2018.08.01

大人の趣味の為のライフスタイルマガジン「IN THE LIFE(イン・ザ・ライフ)」

旧き佳きフランスの自転車風景を今に伝える店「18 Velo Vintage」

 自転車大国だったフランスには、面白いフレームや昔の名車が実は方々に眠っている。とはいえ当のフランス人にとっては盲点だっだようで、

「エディが地方に仕入れに行くと、そんな旧い自転車が今さらパリで売れるのか? って聞かれるよ。むしろ海外のお客さんも多いっていうと、もっと驚かれるんだけどさ」

と、ユーゴは笑う。

 ユーゴとエディは生まれも育ちも18区はモンマルトルというパリジャンでリセの同級生だった。そして今や、彼らは地元モンマルトルの麓で「18 ヴェロ・ヴィンテージ」を共同経営している。

 フランスのヴィンテージ自転車の取り扱いに特化したショップは、開業時の4年前は、じつはかなり珍しかった。口コミでお洒落な人々の間でジワジワとパリでの評判を広げ、現在に至っている。
 
「じつはウチのホームページのアクセスは、日本から一番多いんだ(笑)。梱包して国際宅配便で何台も送ってるよ」。

フランスのクラシック自転車は大別して4種類。レースに使われるスポーツ車、長距離や旅行に使われるツーリング車、快適さを目指した街乗り仕様、そして折りたたみ式であることが多いバカンス車。すべてのスタイルが揃っている。

キッチュでシックな’80年代が広がる

パリでは坂の多い地区で育ったせいか、自転車で遠くへ走るのに憧れたというユーゴ。店番のない時は、近所の工房でレストア作業に勤しみつつ、パンク修理まで何でもござれのナイスガイだ。

 「数十年前の自転車だからカンペキは無理でも、時々新車のまま眠っていた個体もあるし、それを仕入れられるのもウチの強みだね」。

 販売の他に、修理やレストアも担当するユーゴいわく、

「’70〜’80年代のフランス製の自転車は、ハンドメイドでも大量生産モデルでも、概して材質も溶接もオーバークオリティなんだ。30年40年経ったから捨てるなんて、勿体ないどころかバカみたいな話だよ」。

 加えてユーゴとエディが気に入っているのはこの時代のカラーリングやファッション。

「新品だった頃はちょっと照れ臭かった蛍光色のピンクとかライムグリーンも(笑)、旧くなってきたからこそいい味の地味ハデなんだよね」。

 なのに、店に並ぶ自転車の価格は決して高くない。

ハンドメイドの味わいが残っている

1975 MERCIER/
扱う自転車の99%はフランス車というヴェロ・ヴィンテージでも滅多にお目にかかれない希少モデルの一台、’70年代のハンドメイドフレームによるメルシエ。カンパニョーロのヌーヴォ・レッコルトを搭載し、ラグ(フレーム継ぎ目)やリアスイングアーム後端の美しい溶接処理は無論、ハブに付髄するリング類も欠品ナシ。トークリップが多少サビていたので交換した以外はすべてオリジナルだ。

走りも軽快なヒストリック自転車たち

1973 Peugeot/
こちらは魔物級の一台。レースも実践していた元々のオーナーが当時、プジョーのフレーム製作者たちに頼みこんで作らせた一台。ゆえにプジョーという大メーカーのブランド名を掲げながら、ハンド溶接のラグ、しかもコンポーネントはサンプレックスのスーパーLGやユレのブレーキ、ワイヤーガイドまで完備。まさに幻のフレンチ・スーパーカーという趣の一台だ。

Text:Kazuhiro Nanyo

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