2018.07.31

大人の趣味の為のライフスタイルマガジン「IN THE LIFE(イン・ザ・ライフ)」

見ていて飽きない、ユーモラスな動きに夢中に。「オカヤドカリを飼ってみよう!」

オカヤドカリってどんな生きもの?

 かわいい動きと手軽なシステムで飼育ができるので、ペットとして人気の高いオカヤドカリ。そもそもオカヤドカリとはどんな生きものなんだろう。

 オカヤドカリは国内では沖縄県や鹿児島県、小笠原諸島など温暖な気候の土地に生息している、国の天然記念物に指定されている陸生の甲殻類。特別な許可を得て、採集された個体がペット用として広く流通している。

 日本でも7種類のオカヤドカリが生息しているがムラサキオカヤドカリ、ナキオカヤドカリ、オカヤドカリの3種が流通をしている。正確な寿命はわかっていないが、きちんと管理された飼育環境下であれば約10年。自然界では25~30年の寿命があるともいわれている。食性は雑食性で基本的にはどんなものでもよく食べるので1つの種類に偏らず、バランスよくいろいろなエサを与えるようにしたい。

飼育にはどんなアイテムが必要?

 飼育容器は、少ない数の飼育ならばプラケースなど小型の容器でも飼育は可能だが、水場やエサ容器などにスペースを考えるとできれば幅30㎝程度のスペースは確保したほうがよい。

 それより大切なのは温度管理や湿度管理で、温暖な地域に生息しているオカヤドカリは、寒さや乾燥した環境は大の苦手。温度は25~28℃、湿度は70~80%が維持できるような管理が好ましいので、寒い季節にはヒーターを使用しよう。

 またケース内にろ過機能を持たせた海水のテラリウム環境で飼育をした方が、オカヤドカリの好む環境に近づけることもできて、長期飼育が容易となるだろう。床材としてはサンゴ砂やヤシガラなどが適している。

プラケースでも必要最低限の飼育容器がセットになった飼育セットもある。

ろ過フィルターや底面用のエアーポンプ、ヒータ―など最初に揃えておきたい器具類。照明は観賞用として使用する。

オカヤドカリ専用のフードは、多くの商品がラインナップされている。栄養の偏りをさせないようにさまざまなフードを与えるようにしたい。

木化石や溶岩などレイアウトとしても役立つアクセサリー類。自然感あふれるレイアウトを作ろう。

ヤドカリハウスをつくってみよう!

 丈夫で手軽な飼育システムで飼育のできるイメージの強いオカヤドカリだが、ほとんどの場合、ワンシーズンで殺してしまい、長期的な飼育をできていないケースが多いという。
 今回は長期飼育を目指した飼育システムとして大阪市の人気店「やどかり屋」の友永治美さんに飼育システムの制作をお願いした。オリジナルの飼育ケースを使用した飼育スタイルで複数年飼育を成功させ、多くのやどかり愛好家から高い支持を得ている人気店だ。今回制作した飼育スタイルは、底面フィルターを使用した海水テラリウムスタイル。床材はさまざまなサイズのサンゴ砂を併用して使用、ろ材としても活用させている。ろ過フィルターを使用して飼育水を循環させることでろ過バクテリアの繁殖を促し、湿度の維持はもちろん、オカヤドカリのフンもろ過バクテリアが分解することで水質の悪化も防ぎ、日常の管理も手間がかからなくなるのだという。
 もちろん、今回紹介した方法以外でもプラケースなど小型の容器や水入れなどを使用して管理する方法でも飼育は可能だが、乾燥には注意して、衛生面でも常に清潔な環境を心掛ける管理は長期飼育のためには不可欠だという。今回はオカヤドカリが大好きなヤシガラも鉢に入れて設置。潜って遊んだり、生体にとって落ち着く環境をつくるのにヤシガラは効果的だという。水中部分には水槽用ヒーターも設置して水温は年間を通じて25度前後で管理を行う。水温計や湿度計などもあった方が便利だろう。日常管理は海水は蒸発しやすいので、蒸発した分をカルキ抜きをした水を足すようにし、投げ込みフィルターは水の勢いが弱まったら汚れが詰まってきているので洗って汚れを落とすようにしよう。

1.飼育容器の底面部分に底面フィルターを敷く。使用したのはボトムボックス600(コトブキ工芸)。容器のサイズに合わせて選ぶことができる。

2.水中部分のスペースに、ヒーターと投込式フィルターをセットする。ヒートナビ80とサイレントフロースリム(ジェックス)を使用。

3.水中と陸上の境目の部分に、土台ともなる大きな溶岩石を配置。溶岩は堤防的な役割で使用するので、さまざまなサイズのものを配置する。

4.陸部分の底面層にやや粒の大きな溶岩石を全体的に敷き詰めていく。

5.水分を含ませたヤシガラを敷き詰めた鉢を配置する。使用したヤシガラはオカヤドカリ専用マット(ジクラ)。

6.粒が小さめのサンゴ砂を、鉢の高さまで敷き詰めていく。水中までに傾斜をつけることで、より自然っぽい雰囲気に。

7.鉢の回りに、小石サイズのサンゴ岩など石類を配置。ヤシガラがケース全体に散らばってしまうのを防ぐ役割を担う。

8.好みに合わせて枝状の流木などアクセサリーを配置する。オカヤドカリが登って遊ぶ姿も見られるので、ぜひ配置したい。

9.あらかじめ作っておいた海水を注げば、本格的オカヤドカリ飼育水槽の完成。

10.オカヤドカリをケージ内に放すと、早速何匹かの個体はヤシガラの部分に集まってきた。

Finish.全部で10匹の小型のオカヤドカリを収容。思い思いにケース内を動き回る姿は、見ていて飽きない。

日常の管理はどうする?

 オカヤドカリは、1回の食事量は少ないのでエサを残してしまうこともあるが、あまり食べなくてもそれほど心配はいらない。しかし残餌は放置しないようにして、毎日少しずつさまざまなエサやおやつを与えるように管理したい。

 また脱皮により成長して、宿である貝殻が小さくなると宿を換えるので、容器内にはひとまわり大きい貝殻をおいておくようにしよう。寒さや乾燥には弱いので、保温管理や定期的な霧吹きなどの湿度管理も日常の管理として重要だ。

エサを与えればすぐに集まってくるオカヤドカリ。

水温は年間通じて25℃前後を維持するようにする。

テキスト:Kenji Tsuruta
媒体:AQUA Style vol.5

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