2018.07.18

大人の趣味の為のライフスタイルマガジン「IN THE LIFE(イン・ザ・ライフ)」

史上最大のドア大作戦!! Case3 最高級のシャッターの製造現場「文化シヤッタ...

こだわりのガレージを実現するためには、快適なガレージライフをサポートするシャッターが必要不可欠。ニーズに合わせたバリエーションを展開する「文化シヤッター」の心臓部ともいえる工場のモノづくりに、潜入取材させていただきました。

 ガレージの顔ともいえるシャッター。外観はもとより、私たちの要望に沿った多様なガレージシャッターが商品化され販売されているが、それらはどのような現場で製造されているのだろう。アイデアの商品化、商品開発、製造工程、そして作り手たち、全てに興味を抱きながら「文化シヤッター」株式会社の協力の元、その現場を取材させていただいた。

 取材にうかがったのは、全国7か所ある工場の中の栃木県小山工場だ。東京ドームの1.8倍もある広さの工場に約300人が勤務し、軽量シャッターから重量シャッターだけでなく、スチールドアやシートシャッターを製造している。ガレージシャッターラインでは電動アルミシャッター御前様、軽量アルミシャッター「小町様」を造っていた。

 ガレージのパーツを大まかに分類すると、シャッターを支えるガイドレール、シャッターを巻き取るシャフトと呼ばれるパーツ、そして我々が目にするスラットカーテンの3つのパーツに分かれている。簡単にいえばそれらを組み合わせることでシャッターが完成するのだが、ここ小山工場ではその作業に人の手、目による作業と機械による細かい作業に使い分けられていた。

 「文化シヤッター」では15年前からマイスター制度を導入している。工場のレベルを高めることで、より良い商品を提供することに重きを置いているのだ。中でも電動アルミシャッター「御前様」は最高級モデルとして開発された商品で、傷が付かないように1つ1つ職人の手でパーツが組み込まれ1枚のシャッターが出来上がっていく。

 「御前様」の商品特長の一つ、開閉音55dBという静かさは、発泡ウレタンがスラットの中に充填されているためで、残念ながらこちらの製造工程の様子は企業秘密につき撮影はできなかった。この特殊な加工をしたスラットの内側の発泡ウレタンが静粛性を可能としているそうだ。実はこの作業はマイスター制度をクリアした職人の監修の元、作業が行われている。
 音の大きさの計測も見学させていただいた。実際に工場に隣接している試験センターにおいて軽量アルミガレージシャッター・小町様をセット。特別に製造された防音の部屋にドアを持ち込み、高さ1.5m、ドアから1m離れた場所に測定器をセットして測定する。すると目の前で51dBをマーク。カタログの数値が間違いないことが証明された。ちなみに、音の大きさは会話が60dB、事務所で70dB、地下鉄で80dBと言われており、55dBはかなり静かな開閉音ということが理解できるだろう。
 またカタログには開閉1万2000回、マイナス10度〜40度の外気温の保証が明記されている。これらについても実際に試験センターにある開閉機を用いてテストを繰り返し、合格したものが商品化されていることを見させていただいた。取材時はこれから商品化されるものがテスト中で、通常なら部外者が立ち入りできない厳重な現場にカメラが潜入できたことは大変貴重な経験で、改めて感謝しなければいけない。
 シャッターを巻き取るシャフトにも、ほこり、錆が付着しないように1個1個ビニールのカバーが施されるなど熟練の職人たちがここでも活躍していた。多くの作り手たちの愛情によってガレージシャッターが製造され、私たちユーザーの元へ届けられているのかが伝わる取材となった。
 『文化シヤッター』の開発者・重村さんに開発の経緯について伺ってみよう。

今回見学したガレージシャッター

電動静音アルミシャッター「御前様」

素早く開閉するスピード感ある開け閉めと、風振・風打音が静かなシャッターが「御前様」。発泡ウレタン充填アルミロール成形スラット採用により、開閉音55dBを実現。最大6.3mまでの有効開口まで対応。

メーカー保証は1万2,000回の開閉とされている。製品化する前に試験センターで写真の機会を使って開閉テストを繰り返して、テスト結果を見て世に商品を送り出している。

ガレージシャッター製造現場「『御前様』ができるまで」

スラットカーテン

部材として送られてきたアルミのロール。すでにカラーリングが施されたロールを、ロールホーミングというマシンでスラット成形。

取材時にはブラックカラーのスラットがラインに送られていく。温度管理、湿度管理が徹底されたプレハブ内で成形。

マイスター制度を取得した職人により、コンピューターによりスラットの長さが指定される。このライン上で発泡ウレタンも充填されるのでスピードもコントロール(方法は企業秘密)。

成形されたスラットに充填された発泡ウレタンは、ブルーの箱のなかで発泡させる。ここの温度が重要。

走間切断によりスラットが指定のサイズでカット。発泡ウレタンの充填具合で合格基準をクリアしたものだけが商品に。マイスターの目による仕分けが行われる。

充填を終えて、カットをした断面をマイスターの目により厳しくチェック。充填が十分ではないスタットはここではじかれてしまう。

合格したパネルは、息のあった2人のコンビで手作業により1枚1枚、掃除をしながらスラットを組み合わせる。

スラットを差し込み作業を終えると、スラットの抜け止めピースをリベットを使って装着していく作業。

ガイドレール

別のラインでは、ガイドレールの切込み作業が実施される。コンピューターに入力されたデータでカッターが細かく動く。カッターもコンピューターで回数を管理。

細かくカッターが動き、指定の切込みが完成。工場の現場を知らない編集部にとってはこの動きはまさに神のようだ。

シャフト

シャッターボックスに収めるシャフトもすべて小山工場にて生産。「小町様」や海浜地域に使用するシャッターにはビニールが手作業で巻かれ、ほこりや錆を防止する。

文化シヤッター株式会社 商品開発部 重村正和さん/2000年文化シヤッター入社。「御前様」「ポルティエ」「小町様」の開発や販売に携わる。

 今回、工場で製造過程を見ていただいた「御前様」は、2000年に発売を開始。当時のシャッターはガレージ向けというよりも、商店、倉庫などの出入り口やショーウインドーに採用されていることが多かった商品でした。

 その同じ頃の1997年6月に『GarageLife』という本が創刊されたことは、時代の潮流があったからかもしれないですね。本が創刊されて愛車にこだわりを持つ読者が、クルマを保管するガレージにも目を向けるようになります。そして開閉音、開閉傷、開閉速度、防錆などの要求が高まってきたのです。そんなガレージユーザーのニーズに応えるために商品化したのが「御前様」でした。

 「御前様」のカーテンに使用している素材は、アルミ鋼板の中に発泡ウレタンを充填し、強度と軽さを実現しています。実は発売前に社内では「こんな軽いスラットがガレージシャッターに合うのか」との批判もありましたが、お客様の要求に応えるために販売を開始しました。販売後は研究した結果が証明するかのように瞬く間にヒット商品となったのです。このシャッターの登場以後、弊社ではお客様のニーズに応えた商品が次々と商品化され、その時代のトレンドと共に進化し続けています。

 「御前様」は2006年に、ニューカラーとしてミストシルバーを追加しました。モダン住宅に合う色をコンセプトに開発したのですが、10年以上経った今でも不動の人気です。また同年には国で定められた防犯テストをクリアした「CP防犯認定仕様」の導入、2010年には愛車がシャッターに触れることなく停止する「非接触式の障害物感知装置」を追加しています。そして2012年に、1台車庫専用として電動、手動両タイプ可能な軽量アルミガレージシャッター「小町様」の販売を開始しました。販売価格を下げたことにより比較的若い世代の方に支持をいただいております。

 また、昨今の住宅外装の窯業系サイディング人気に合わせて"和モダン""トラディショナル"をキーコンセプトに、2014年にニューカラーの木目調仕様を販売しました。木目調はスラットにフィルムを貼り付けており、多様化するニーズに対応しています。

 ユニークなネーミングが販売当初から話題に上がることも多いのですが、当時の社長が、あるお客様にいただいた言葉をヒントに命名したと聞いています。「静かなシャッターなら、深夜(午前様)にお帰りになっても周囲に迷惑をかけなくて良いですね」という会話から生まれました。「小町様」は「御前様」より若いユーザーをターゲットにしているため、古くから使われている美しく軽やかな女性の代名詞「小町娘」としての小町にさせてもらいました。

 そしてこの「小町様」は、2017年6月開催の「Garaging EXPO2017」に初出展されました。

 商品の特長は障害物感知装置、ライトカーテンを採用したこと。これは多軸センサが両サイドに走っており、シャッターが閉まる時にセンサに触れるとシャッターが停止します。もう1つはシャッターの開閉をしやすくしたという点です。

 お手持ちのリモコンだけでなく、電源ソケットにアイテムを差し込んでおくだけでエンジンをかけると自動でシャッターが開くセレクレーズが装備できます。シャッターにクルマが近づくと勝手に開閉するので、シャッターを意識することなく生活ができる便利さを向上させました。

 「御前様」「小町様」ともに販売を開始してから絶えず進化を続けており、機能の一部は汎用化され他のシャッターにもノウハウを受け継いでいます。今後も快適な生活を送れるアイテムの1つとして商品を提供できるよう開発していくのが我々の役目かと考えています。

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