2018.05.08

大人の趣味の為のライフスタイルマガジン「IN THE LIFE(イン・ザ・ライフ)」

イタリアのヴィンテージ自転車レース   L'Eroica

エロイカでは個人だけでなく、友人同士、同僚同士でグループ参加する人は大勢見られる。

メインスポンサーであるマヴィック、ヴィンテージプジョーで参加という念入り。

ヴィンテージは人々を変えた

 1997年秋、イタリア中部。観光地から遠く離れたトスカーナ州の小さな村で産声をあげたL'Eroica。

 過疎化が進み、美しい田園風景がアスファルトと近代化の波に飲み込まれる前に、その風景の中で走ろうと、100人の自転車愛好家が集まったのがその始まりだ。イベントの参加条件は至ってシンプル。ヴィンテージバイクに乗り、ウールジャージに身をまとい、過去のロードレースの栄光を作り上げた偉人たちのように舗装されていない道を走ること。

 自分の面倒を自分で見る。でも困っている人がいたら必ず助ける。サプリメントもスポーツドリンクも要らない。道沿いにあるレストランで胃袋を満たせば良い。噴水の水をボトルに入れればよい。こうしてL'Eroicaが密かにスタートしたのだ。

近年、エロイカでは若者の参加が目立ち、ヴィンテージの魅力にハマる人は年齢と性別を知らない。過去は新鮮に映るだろう。

エロイカの観客。大会に参加しなくても、トスカーナで異次元のタイムスリップを楽しむ。

 あれから21年という年月が経った。その間、世界が大きく様変わりした。

 インターネット、スマートフォン、情報化社会とAIの普及で、社会が一気に便利になった。家を出なくても買い物ができるようになった。ボタン一つで世界と繋がる時代になった。何もかも早い。一方、気づけば隣人の顔と名前も知らない時代にもなった。そうした中、L'Eroicaは、人間が主役だった時代の世界を再現し、人々は忘れようとしていた価値観をトスカーナ州の小さな村で発見し、その虜になっていく。年々参加者が増え、7000人を突破(定員)。ボランティアも警察も街の職員も町長も3日に渡り、ヴィンテージファッションに変身する。

 L'Eroica の価値観は世界中に飛び火し、アメリカ、イギリス、オランダ、カナダ、スペイン、南アフリカ、ドイツ、日本などにエロイカという名前をもつサイクリングイベントが開催されるようになった。エロイカはヴィンテージバイクを崇めるイベントではなく、人間のあり方を考えさせるイベントだからだ。

 ヴィンテージは人々を幸せにする魔物なのだ。

永遠に続くグラベルロード。景色を遮る建物もない。この景色に飲まれ、時間の流れを忘れる。

泥だらけの自転車。汚れてヒーローの証。

各チェックポイントでメカニックサービス付き。貴重な存在。

エイドステーションの一つ。ワイン、甘いレモンティー、スイーツが振舞われる。

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