2018.06.19

大人の趣味の為のライフスタイルマガジン「IN THE LIFE(イン・ザ・ライフ)」

食にもある、永遠のヴィンテージ・スタイル「Le Petit Parisien」

 モンマルトルの丘の中腹をなぞるように上るレピック通り。その昔、画家たちが集ったことで有名なムーラン・ドゥ・ラ・ガレットから少し下った小さな通りに、こちらのレストラン、「Le Petit Parisien(ル・プチ・パリジャン)」がある。

 本誌でレストランを紹介するのは初めてだろうから、面喰らう読者の方も多いかもしれない。「ル・プチ・パリジャン」とは元々、20世紀か初頭から第二次大戦が始まるまで、幼年期の子供向けに売られていた実在の新聞の名前だ。無類のアンティーク好きであるルドヴィック・ジャンサンス氏はその名称を買い取って、レストランとして復活させることを思いついた。店内はフランス人なら子供の頃に通ったであろう、小学校の椅子や、タイプライターや食品のパッケージの数々など懐かしいオブジェで構成されている。しかもこの店がユニークなのは、それらがすべて購入可能なことだ。

「テーブルや椅子の類は、最初の頃はどんどん売れて無くなってしまうので、予約制にしました」

と、ジャンサンス夫妻は笑う。

雑多だけど落ち着く、なぜか懐かしい空間

フランス人も撮りたくなる、昔ながらの味

 レストランとして肝心の料理は、まったく奇を衒わない、昔ながらの正調フランス料理。とりわけ家庭の料理というか「おばあちゃんの味」を心がけている。グリンピースのスープ、牛すね肉の髄が入ったポトフ、あるいはバニラ風味のクレーム・ブリュレなどだ。

 シンプルで飽きのこない前菜・メイン・デザートの構成はフランスの外食界ではむしろ珍しい類なのでパリに出張に来た地方のサラリーマンが、連日連夜、通いつめることもあるとか。

 こうして毎日の食として、「ル・プチ・パリジャン」の新しい歴史が刻まれていくわけだ。

店内のオブジェとは何と、テイクアウト可能!

ミントやパインの実キャンディ、ビスケットなど、懐かしいお菓子の缶は多数。モンテリマールのヌガーやパスティーユ・ドゥ・ヴィシーなど、地方名物も。

メインプレートの超定番はポトフ。煮込んだだけでなく、最後に天火で炙った牛すね肉表面のカリっとした歯触り、さらに髄のトロリとしたコントラストが最高。

ケースごと、欠損なく揃ったカトラリーのセット。自宅に客を招いて食事をしばしばふるまう習慣のあるフランスの家庭では、結婚の時に必ずや揃えたアイテムだ。

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