2018.11.05

大人の趣味の為のライフスタイルマガジン「IN THE LIFE(イン・ザ・ライフ)」

MAPCAMERAで選ぶ「VINTAGE&NEW ハッセルブラッド」

1962年に500Cが宇宙で初の月面撮影計画に採用されてから50年余。─Lunar─月の名前を冠した新型カメラが発表された。最新鋭ながらもかつてのハッセルを踏襲したそのデザインはこれ以上ないというほどに洗練されたものであった。

ハッセルブラッド温故知新

 最新鋭のデジタルカメラがその勢いを止めることなく誕生し続けている。フィルムからデジタルへの進化、ミラーレスの誕生、EVFファインダーなどなど……。

 数えきれないほどの進化が推し進められているカメラ業界だが、密かにヴィンテージへの憧れが膨らんでいるようだ。その中でもNASAが宇宙空間で使用していることで知られるハッセルブラッドにピントを合わせてみた。

 1948年にスウェーデンで発足したハッセルブラッド。その高い設計思想から、プロ・ユースのカメラを多く開発し続けてきた。当時の価格はその質の高さから気軽に手にすることが出来ないような代物であったが、現在のデジタル主流の世の中では、なるほどどうやら手に入れやすい価格になっているようだ。密かなブームが巻き起こるフィルムカメラはまた価格が上がるかもしれない。当時は手が出せなかった憧れの逸品を手に入れるなら、まさに今が好機であろう。

 ヴィンテージカメラに総じていえることが、その美しいフォルムだ。レンズ一つを注視してもどこか現代のプロダクトとは異なった重厚感を感じ取ることが出来る。1953年に登場し、ハッセルに供給されてきた名高いツァイスレンズ。シンボルマーク、「T*」を探すのもまた楽しい。

 現在のハッセルブラッドはシステムこそデジタルに移行はしているが、システムからデザインまで、その長い歴史の中で培われてきた経験をもとにした、スマートなデザインと堅牢な構造を取り続けている。まさに今の時代には珍しい"温故知新"を行っている数少ないブランドの一つだ。

 価格競争の収まらない現代社会において、昔ながらの信頼とクオリティを保ち続けることこそが、ハッセルブラッドの成功の秘訣なのかもしれない。

名機SWCと往年の銘レンズたちを訪ねて

Distagon C 40mm F4/
超広角レンズを選ぶとしたら、このディスタゴン40mmであろう。レトロフォーカス設計で大口径の前玉部分から急にくびれている形状が特徴的。
参考価格18万〜19万(取材当時)

S-Planner C 120mm F5.6 T*/
こちらは後にマクロプラナーと名称が変更されているように、マクロレンズとして扱われている。プラナーの80mmと同じく、ハッセル好きは所有するべき一品ともいえる。本格的なマクロ撮影をする場合、プロクサーレンズ等が必要。
参考価格8万〜9万(取材当時)

SWC(CF)/M +Finder A-12/
"Super Wide C"の頭文字を取ったのがSWCで、その名の通り超広角撮影を可能としている。このSWC/Mはその改良版(Modified版)。ポラロイドバックが装着できるように手が加えられている。過去にはSWCをSWC/Mに改良するキットが販売されていたくらいで、人気も非常に高く世界一のカメラだという愛好家も少なくはない。
参考価格37万〜38万(取材当時)

長い歴史の系譜――ハッセルの"今のカタチ"

 ハッセルブラッドの500Cが、宇宙で初の月面撮影計画に採用されたのが1962年。その50周年を記念して開発されたのがこのLunarだ。ハッセルを象徴するクロムメッキフレームや、エッジのないスマートなフォルムはかつての500シリーズの魅力を現代に蘇らせたものである。ボディ、レンズ、調節のつまみから色のコントラストまで、ヴィンテージ・ハッセルのスピリットを踏襲している。

 ヴィンテージの風格を漂わせるイタリア製のデザインに、その高い設計思想で信頼を勝ち得てきたハッセルの伝統ともいえる技術力が合わさった究極の一台なのである。

ハッセルならではの"持つ歓び"

EVFファインダーになっており、アイ・センサーがついているため覗き込むと被写体が写り、目を離すとディスプレイにファインダー内の映像が表示される。

 このLunarの最大の特徴は、その性能はもちろん、木製グリップや上質な革ストラップなど、細部の拘りにある。グリップは人間工学をもとに、古くからの技術を持つ職人の技で作り上げられる。まさに過ぎ行く時代の技術が最新鋭のシステムと共に蘇るという訳だ。

 このLunarのコンセプトは「古い時代の技術に逆戻りをしてでも最高の製品を作り出す」というもの。そのコンセプトに嘘偽りなく試作を何度も繰り返し、この度の完成を見た。自分好みのモデルを選び、これから進む道を共に歩いて行きたいカメラである。

宇宙で使用することにより得た経験から、カーボン繊維を圧縮して形成されたレンズフードを作り上げた。この炭素繊維を用いたカメラは世界で初めての試みである。

付属のレンズキャップはつけたままファインダーを覗きこむと、ピンホールになる。ストラップの背面にはパッドがついており、撮影時の負担を軽減する。

カメラ:Yasuhiro YOKOSAWA
媒体:VINTAGE LIFE

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