系との付き合いは、高校生のときからなので、かれこれ四半世紀を越える。  埼玉から都内の高校に通っていた学生時代の115系は、ほとんどが15輌の堂々たる編成で、今から思えば国鉄の古き良き時代。デカ目、非冷房、薄暗い蛍光灯に、薄い緑灰色の壁面、青いシート、グレーのリノリューム。それらが印象に残っている。  現在の車内はリニューアル工事が行われているが、それでも昔の面影を残している。

 私が鉄道の写真を撮る趣味を始めたのは小学生からで、最初は最寄りのターミナル駅での撮影だったが、だんだんと行動範囲が広がっていった。

 移動の際の利用も含めて、115系はお目当ての列車のピント合わせ、俗に言う「ピン電」だった。ありふれていた時代はその"良さ"に気が付かず、随分ともったいないことをしていたと実感している。

 今は、天気と睨めっこで115系を目的に撮影する日々となっているのだから── 。

 国鉄時代の塗装は、風景に溶け込みながら列車がその色を主張し、本当に「絵になる」。いかに当時、配色の研究がなされたかを想像することができよう。その塗色を今でも変えずにいてくれる高崎エリアは、蒸気機関車や電気・ディーゼル機関車なども含めて、国鉄時代からの香りを漂わせている。

 輌数が短くなっても、その輝きを放つ湘南色。海からは遠ざかってしまったが、四季折々の自然のなかを、いつまでも走り続けてもらいたい。115系は今も、日本各地でそれぞれ独自のカラーとなって運転されているが、自分にはやはりこの色。

近いうちの引退が見込まれているが、最後の日は是非、乗って見送りたい。
みかんのオレンジ色。みかんの葉の濃い緑色。その色の名は、「湘南色」。

text:五十嵐正樹

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