2018.07.05

大人の趣味の為のライフスタイルマガジン「IN THE LIFE(イン・ザ・ライフ)」

New&Vintageのつき合い方――「ICON」

自分が欲しくなるものをクリエイトする

アジアをはじめ、中東など世界各国からICONに関しての問い合わせがくる。多忙なジョナサンは取材直後もクライアントとミーテング。

 近年、 ビートル、ミニ、カマロ、チャレンジャー、 FIAT500といった昔と同じ車名を持つクルマが続々とメーカーからリリースされている。ルックスは当時の面影を取り入れつつも、現代の最新メカニズムがおごられ、誰でも気軽に乗れるのが一つの魅力ともいえよう。

 日本にも多くの歴代人気車種があるが、そうしたネオビンテージなクルマはほとんどといっていいほど制作はされていない。デザイン、排気量などは全く異なり、復刻車とはいいにくいが、低価格でスポーティードライビングが楽しめるというコンセプト面をとれば、今後の発売予定のFT-86ぐらいではないだろうか。

 さて、アメリカではフォードやGMのヴィンテージカーをハイクオリティーにレストアするショップが多数存在する。そんな中、LA在住のジョナサンは、世界各国で販売され4駆の中でも人気高い、トヨタ・ランドクルーザーを本格的に扱う専門ショップがない事に気づいた。16歳の時から乗ってきたランドクルーザーが思い入れの強いクルマだったこともあり、エンターティメント関係の仕事をやめ、 全く畑違いのランドクルーザーオンリーのリペアー&レストアを行う会社TLCを1996年にロスアンジェルスに設立したのだ。

1958年のFJ25。アメリカで初めて販売されたランクル。ほぼオリジナルコンディションだったので、レストアはせずに自然のままにした。

 その後、レストアビジネスは順調に進んでいたが、あるときふと思った。TLCに来ているお客さんの中には、もちろんすべてオリジナルがいいという人もいるが、外観はヴィンテージルックだけど、 現代のエンジンやサスペンションなど使った 気軽に乗れる車が良いと思う人も多い。それに、最近は一般のカーディーラーに行っても、これぞ! といったクルマが中々見当たらない。個性的なクルマを欲しがっている人の為にも、こだわりのFJを復刻してしまえ! と 5年前にICONというブランドを立ち上げたのである。

 デザイン、エンジニアリングはジョナサンが行い、一見、スタイルは昔の面影を残すものの、ボディー、シャーシ、エンジンなど、すべて新しいパーツを使用。細かいパーツなどもリデザインされ、ハンドメイドで一台一台組み上げる。オリジナルのパーツは車両ナンバーが書かれているプレートぐらいだ。

レプリカではなく、本物をつくる

ICON FJ40 OLD SCHOOL

当時のオリジナル車両同様にインパネなどのゲージ類もシンプルに配列。時計好きなジョナサンはメーターパネルなどのデザインもこだわっている。

サスペンションは前後共コイルオーバーでRaceRunner製2.5インチショックを使用。スポーツパッケージではショックもアップグレード可。

オリジナルを把握するからこそ出来る仕事

 何故オリジナルのプレートを使用するのかといえば、カリフォルニアは車両の検査が厳しく、新しく作られた車を簡単に公道で走らせる事が出来ない。従って古いランドクルーザーの車両ナンバーをそのまま使用することによって当時の年式で登録しているのだ。草むらやガレージに眠っていたジャンクなランドクルーザー達が、ICONのFJとして 生まれ変わり、第二の車生を歩み出すのという仕組みなのである。

 クルマ業界以外からの反響も高い。Nikeやファッション界からも注目され、幅広いジャンルとのパートナーシップを組み、あらゆる方面からのサポートを受けながら成長を現在続けている。決して大きなマーケットではないが、クルマを作る事に対してジョナサンの熱意がランクルのファン、そして根っからのクルマ好きの心をつかむのであろう。カスタマーの30%がICONの車を2台も所有している。約一千万円する高価なクルマだが、普通の高級スポーツカーやSUVに飽きた人々が、最後にたどり着くのである 。

現在のプラスティック製に比べると、古いエンブレムはデザインを含め、独特な高級感を醸し出している。アクセサリーやインテリアのワンポイント、他の用途にも使えてしまえそう。と思うのは筆者だけであろうか? 

ピカピカにレストアされた66年FJ45と,メンテに来ていたHJ。年代もサイズも全く違う車両だが、どちらも男の心をくすぐる車両だ。このFJは当時メキシコにあるバハの市長が乗っていたもの。

ショールームのすぐ裏をのぞくと、そこはICONの制作工場。作業員がパーツの一つ一つ、丁寧に組み上げていく。流れ作業では無いため、制作に時間がかかるが、作り手の愛情がこもっている。

現代に生まれ変わったヒストリックカー

ICON FJ BAJA 1000 EDTION/数台しか生産されないFJ40のスペシャルディション。1973年にオフロードレース バハ1000でFJ40が優勝した車両を再現した限定モデル。クリアーベルベットパウダーコートを噴いたアルミニュウムボディーにブラッククロコダイルカラーのボンネット。IPFのHIDライトがオフロード感を増す。

ICON FJ44/ミリタリー映画にでも出てきそうな4ドアロングホイールベース仕様のNew School FJ44は、大家族みんなでも乗れる6人乗り。ボディーは厚い5052H32アルミニュウムを使用。ボンネットはトヨタ刻印の入ったスチール製OEM。荷物をいっぱい積んで見知らぬ所まで冒険しに行きたくなってしまうビークル。

ICON CJ NEW SCHOOL/小型ながらクロモリのロールケージがルックスをワイルドにしてくれるCJには、シボレーコバルトやHHRなどに使用されているという、2.4L GM Ecotecエンジンを搭載。サスペンションはFOX社製のダンパーが装着され、塗装にぴったりマッチしたマットブラックの17インチ スチールホイールで足元を引き締める。

アメリカ人、侘び寂びを楽しむ

エンジン、フレーム、インテリアは新車状態だが、あえて外装はリペインとせず、「侘び寂びを楽しむんだよ」とジョナサン。

「最近のクルマは作り手が売る事だけしか考えて無く、昔の車みたいに、斬新なデザインはおろか、遊び心やパーソナリティもなく、すべての点で熱意が伝わってこない」

というジョナサン。

「最近新車のスポーツカーを買ってみたんだけど、やっぱりもう飽きちゃってね。とんでもないデソート作っちゃたから下取りに出そうと思ってるんだよ! オレぐらいだろ、こんなクレージーなクルマと新車を交換するのはさ。今度はICONブランドでブロンコも作りたいんだよ」

とジョナサンの頭の中はいつでも車に関するアイデアでいっぱい。大きなマニファクチャーにはないユニークな発想、そして本当に実行してしまう力がICONというブランドの最大の魅力ではないだろうか。

1952 Chrysler Town & Contry X 1952 De Soto/2年間かけて制作した52年のタウン&カントリー。今年のセマショーにも出展し、多くの人から反響があったそうだ。コルベットやマスタングもいいけど、誰もいじってなさそうな車でカスタムするのがいい。毎年一台"ワンオフ"プロジェクトとしてモダン&ヴィンテージの車を作る予定。倉庫でレストアの順番? を待っている1930〜50年代の車両も見せてくれた。

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