2018.09.14

大人の趣味の為のライフスタイルマガジン「IN THE LIFE(イン・ザ・ライフ)」

100%ヴィンテージ、ただし新品のフレームだけを集めた眼鏡店。「Pour Vos...

01「歴史あるパッサージュとヴィンテージ眼鏡」

 今でこそ、眼鏡のデザインといえば百花繚乱だが、アセテートから様々なメタルなど素材はもちろん、各時代ごとのスタイルや様式まで、時代を代表するモードが存在するアイテムでもある。シャルル・モザ氏が地元、南仏のニースに100%ヴィンテージのフレームばかり、ただし新品で一度も使われたことのないものだけを集めた眼鏡店というコンセプトに思い立ったのは200年代中頃のことだ。

 店の名は「Pour Vos Beaux Yeux(プール・ヴォ・ボーズュー)」。英語でいう「フォー・ユア・ビューティフル・アイズ」にあたる。カタカナにするとじつに煩雑に見えるかもしれないが、フランス語では似た音の連続でなかなか気の利いた響きなのだ。

 ニースといえば夏はサングラスが必須というほど、陽射しの強い街。つまり眼鏡やサングラスは必要品だが、アクセサリーとして消費されるアイテムでもある。

時代を証言する視線の数々

 昔のままの街区が残るモントルギュイユ地区で端正でキレイな、パッサージュとして知られるグラン・セール。その中ほどに店はある。居抜きとは思えないほど、ヴィンテージ専門というコンセプトに沿った店内。眼鏡店の古い看板や、昔の視力補正レンズのセット、そして在庫用の棚まで、タイムスリップしたかのような雰囲気だ。

味わい深い’50〜’60年代のナイロール。この頃はメーカーやブランドのロゴは極小で、ゴールドなど貴金属フレームにアセテートという組み合わせで、メタルパーツには凝った彫り模様が入っていることが多い。インダストリアルというにはまだ、眼鏡が大量生産品になる以前の工芸的なフレームだ。

印象的な眼鏡姿には、やはり理由がある

セルフフレームがトレードマークといえばバディ・ホリー。彼がかけていたのと同一モデルをアメリカの眼鏡店から掘り出してくるというから、この店の目利きぶりが分かるだろう。

米仏の映画スターや文学者、政治家など、印象的な眼鏡・サングラス姿をスクラップしたコーナー。ジャン・レノやハリソン・フォード、サルトルにアラン・ドロンまで多彩。

02「美しく旧いパッサージュに出店」

 ’70年代の雰囲気を濃厚に漂わせるレイバンのスキー用サングラス、ツェルマット。広告までオリジナルのまま。軽量に仕上げられていながらカラフルなセルフレーム、そしてレンズが高めにきて光が目に入りにくいデザインにも注目だ。

 こうしてニースのモザ氏の店は大ヒットして、ついに先頃、パリにも出店する運びとなった。場所は2区の中でもシックで賑やかな場所として知られるモントルギュイユ地区、グラン・セールという美しく旧いパッサージュ。ここに元々あった眼鏡店をできるだけ抜きに近いカタチで使っているそうだ。

 扱われるフレームはそれこそ1910年頃の鼻眼鏡から、’40〜’50年代のゴールドなど瀟洒な貴金属フレーム、そして’60年代のアセテートやボストン、そして’70年代や’80年代のカラフルなコレクションまで、まるで眼鏡フレームの博物史をを眺めているかのようなラインナップだ。しかもそのすべてが新品でこれからの着用に耐えうるもの。

 レイバンやペルソールといった定番のみか、モード・デザインナーの蔵出しモデルや、スポーツ選手とのコラボ・モデルなどもある。店内には往時の銀幕スターの眼鏡姿もしくはサングラス姿が飾られ、眼鏡が文化的視察に値することを教えてくれる。

眼鏡の発展史そのままの品揃え

 コアなカルト的な人気を誇るカザールも、’70年代のそのものズバリの年代を中心に各種ストック。機能的かつグラマラスな雰囲気はオリジナルゆえのキレといえる。

 鼻の低い人は選択肢が多少なりと限られることはあるだろうが、自分に似合う一本を探してみたいところ。顔の一部としてまたとない一本が見つけられれば、鏡を見ながら、自分の目が見違えるように輝いていることに気づくだろう。

 お店の由来に思い至るのは、そのときだ。眼鏡は自分の顔どころか、かける人のパーソナリティそのものとなるアクセサリーで、時代を映すアイテムなのだから。

 レンズの厚みに加えて、力学的にはさんで図るための測定器が。これは装着するレンズと視点のバランスを見るための機械だ。

 ’30年代以前の、自転車やバイク用のスポーツ・ゴーグル。視界に歪みがなくクリアであることが求められた時代だ。

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