2018.02.14

大人の趣味の為のライフスタイルマガジン「IN THE LIFE(イン・ザ・ライフ)」

革作家・華順さんの愛用品

流行を意識せず、少しずつ改良を重ねて使い勝手のよさを最優先に提案。ミニ財布1万5120円、長財布1万6200円

シンプルな作品で人気の革作家・華順さんの愛用品は、これまで手掛けてきた作品の試作品でした。自ら使うことで見えてくる使い心地。愛用品には作り手としてのこだわりと革への尽きない想いが伝わってきます。

手に触れた瞬間、革の魅力に気づき、愛おしさが増す

ICカードも入るキーケース。 右は初期に作ったもので、華順さんの愛用品です。

【PROFILE】 華順さん/大学で美術史を学び、卒業後は働きながらデザイン学校の夜間部に通う。卒業後、プロダクトデザイン事務所に勤務し、その後、オーダーメイドの革鞄店で修行を積み、独立。モノづくりに対する真摯な取り組みは多くのファンから支持されている。

工程の中で最も神経を使うのが裁断だそう。伸縮性や傷の位置を確認しながら、型取りの作業をしていきます。

すべての作業を一人で行うた め、限られた数しか作ることができず、展示会では初日に完売してしまうことも。「待っている方にお届けできないのが本当に申し訳ないです」と華順さん。

その人らしく使ってほしいから、何より“使いやすさ”にこだわっている」と話すのは、革作家の華順さん。彼女が手掛ける革小物は、シンプルなデザインの中に滲み出る革の質感が魅力で、ずっと使い続けたいと思わせるモノばかりです。

華順さんが革作家を目指したのは22年ほど前のこと。大学を卒業後、就職したデザイン事務所で働く女性デザイナーたちの姿に憧れ、デザイン学校の夜間部に通います。卒業後はデザイナーとして職を得たものの、パソコンに向かって作業する日々に疑問を持ち、「私はもっと手を動かす仕事がしたい!」と以前から好きだった革の世界へ。革職人たちの中で修行を積み、15年前に独立しました。

「最初から“革”と決めていたわけではなかったので、かなり遠回りしていると思います(笑)。そのときどきで“これでいいのかな”と思っていると、ふっと背中を押されるような出会いやきっかけがあって、今に至っています」

作業中は大きな音が出てしまうため、近隣への配慮から夜間はトンカチを使う作業は控えることも。

革は性質や傷の有無など個体差が出やすいため、華順さん自ら選定するといいます。今では一部屋が革に占領されているとか。

現在は住宅街にある工房で、デザインから革の裁断、縫製まで、すべての作業をひとりでこなしています。
まずは試作品を作り、自ら使い勝手をチェックして改良を重ね、ようやく一つの作品が出来上がります。華順さんの愛用品は、これまでの試作品の数々。どれも使い込まれて革が柔らかくなり、艶も増して、経年変化が深い味わいとなっています。

人の肌と同じで、冬場は革も乾燥しがち。専用クリームを塗ると油分が革に染み込んで艶も増すそう。手袋を使うと塗りやすいとか。

「私はクロム鞣しの革よりも、タンニン鞣しのほうが素肌っぽくて好きなんです。それぞれにメリット・デメリットはありますが、タンニン鞣しはキズも付きやすいし、水にも弱いけれど、使い込むほど革のよさが楽しめて愛着が沸いてくるんです」

展示会では、お客さまから使用中の革小物を見せてもらうことも多いそう。それぞれ個性ある使い方に、「嫁いだ我が子に会うようで愛おしい」のだとか。

ひとり黙々と作業に励む日々を「幸せ」と語る華順さん。その職人気質を反映したかのような革小物たちは、幅広い層の人たちから支持され、“手をかけて育む革小物”としての魅力を放っています。

昔から革の靴やバッグが大好きだったと話す華順さん。その好きなものが作れて、それを大切に使ってくれる人がいることが本当にうれしいといいます。

10年以上前のバッグ(手前)を改良して作ったクラッチバッグ。柔らかさを増したバッグは体になじみます。

丸い木の椅子には余った革で作ったクッションを。「友人たちには“パンケーキみたいで美味しそう”といわれています(笑) 」。

トルテVol.9にて掲載

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