2018.08.10

大人の趣味の為のライフスタイルマガジン「IN THE LIFE(イン・ザ・ライフ)」

聖地ル・マンを詣でた"巡礼車"たち「またまたLE MANS CLASSICな休日...

2年に一度のル・マン・クラシックは観戦する側にとっても一大イベント。そこは陸続きの欧州のこと、地元フランスだけではなく各国からヒストリック・カーとオーナーたちが集まる。その休日の過ごし方をウォッチング!

カフェレーサーたちの休息

Austin Healey Sprite/
おそらくはセブリング・クーペにコンバートされた一台で、空力ノーズにモディファイされたフロント、ドロップヘッドクーペ化されたルーフなどがキマっている一台。ボディ同色のAピラーと、適度に張り出したタイヤにも注目だ。

「LE MANS CLASSIC(ル・マン・クラシック。以下LMC)」は、必ずしもトラック上を走るエントラントだけが楽しむイベントではなく、それを観戦しにきた人々も思い思いの楽しみ方が用意されている。ヒストリックカー・クラブのオーナーたちのクルマが集うインフィールド内のスペースというのが、これまた一癖も二癖もあるクルマばかり停まっていて、眺めていて飽きない。つまり自分のクルマで来なかったとしても、楽しめてしまう。

 今回は各クラブの各クルマを眺めつつ、勝手にあれこれ想像しながら楽しんでみよう。

 まず英国車。フランスにもトライアンフやMGといったライトウェイトスポーツのファンは多いが、LMCでは本邦英国からはるばる北海を渡ってやってきた英国ナンバー、しかもカフェレーサー風にモディファイされた個体がやはり多い。季節のいい7月、フェリーに愛車を載せてフランスまでル・マン詣でにやってくるのは英国のクルマ好きにとって典型的なプチ・トリップなのだ。

 ちなみにル・マンの高速道路出口の料金所でまごついているのもたいてい英国ナンバーだったりする。ポンドをユーロに両替せずにやって来てしまうほど、気が急いているのだろう。

 それにしても、決して広いとはいえないスポーツカーの荷物に最小限の旅支度を積んで、旅する姿はどこかストイックで、やはりカッコいいといわざるを得ない。

Riley 1.5/
モーリス・マイナーのフロアパンを共有してウーズレイ1500と兄弟車となるサルーンがライレー・ワンポイントファイブ。「いってんご」と読んではいけない。英国のサルーンカー選手権で活躍したクルマだけあって勇ましい外装。

スポーツカーを中心に元気な英国車

少し黄味がかったオールド・イングリッシュホワイトのボディに、ノーズのストライプがスポーティなトライアンフTR4。ノックオフのワイヤーホイールも美しい。

こちらのモーガン4/4も英国から、グレーのボディにレザーのボンネットストラップが効いている。どうやらバンパー外しはカフェレーサーの基本らしい。

Pan hard Monopole/
空冷2気筒ツインの可能性を空力ボディで追求し、’50年代初頭にル・マンの小排気量クラスを沸かせたパナール・モノポール。飛行機の翼断面のようなボディのみか、アルミを多用したボディ構造やビス留めのボディパネルなども航空機の影響を受けている。

Matra Simca Bagheera/
1.3ℓもしくは1.4ℓのシムカ製パワーユニットを横置きミドシップ搭載し、小兵だが、GTカー・ルックをまとったバゲーラはまるでミニ・スーパーカー。バゲーラ・クラブのスペースにはやはり地元だけに、オリジナルに忠実な極上コンディションがズラリ並んでいた。

フランスならではのレア車も多数

パドックや駐車場を往復するのに歩きでは広すぎるサーキット内。旧いバイクがLMCではプチ流行っている。ストリームライナーのような’50sデザインが泣かせる一台。

どこまで本気のエキップメントか判らないが、我らが国の某博士と同じ発想を持つ発明家がフランスにもいたようだ。モビリティにタブーなしという奥深さか……。

何でもアリのラテン系とドイツ車

Lancia Beta Coupe/
フルヴィアの後継で'70〜'80sクーペの傑作といわれるランチア・ベータ・クーペも、イエローバルブのヘッドライトとフォグランプ、マッドガードで武装したらフレンチ・ラリーストの雰囲気に。やり過ぎないモディファイが◎。

 クラブ・スペースには鉄の結束を誇る二大勢力がある。ひとつは、あらゆる世代のアルピーヌからサンク・ターボにゴルディーニ、スピダーなどを含むルノー勢。隣にはルノー・ヒストリック、つまりワークス・チームのサービス・テントも出張っている。もうひとつはポルシェ製で、メーカーの公式ブースの隣に356から歴代911、FRモデルに914など、公認クラブのポルシェ・オーナーならウェルカムというスペースだ。

 こういう由緒正しい「純正部族」の整然とした様子も楽しいが、例えばマトラやDBといった消滅したメーカーのクラブは、やはり多かれ少なかれ"ロックな"雰囲気が漂う。BMW辺りは純正の枠組みでクラブのメンバーがクルマを並べていても、羽根エアロの威容は独特のバロック・カルチャーを醸し出してしまう。アルファロメオやランチアら、イタリア車勢はカフェレーサーよりむしろラリー仕様が多数派。

 クラブ・スペースの楽しさは、英国のカフェ・レーサーもそうだが、ストリートが基本にあるところだ。「このクルマで、ル・マンまで公道を走ってやってきたのか?」そう考えるだけで、ワクワクさせられるような、時にはまさかと思わされるようなクルマが沢山ある。トランポ積載ではなく、あくまで自走で、友人や家族と長時間、車内で揺られながらはるばる辿り着いたル・マン。いるだけでそこは、最高の週末なのだ。

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