2018.07.26

大人の趣味の為のライフスタイルマガジン「IN THE LIFE(イン・ザ・ライフ)」

パリの真ん中で造り続ける革工房「ATELIER du BRACELET PARI...

 フランスには「マロキヌリ」と呼ばれる革加工技術がある。柔らかさと丈夫さのバランスよさは他国製品と比べてフランスの革製品の特長で、馬具や旅行鞄など高級ブランドのプロダクトも、少なからずマロキヌリの伝統と恩恵にあずかっている。

 その伝統を気軽に、だが本格的に体験できる銘店が1区、ピラミッド近くの「ATELIER du BRACELET PARISIEN(ABP。アトリエ・デュ・ブラスレ・パリジャン)」だ。ここはお客の好みに応じて時計の革ブレスレットを製作するショップだ。

 店頭での注文から通常の納期は、時期にもよるが約5日間、特急料金をプラスすれば最短90分で製作&納品できる。表から見ると小ぢんまりした店構えだが、奥に立派な革工房が控えている。しかも素材にも色も、すべて指定の効くシュル・ムジュル(ビスポーク)のサービスである。

究極の自分仕様、それがシュル・ムジュル

ABPのオーナー、ヤン・ペラン氏は親の世代から続くマロキヌリ職人。時計ブレスレットのみならず財布や手帳、鞄など、顧客の要望を革アクセで具現化するプロだ。ステッチ系は色違い・番手違いで、これも一部に過ぎない。

 まず革素材を何にするか? ストックされる革の種類は50以上。アリゲーターか子牛か、リザードかガルーシャーかオーストリッチか果ては牛の胃やシャークスキンまで、あらゆるエキゾチックレザーが揃う。色で選ぶにも400種類以上。

 アレルギーフリーの植物なめし革など、細かな配慮のオプションもある。またアリゲーターやクロコでは好きな斑紋を切り取ってくれる。後はブレスレットの厚みと形、ステッチを同系色かコントラストをつけるか色指定して、完成を待つばかりだ。

 それにしても、お客さんがスタッフと相談する様子の賑やかなこと。製作スタッフも一緒にああだこうだと意見しつつ、この世でたった一本の時計ブレスレットの誕生に立ち会う。ちょっとした革小物とはいえ、これならば確かに、思い出深い一本になるはずだ。

小さいとはいえ、製造業が海外に拠点を移している今、パリのど真ん中に工作機会まですべて構え、一次原料から製品まで作っている工房はない。その存在自体がヴィンテージだ。

端切れの革の一部。王道の爬虫類レザーその他、カラフルぶりがわかるだろうか。

Text:Kazuhiro Nanyo

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