2018.09.13

大人の趣味の為のライフスタイルマガジン「IN THE LIFE(イン・ザ・ライフ)」

南半球最大規模のヴィンテージ・クラシックカーの店。「Classic Thrott...

01「磨き上げられたクラシックカーが立ち並ぶ」

 「The Classic Throttle Shop」は、オーストラリアおよび南半球最大規模を誇る、ヴィンテージ・クラシックカーショップである。建物は1932年に建築され、今もなお電車が行き来する高架下のビルは長い歴史を感じさせる重厚な作りで、天井は高く優しい光が大きなアンティーク窓から差し込む明るい室内。これ以上にクラシックカーのショールームに相応しい場所はない。それもそのはずで、ここはオーストラリア政府からハーバーブリッジ等と共に、文化遺産にも指定されているらしい。

 ヴィンテージカー、歴史ある美しい建物、焼けたガソリンの香りが合わさって、この空間をより一層特別な空間に引き立たせている。3つの広い空間から構成されるショールームには古いクルマが所狭しと並び、隣の棟には、クラシックカーを整備する為に必要なすべての設備が揃うメンテナンス工場が併設、優秀なメカニックが常駐している。手に入りにくいクラシックカーのパーツも、独自のルートを持つ為、購入後のメンテナンスもここに持ち込めば安心。

 愛情込めて磨き上げられた車達は顧客の手に渡るまで最高の状態に保たれているのだ。

02「現代にまで受け継がれる栄光の系譜」

1973 BMW 3.0 CSL

この3.0 CSLもそうだが、オーストラリアにはヨーロッパ等から輸入する際、当時の法律に適合するように、ヴィンテージの中でも希少とされる右ハンドル車がオーダーされるため、現在でもこのように多く残っているようだ。

 1971年、ジュネーブ・モーターショーで発表されてから40周年を迎えるこの車は、BMW 3.0 CSLである。BMW 3.0 CSをベースにドイツ・ツーリング・カー選手権参戦のためのホモロゲーション獲得を目的としたモデルだ。このCSLの"CS"は1962年にベルトーネがデザインを施した3200CSが始まりで、クーペ・スポーツを意味する。

 CSLの"L"は"Light Weight"を意味し、3.0 CSの軽量化バージョンということになる。車両は通常のCSよりも約200kgも軽く、登場当初からドア、ボンネット、トランクのアルミパネル化やチンスポイラーやボンネット整流版装着などが行われていた。1971年から75年の間で少数が生産され、今でも人気が高い。

 このモデルはBMWモータースポーツ(後のBMW M社)によって手がけられているために、一般的にはMシリーズの最初のモデルとされている。"M"の名は冠してはいないが、この3.0 CSLがMシリーズの象徴となっていることは明らかだ。

 このモデルは時に"バット・モービル"と呼ばれているが、これは取り外しが可能なレース仕様のオプションが追加されたためにこのような愛称がつけられた。オプションの数々はホモロゲーションの獲得のために追加されたものだが、レース場を出てしまうとヨーロッパの法律に適合していなかったために、取り外しが可能な仕様に仕上げられたのだった。

 BMWは5年の間にこの3.0の4つの異なるバージョンを開発した。1971年モデルは2985ccのエンジンを搭載した左ハンドル車のみが生産され、72年からはキャブレターを変更しエンジンも3,003ccにリファイン。最後のモデルは74年と75年に渡って変更が加えられ、より大きな3,153ccのエンジンに換装された。これらの全てのモデルはドイツの"Karmann Werkes"で製造されていた物である。

1973 Porsche 911 S Targa

 こちらの1973年製ポルシェ911 S タルガは、コンクールデレガンスの受賞経験がある一台。1970年に最初のオーナーが911のラインナップで最も珍しいとされるタルガモデルの製造を依頼し、完成したのがこの一台だ。希少性が特に高く、コレクターズアイテムといっても過言ではない。

 また、デザイン性の高さ、内部構造のクオリティ、デイリーユースの観点から見ても近代車に引けを取らないだろう。この個体は全てがオリジナルの状態で保たれており、見た目や運転した感触なども新品そのもの。また、オリジナルのオプションとしてレカロのスポーツタイプのシート、着色ガラス、特に珍しいとされるスキーラックも付属しているという。

1971 Porsche 911 S 2.2

 この個体はドイツにあるポルシェの工場から"Tourist Delivery"というシステムによって直接オーストラリアに届けられ、初のオーストラリアでの所有者の手に1971年1月に渡ったという一台である。

 黒で統一された内装とアイボリーのボディで上品さを演出する、オーストラリアに合わせた右ハンドル車。Sモデルの右ハンドル車は非常に稀で、現在では2.7 RSモデルと同等の価値があるという。

1971 Porsche 911 E 2.4

 現代まで続く、ポルシェを象徴するそのフォルムは1963年のフランクフルトのモーターショーで発表され、ドイツ車の成功の象徴ともなった。ポルシェ911はその発表以来、愛好家に讃えられ続け、時代を感じさせないそのデザインは老若男女問わずに人気がある。

 ブラウンの内装とセピアブラウンのボディが幻想的な魅力を放つこちらの一台。この個体は元のオーナーに丁寧に扱われていたようで、メンテナンスなどの証明書も多く残っており、よく手入れが行き届いている。こちらも珍しい右ハンドル車で、そういった希少モデルの価値は上昇の一途を辿るという。

1959 Porsche 356 A

 ポルシェ356は1955年9月のフランクフルトモーターショーで一般公開したものだ。特徴となっているボッシュライトや緑色のフロントガラスが雰囲気だ。車の経歴を辿ったファイルには、この356を維持するためのメンテナンスやケアの証明書が大量に詰まっている。

 褪せた黄色のレザーが映えるこの一台に乗れば、街で一番のポルシェ車乗りになれることだろう。

1953 Austin Healey 100/4

 Healey 100は1952年にドナルド・ヒーリーによって開発され、同年のロンドンモーターショーにて発表された。1953年にAustin社のロングブリッジ工場で製造を開始する予定だったので、このモーターショーのための仕様が施されたのはこの一台のみである。また、特徴的なこの名前は毎時100マイルに到達することからヒーリーが自ら名付けた名前である。

 この個体は1954年にシドニーで購入されたもので、その洗練されたボディラインと低い車体は美しく、駆動もスムーズだ。このロードスターはスポーツ車として見栄えがするだけでなく、実用的な機能も充分に備えている。

1955 Aston martin DB2/4

 アストン・マーティンDB2/4はフェルサム工場によって製造されたファミリー向けのスポーツ・クーペの第一号だった。対になっているSUキャブレーターと直列ツインカムエンジンは加速をスムーズにさせ、「4人乗りのクーペも悪くない」と思わせてくれる一台だ。

 これはブリティッシュレーシンググリーンの色に仕上げられた車の中でも驚くほどの出来栄えで、レザートリム等が取り付けられている。グリーンの車体にベージュの内装が上品さを漂わせる。

 DB2/4はミッレミリアに代表されるように、世界の偉大なイベントに出場、出展する候補としてすぐに白羽の矢が立つことであろう。

Photo & Text:Kuni TAKANAMI

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