2018.06.08

大人の趣味の為のライフスタイルマガジン「IN THE LIFE(イン・ザ・ライフ)」

アウレリアを得意とする"レストアの達人"

 ランチア・アウレリアのスペシャリストとして知られるダニエルさんのショップでは、各種ヴィンテージカーおよびオートモビリア(自動車関連グッズ)の販売を手がけている。

 単なるクルマの販売店ではなく、カロッツェリアとして活動しているため、アウレリアの他にも多様なクルマを販売し、なおかつ、ビス&ナットに至るまでのグラウンド・アップ・フル・レストアまでを引き受けている点が特徴だ。

 父親が営んでいたカロッツェリアを継ぐかたちで代表となったダニエルさんは取材時41歳で、同業者のほとんどが年上ということもあり、若きカロッツェリアとして各方面から注目されている。

1962 ABARTH MONOMILLE/プレクシグラスのヘッドライトカバーを持つものとフェンダー先端にヘッドライトが露出したものの2種類のボディがある。また、'60〜'62年の間にコーダ・トンダのモノミッレ(テール形状が丸い)が造られており、現車はそれに当たる。

アバルトの創業者が蠍座だったため、サソリのエンブレムを採用。現車はミッレミリアに出るためにレストア中だった。

モノミッレGTは、アバルトとしては珍しく純然たる公道用GTカーとして生産された。982ccエンジンもストリート仕様。

他のアバルト製コンペティションカーと同じ流れを汲むオールアルミボディをフィアット600Dのシャシーに積んでいる。

若きカロッツェリアとして精力的に活動

 「8歳の頃、ルノー・ディーラーの中にフェラーリ365GT2+2がホコリまみれで置いてあって、それを見てヴィンテージカー関連の仕事をしようと思いました。ちなみに、その365はほとんど走っておらず、今でもこのガレージ内に置いてあります」とはダニエルさんのコメントで、さすがに8歳のときではなかったが、15歳のときに"この仕事"を始めたそうだ。

 参考までに記しておくと、15歳のときにアルファ・ロメオのジュリエッタ・スパイダーをレストアし、17歳のときにヒーリーを買って、ボロボロだったものを完璧にレストアしたとのことだった。ちなみに、このとき直したヒーリーを、その後、10年間持っていたという。

 日本ではカロッツェリア=エキゾチックなショーモデルばかりを製作している工房といった印象が強いが、イタリアのカロッツェリアは鈑金塗装や車両の解体もしなくてはならないのだ。ダニエルさんは、鈑金塗装や車両の解体に関する様々なノウハウを父親から教わった。

 41歳にして、すでに経験豊富なレストア職人となっているダニエルさんは「ヴィンテージカーをレストアするにあたっては、まず、そのクルマに一番適している人を探し、高レベルかつ的確な作業をするようにしないとイイ仕事ができない」とも語ってくれたが、実際にイイ仕事をたくさんしていることが世界各国に知れわたっている。

 最も得意としているアウレリアに関しては、すでに世界中のオーナーがダニエルさんを頼っており、我々が訪れる直前まで6台のアウレリアが入庫していたそうだ。

 そんなダニエルさんが販売しているクルマはみな程度がいいので、ビギナーにもお勧めなのであった。

1976 PORSCHE TURBO RSR TYPE 934/ポルシェ930ターボをベースにしたグループ4マシンということで、934レーシングとも呼ばれたこのマシンは31台だけ生産された。某コレクターが所有している現車は31台目に生産された車両で、抜群のコンディションを誇っている。

メーターまわりこそ他のポルシェと同じような雰囲気でまとめられているが、室内はロールケージ等をしっかり装備。

オレンジの外装色はイェーガーマイスターをメインスポンサーとしたマックスモリッツ・チームの車両を彷彿とさせる。

1955 PORSCHE 356 PRE A SPEEDSTER/ポルシェの名を冠した初のスポーツカーである356は1948年に登場。ダニエルさんのところにあったのは1954年から選択できるようになったスピードスターで、356Aに発展する以前の車両なので、プレA(1950〜1955年まで生産)と呼ばれている。

1954年に1100ccが廃止され、その後、1300cc/1500cc仕様が生産された。1955年式の現車は1600cc仕様。

フロントサスペンションは、1953年仕様からスタビライザーを装備。同年からミツワ自動車が日本への正規輸入を開始。

お洒落なシティコミューターとして提案

BMW ISETTA 300/BMWは1955年に250を発売し、その後、排気量を245ccから298ccに拡大した300をリリースした。後ろに2本のタイヤを持つ4輪タイプとイギリス向けの3輪タイプがラインナップされた。ダニエルさんは当イセッタをオークションにて220万でゲット。

イセッタはもともとミラノ近郊で戦前に冷蔵庫などを製造していたイソ社が生産していたものだが、イタリア国内における販売が不振だったため、BMWやフランスのVELAMなどとライセンス契約を結んだ。BMWを始めとする各社は独自に改良を重ね、最終的にはBMW製車両がイセッタのメインとなった。

ランチアはフラミニアも取り扱っている

LANCIA FLAMINIA PININFARINA/フラミニアは、ランチアが1957年から70年まで生産した大型高級乗用車。イタリア大統領の公用車などに用いられたプレステージカーで、ベルリーナ(サルーン)とクーペはピニンファリーナがデザインした。ダニエルさんはアウレリアのスペシャリストとして世界的に知られているが、同じランチアということもあり、フラミニアも取り扱っている。

ブガッティのような歴史的価値が高い名車もダニエルさんの卓越した技術を頼ってやってくる。ちなみに、ブガッティは1909年にイタリア出身の自動車技術者、エットーレ・ブガッティがアルザスに設立した自動車会社だ。1940年代初頭まで、主に高性能スポーツカーやレースカーを製造していた。

MOTO GUZZI Galletto 192/TDA di Daniele Turrisiのファクトリーは充実した設備を誇っていることもあり、4輪だけでなく、2輪も入庫してくる。写真は1954〜1966年まで生産されたMOTO GUZZIのGalletto 192。エンジンの排気量は192ccで、エンジン形式は『monocil. a quattro tempi』だ。

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