2018.06.20

大人の趣味の為のライフスタイルマガジン「IN THE LIFE(イン・ザ・ライフ)」

一大決心で開店した、生地工房を改造したパーツショップ「MOTOCICLI VEL...

生地工房を改造したパーツショップ

「この辺は、スリやひったくりが多くて有名なところなんだ、気をつけてね!」

 「MOTOCICLI VELOCI」のオーナー、マッシモ氏は近くの駐車場まで迎えにくると、笑いながら語った。

 ミラノの中心部、といってもショッピングエリアではなく、活気ある下町エリア。かつては運河だったというところに彼の店はある。中庭のある集合住宅、こんな所にバイクショップ? というような、隠れ家的な店構えだ。

「ここは1900年くらいに作られた建物で、今でこそボロいけど、当時は上流階級の人が使ってたんだ。当時はお風呂がある家が少なかったんだけど、ここには備え付けてあるんだよね」

 マッシモ氏が15年前に始めたというこのお店。主に取り扱うのはレース用のヴィンテージバイクパーツだ。汎用で使えるスイングアームやバックステップ、カウルなどといった様々なコンポーネンツをオリジナルで製作し、ネットのオンラインカタログを通じて世界中に販売している。

「日本人のお客さんも多いんですよ。70年代の日本製バイクをモディファイするのが日本では人気なんでしょ? ホンダのCB750とかカワサキのZ1とか。そんなバイクのパーツも販売しているんです。もちろんイタリアンバイクのパーツも扱っています」

「古いレース用バイクっていうのは、乗るのが本当に難しいんです。クルマに比べると、バイクっていうのは本当にメカが好きな人が乗る乗り物だと思う」

ホンダイタリアーナのヴィンテージ

往年のヴィンテージレーサーの写真がそこかしこに。

ドゥカティのメーター、ビモータのアームなどもストック。

2階はレーシングバイク関係の古い本のライブラリーだった。

HONDA 125/1980年、ホンダイタリアーナの125cc、セカンドシリーズ。当時ホンダイタリアは、日本からこの状態で輸入して、イタリアの法律に合わせるように作り上げていったとか。マッシモ氏は古いホンダの125を購入し、それをこのようにモディファイしてコレクションしている。125は扱いやすく、草レース用としてイタリアでも人気が高い。マッシモ氏の行くとこ行くとこついてくるビーグル犬は、亡くなったお母様の愛犬を最近引き取ったということ。「犬なんか飼ったことなかったけどね、いまでは奥さんと子供2人と犬と暮らしているよ」

アエルマッキも好きなバイクのひとつ

アエルマッキのアメリカ版でスプリンターアッカというモデル。アメリカ用にイタリアで作られたものをマッシモ氏がレストア。奥はタンボリーニがデザインした90’sのミト。オリジナルの状態で残っているのは大変珍しい。

 じつはマッシモ氏。このお店をはじめる前は、織物や生地関係の仕事をしていたとか。小さい頃からメカが好きで、おじいさんがクルマ関係の仕事だったこともあって、機械モノに興味を持っていたらしいのだが、自身はいろいろあって織物関係の仕事をしていたようだ。

「僕の仕事は、当時扱っていた生地をイスに張りつけていく仕事でね、ちょうどここが工房だったんだけど、その横で趣味のバイクを売っていたんだ」

 バイクはあくまで趣味で、レースにも出ていたそうだが、ある日なじみの店が閉店するということになり一大決心をしたという。

「持っていたお金を全部つぎ込んで、そのお店を部品ごと全部買ったんです。バイクが好きだったし、それまでの仕事にはあまり情熱が湧かなかった。どうせやるならパッションを持てることをやりたいなと思ったんですよ。当時は前の店で商売をしていたんですけど、元の工房を使わないのも場所がもったいないので、5~6年前に戻ってきたんです」

 その後、買い取った店の部品にも限りがあるため、オリジナル商品を開発。ヴィンテージバイク、しかもレース用を中心とすることで、売り上げを伸ばしていった。

「今の仕事を始めて本当に良かった、情熱もあるので楽しいですね」

アエルマッキAla d'Oro 250Sのタンク。車名は元航空機のメーカーらしく、金の翼という意味。

年代によって、エンジンも微妙に違っている。シリンダーの形も丸形と四角型が並んでいた。

レストア中のバイクは、イタリア製のアエルマッキ。元々は航空機のエンジンを生産していたメーカーであった。

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