2018.06.29

大人の趣味の為のライフスタイルマガジン「IN THE LIFE(イン・ザ・ライフ)」

大学がヴィンテージホテルに!?『JW Marriott Phu Quoc Eme...

ライブラリーとして使用されていた建物は、現在、ホテルのロビーとなっている。器械体操で使われていたあん馬もインテリアとして違和感なく溶け込んでいる。

ベトナム最後の秘境と言われ、現在、リゾートアイランドとして開発が進んでいる、フーコック島。ここに、18世紀のフランス統治時代に建築された、とある大学をリノベーションし完成したリゾートホテルがオープンした。このホテルにある、とある秘密とは……?

フレンチコロニアルとオリエンタルが融合

元ライブラリーだというロビーには、ラマルク教授の肖像画と大学のマスコットである犬の彫像。ヴィンテージの地球儀と書物が並ぶ。

 今から遡ること100年以上。JWマリオット・フーコック・エメラルド・ベイ&リゾートスパの歴史は、18世紀のベトナム、フーコック島の南部にあるバイケム商店街にまで遡る。

 当時、地元の商人たちは、自分たちの子供に高度な教育を与えたいと願い、政府は当時フランス統治下だったベトナムの新たな学校として、ラマルク大学を1889年に創立した。

 学校の名前は、19世紀のフランス生物学者として有名な、ジャンニバティスト・ラマルクにちなんで命名。アカデミックな兵士としても有名だった彼は、進化論の初期の支持者としても知られ、自然、科学、建築の分野でも活躍した人物であった。

 当時フーコック島の建物は、華奢な1階建ての商店や住まいしかなかったが、バイケム商店街の周囲は、複数回建ての近代的な教室を備える大学の建物が次々と建築され、学生で賑わったという。そして、戦争がベトナムを襲うまでの数十年間、数多くの偉大な学者を教授陣に迎え、優秀な学生を卒業させていったという実績が今でも残っている。また、当時、ラマルク大はスポーツも活発で、陸上や球技などで活躍。優秀なスポーツチームを生み出したのであった。

 当時の教授陣の銅像や教科書は、改装された現代の建物にディスプレイされ、当時を彷彿させるものとなっている。

光の入るレセプションルーム。フレンチコロニアルとベトナムオリエンタル、ヴィンテージが融合した空間。

最後の秘境と呼ばれる楽園

砂浜は三日月状に美しく広がっていて、ビーチフロントの客室にはプールが隣接している。

フットボールなどのスポーツだけではなく、建築、美術などなどさまざまな分野で獲得したトロフィーも天井までずらりと並ぶ。

当時の古い図鑑や骨董品が見事

244の客室、スイート、ヴィラがある大きなリゾートホテルだが、フレンドリーな雰囲気。

 戦争が終わり、半世紀以上。この大学に目をつけたのが、ベトナムの不動産投資企業、ベトナム・サングループ。同社は、ラマルク大学の当時の栄華を残しつつ、ラグジュアリーホテルとしてリノベーションする計画をたて、ホテルデザイナーのビル・ベンスリーに依頼。5年間の大規模な修復作業ののち、2017年に「JWマリオット・フーコック・エメラルド・ベイ&リゾートスパ」として生まれ変わったのである。

 建物は、屋内外ともに当時の様式をそのまま残し、1階建、2階建の建物はプライベートヴィラとして変貌した。

コーヒー&ベーカリーショツプのインテリア。右は大きなオーブンとなっている。

ケミストリーバーは、文字通り、化学実験を取り入れたカクテルが名物。古い薬瓶なども見事。

カフェには、ヴィンテージのミルや天秤がずらりとディスプレイされる。ケーキも美味。

すべて想像上のストーリー!?

オリエンタルメニューが楽しめるレストランはクジャクをイメージしたインテリア。和牛や北海道のホタテなども!

 そこかしこに、陳列された当時の品々、そしてフレンチコロニアル様式そのままの素晴らしい建物!! ヴィンテージ好きな方であれば、ささること請け合いだが、このホテルのすごいところは、なんと別のところに。

 それは、今までの歴史的ストーリーがすべておとぎ話ということ!!

 勘の良い方はお分かりかもしれないが、じつはここ、そもそもラマルク大学などは存在せず、すべては、ホテルデザイナー、ビル・ベンスリーのイマジネーションの世界。彼の想像を具現化した、コンセプトリゾートホテルなのだ。

 ただ、そこかしこにある調度品や、本、大学のユニフォームなどは、すべてアンティークショップなどで買い付けた本物。そのこだわりようには、目を見張るものがある。

 また、大学のカリキュラムと同様、毎日、ゲストには時間割が配られ、化学実験という名のカクテル教室や、体育という名のクラフトビールを飲みながらのヨガ! などなど、リゾート内で楽しめるイベントを設定。目の前はベトナム最後の秘境といわれるフーコックの真っ青な海とプール。ヴィンテージ好きにはたまらないリゾートである。

エアフランスの広告ポスターがペイントされた壁面。当時はフーコックに滑走路がなく、飛行艇だったのか?

ヴィンテージアイテムのちょっとしたディスプレイがどれもセンスがあって楽しい。オスカーワイルドの名言とともに。

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