2018.06.08

大人の趣味の為のライフスタイルマガジン「IN THE LIFE(イン・ザ・ライフ)」

取って食べる「霞ヶ浦で外来種のナマズをとって食べる」

50センチオーバーに育ったナマズの引きは強烈の一言。アメリカンな魚体が水中から上がってくる瞬間は、ここが茨城県であることを忘れさせてくれる。レッツゴー、海外旅行気分。

今回とって食べるのは、日本の在来種であるマナマズではなく、霞ヶ浦を中心に増殖中のアメリカナマズ。その名の通り海外から移入された外来魚で、霞ヶ浦周辺では増えすぎて厄介者扱いされている。だが本場では立派な食用魚ということで、食べてみたらこれが本当にうまかった!

今回狙うのはこれだ!

アメリカナマズ/通称はアメリカナマズ、和名はチャネルキャットフィッシュ。アメリカやカナダが原産の淡水魚で、現地ではフライなどで食べられている。日本には1970年代に食用目的で移入されたが、その普及度はイマイチ。現在は霞ヶ浦、江戸川、利根川などの水系に広く分布し、特定外来生物に指定されている。

誰にでも簡単に釣れて実は食べると美味しいそれがアメリカナマズ

 アメリカナマズは雑食性で、ブラックバス狙いのルアーでも、ヘラブナ釣りの練りエサでも、なんでも食いついてくる大食漢。この淡水の外道王は多くの釣り人に嫌われている存在だが、アメリカナマズを下魚と決めつけるのは失礼な話。簡単な仕掛けで誰にでも釣れて、サイズが大きく引きも強いとなれば、これはもう格好のターゲットと言えるだろう。巨大ナマズ釣りなんて、本来は海外に行かなければできない憧れのゲームなのだ。

 霞ヶ浦では狙わなくても釣れてしまう魚だから、本気で狙えばいくらでも釣れるだろうと思ったのだが、この日はナマズの機嫌が悪かったようで、午前中いっぱいやってようやく一匹。竿が湖底に引っ張り込まれるような強烈なアタリもあったが、4号のハリスがブチン。あれはきっと80センチオーバーの大物。

 このように苦戦を強いられてしまったが、地元のおじさんから教えてもらったポイントで竿を出してみたところ、釣り堀よりもイージーに連続ヒット。場所選びさえ間違えなければ、やっぱりナマズは簡単に釣れる魚のようだ。ちなみに夜行性なので夕方から狙えばより確実!

仕掛けはナマズが泳ぐ水底までエサを届けられれば何でもOK。バス用などのリール竿を使った投げ釣りが一番簡単だろう。

匂いに敏感なため、使うエサは臭いものが有効。魚の切り身や鶏のレバーあたりが確実だが、フナやコイ用の練り餌でも釣れるとか。

事前にインターネットの航空写真で上空からチェックし、ここなら間違いないと決めた釣り座で。どこでも釣れると評判のナマズだが、ポイント選びが釣果を大きく分けることになるのだ。

外来種こそ食べて活用!

安全で美味しいナマズの処理

 このナマズがあまり食べられない理由は、独特な宇宙人っぽいヴィジュアルと、臭そうなイメージからだろう。だが料理してしまえば姿なんてわからないし、入念な下処理をすれば臭みだって抑えられる。これ以上国内で増やさないためにも、積極的に食べていこう!

アメリカナマズは生きた状態での移動が禁止されている特定外来生物。釣った場所でエラを切るなどして活け締めすること。しっかりと血抜きをしてから持ち帰ることは、臭みを抑えることにもつながるのだ。

背ビレと胸ビレに硬く尖ったトゲがあるので要注意。ウロコはないがヌメリはあるので、左手に軍手をすると格段に捌きやすくなる。お腹を開いたら内臓とエラを捨て、しっかりと水洗いをしておこう。

トゲに気を付けながら頭を落とし、身を3枚に下ろす。骨が固いので出刃包丁を使うのがベター。内臓を包んでいた腹側の部分は臭みがあるので、腹骨と一緒にカットしてしまおう。

臭みを消すために日本の魚なら日本酒に浸けるところだが、アメリカの魚ということで牛乳に30分浸けてみた。そして塩と胡椒をたっぷり振って、キッチンペーパーに包んで水分を出したら下ごしらえは終了。

臭みを消して香りを足せばナマズだって高級魚

 どこか臭いイメージのあるアメリカナマズだが、霞ヶ浦で採れるワカサギや川エビが美味しい食材なのはご存知の通り。ならばそれらを食べて育ったナマズに対して、食べもせずに勝手な偏見を持つのはおかしな話。とはいっても普通に料理しただけでは気になる臭いも多少はあるだろうから、そこを下処理でどう抑えるかがナマズ料理のコツとなる。

 まずは釣ったその場で活け締めをして、しっかり血抜きすることが肝心だろう。生かして持ち帰っての泥抜きは法律的にNG。保冷して持ち帰ったらエラと内臓を丁寧に取り出し、しっかりと水洗いをする。旨味が逃るのではとか考えず、不安が消えるまでジャブジャブと洗おう。

 3枚に下ろしたナマズの身は、白身なのにうっすらと黄色く、さらに腹部分が銀色という見慣れないスタイルで少し動揺するかもしれないが、その辺りは海外原産だからと理解して、地球の広さを感じる心のゆとりが肝心。

 普通の魚だったら下処理はここまでだが、念のため牛乳にしばらく浸して乳脂肪で臭みを溶かした上で、塩を多めに振ってキッチンペーパーでグルグルに巻き、身に含まれる水分をできる限り抜く。このように臭みをしっかりと抜いた上で、たっぷりと香辛料を使って料理すれば、臭いの引き算と足し算によって、ナマズは高級魚に負けない食材となるはずだ。

 とはいえ、いくら細心の注意を払って料理をしても、やっぱり臭いのではという不安もあったが、食べてみればクセの無いプリプリの白身魚でびっくり。後味に若干の川魚独特の香りを感じることもあるが、これは風味の範囲だろう。アユの塩焼きを美味しいと感じる人であれば、決して嫌ではないはずだ。

 ただいくらうまいといっても、野生の淡水魚は寄生虫の心配があるので、必ず加熱をして食べること!

ナマズバーガー/大きめの切り身でナマズフライを作り、温めたバンズにたっぷりのタルタルソースと挟んだのがこちらのナマズバーガー。肉厚の身はふっくらと柔らかで、そこらのハンバーガーチェーン店では絶対に味わえないボリュームと味わいは感動的ですらある。これに合う飲み物といえば、なんといっても冷たいコーラだろう。こいつを大きな口でほおばっていたら、なんだかアメリカの風を感じた気がした。

ナマズ& チップス/アメリカナマズの本場では、フライにして食べるのが一般的ということで、イギリス料理のフィッシュ&チップスをナマズで作ってみた。カレー粉、ショウガ、ニンニクでしっかりと下味をつけ、衣はアメリカナマズという名前に敬意を表してバドワイザーで小麦粉を溶いたものを使用。炭酸ガスの作用でサクッと揚がったナマズフライにレモンを絞れば、ビールのツマミには最高の一品だ。

トムヤムナマズ/トムヤムクンといえばタイの代表的な料理だが、そのナマズ版ということでトムヤムナマズ。味付けは市販されているトムヤムクンのペーストを使用し、一度茹でて臭みを抜いたナマズを野菜と一緒に煮込む。そして仕上げにたっぷりとパクチーを乗せて食べれば、ナマズ独特の風味がエスニックなスープと見事にマッチ。なにかの代用品などではなく、ナマズだからこその味わいを楽しめた。

アクアパッツア/いつもはタイやカサゴなどの白身魚で作るアクアパッツァに挑戦。ナマズの下味は塩と胡椒のみ。スキレットにたっぷりのオリーブオイルを引いて焼き目をつけたら、トマト、パプリカ、タマネギ、ニンニク、白ワイン、水を投入。さらにアサリを加えて蒸し焼きにすれば、イタリアンな煮込み料理の完成だ。他の料理に比べると素材の味が生きてしまうため不安も大きかったのだが、海の魚に負けない味に仕上がった。

NEWS of HUNT

ARCHIVES

RANKING

POPULAR TAG

NEWS

SEARCH