2018.05.07

大人の趣味の為のライフスタイルマガジン「IN THE LIFE(イン・ザ・ライフ)」

今を知れば未来が見えてくる『アメリカのBBQの現在』

BBQの本場、アメリカ。そのアメリカのBBQは現在どのような状況になっているのか? 本国に何回も足を運び、現在のアメリカのBBQ事情を肌で感じている下城氏に伺った。

 7月4日はアメリカの独立記念日。この日をアメリカ人はなんと呼んでいるかご存知ですか?
 それは「BBQ Day」。そう、それまでの英国支配からの独立を祝い、全米各地でBBQが楽しまれるのです。
 アメリカの文化にはレジャーとしてのBBQだけでなく、国の行事としても深く関連して浸透しています。
 浸透している証の一つとして、BBQの本場アメリカでは「BBQコンテスト」が大小合わせて年間に1000以上も開催されています。”COOK OFF”と呼ばれる地方大会から「World BarbecueChampion-ship」の冠がついた世界大会まで、その規模は様々です。
 アメリカでBBQコンテストが盛んなのは、一体誰がBBQで一番なのかを知りたいからですね。

 実はワタクシ、下城もそのBBQコンテストのコンペティターの一人であり、日本はもとよりアジア唯一のBBQコンペティターチームである『BBQSHOGUN』としてアメリカのBBQコンテストにチャレンジしています。
 2013年、ミズーリ州の州都カンザス・シティで開催される最大級のBBQコンテスト「アメリカン・ロイヤル」に初エントリーしたのを皮切りに、テキサス州ハインツビルで行われる「ショットガン・フレッド」、ジョージア州アトランタの「アトランタBBQフェスティバルBBQコンテスト」、そして100万人が来場するという世界最大クラスのテキサス州ヒューストンで行われる「ライブ・ストック」に参戦しました。2015年には世界21各国からの国際チームと世界コンテスト優勝チーム及び各州のナンバーワンチームのみを招待して開催される、世界一のBBQチームを決める戦い「ジャックダニエル・ワールドBBQ・チャンピオン シップ」への参加も果たしました。

 アメリカのBBQコンテストはチームで戦う団体戦です。クックオフ・クラスにはパパと息子の親子で参戦するバックヤードBBQチームから、企業がサポートするプロフェッショナル・チームまで様々なチームがあります。
 主要なコンテストの仕組みを見てみると、会場内の指定されたチームブースがあり、そこに自分のBBQグリル(巨大なグリルです)を持ち込み、指定された肉(ビーフブリスケット、ポークショルダー、ポークリブ、チキンの4ミートが基本)を使って競うのです。各コンテストによって決められた審査基準を元に審査委員が採点し、肉ごとにチームの順位が決められ、最後に総合得点で優勝者が決まります。

 実はこの審査員ですが、日本の料理コンテストのように有名シェフや食通タレント、地元名士が審査員として呼ばれることはありません。なぜなら、審査基準が曖昧では、フェアではないというのが彼らの考え方なのです。
 これは、逆に考えればBBQ好きであれば誰でも審査員になることができます。審査員になるにはKCBS(カンザスBBQ協会)など、BBQ協会が行っている審査員講習を受け、正式にジャッジ認定を受ければいいのです。
 実は私もその審査員資格を持つ一人でもあります。現在日本人でアメリカのBBQコンテストの公式認定審査員は私を含めて2名のみ。2名とも日本BBQ協会のメンバーです。
 アメリカの代表的な審査基準を制定しているKCBC が定める審査基準は「アピアランンス」(美しさ)「テンダネス」(柔らかさ)「テイスト」(美味しさ)の3つとなります。
 だから調理過程は審査対象に含まれず、出来上がってきた肉が全てです。
 調理済みの肉の出来上がり加減でそれぞれが点数化され、得点が決まります。そして得点が最も高いチームが優勝となるのです。
 ”アピアランス”とは、見た目にシズル感があり美味しそうに見えるか?”テンダネス”は焼いたお肉が柔らかくてジューシーか? ”テイスト”は肉に旨味があり、味の各要素がバランス良くまとまっているか?
 という3つのジャッジングポイントで、総合得点が決まります。

 参加チームが700チーム以上となるアメリカン・ロイヤルでは、700名以上の公認審査員が参加しています。
 このようにアメリカのBBQコンテストは、非常にシビアであり、ジャッジの基準がはっきりしているのでその基準を満たすために各チームは練習を重ね切磋琢磨し努力して挑んでいるのです。世界コンテスト規模では、優勝するとその人の人生が変わるほど注目されるため、参加チームは「アメリカン・ドリーム」を求めて本気中の本気でエントリーするのです。
 ほとんどのコンテストは賞金も付きますがこれは100万円未満の少額です。賞金で生活できることはありません。しかし、BBQが国技のようでもあるアメリカでは、著名なBBQコンテストで優勝!という名誉や知名度が、スポンサーの獲得やオリジナルソースの販売など、その人の人生を左右するほど大きな影響を持っています。
 公正なルールの中でフェアに競い合い、誰がBBQで一番なのか? この単純明快な答えを求めて行われるのが、BBQコンテストなのです。
 その過程で年々BBQ技術もブラッシュアップされ、BBQグリルなどをはじめとする道具や料理スキルもどんどん進化し、その結果レベルが飛躍的に上がっています。もちろんこうなれば世間からの注目度もますますアップしていくという図式が展開されています。
 アメリカではすでに、野球やアメフトのようにBBQがスポーツ化していると考えると、この状況がわかりやすいかもしれません。そのため他のプロスポーツのようにBBQコンテストでもビックマネーが動いています。

 日本にはこのようなBBQコンテストから派生する本物のBBQカルチャーはまだありません。
 実は去年の12月にアメリカンスタイルのコンテスト実施ためKCBSよりトレーナーを呼び公式ジャッジ講習会を開催しました。これは審査員を育成し、アメリカ式の正式なBBQコンテストを開催したいと思っているからです。現在、国際的なBBQコンテストを企画しています。日本のBBQファンのみなさん!それまで腕を磨いて待っていてくださいね!

 一緒に日本のBBQシーンを盛り上げていきましょう!

昨年11月、カンザスBBQ協会の会員を呼んで行われた審査員講習会と模擬コンテスト。参加者はみな真剣な眼差しで聞き入っていた。

NEWS of BBQマガジン

ARCHIVES


RANKING


POPULAR TAG

NEWS


SEARCH