2018.10.02

大人の趣味の為のライフスタイルマガジン「IN THE LIFE(イン・ザ・ライフ)」

風光明媚な街の、スポーツ専門店のアンティークショップ。「Manfred Scho...

01「コッツウォルズの美しいアンティーク」

 はちみつ色の石造りの家々が立ち並ぶコッツウォルズの美しい村バーフォード。中世からの歴史ある土地柄や風光明媚さから富裕層の多い地域でもあり、アンティークショップが多いことでも有名だ。

 カフェや高級チーズ専門店などが立ち並ぶハイストリートにある「Manfred Schotten Antiques (マンフレッド・ショッテン・アンティークス)」はスポーツ・アンティーク専門店。オーナーのショッテンさんはドイツ出身、英国在住30年。ゴルフが好きで古いクラブなどを集め始めたことから、今のスポーツ・アンティーク専門店になったという。

 英語の「スポーツ」は意味が広く、サッカーやゴルフだけでなく釣りやハンティング、ポーカーなどカードゲームも含まれる。もともとは裕福な層が楽しんだ余暇の遊び全般が相当するといえるのかもしれない。この店で扱っているのも、双眼鏡からスヌーカーのスコアボード、乗り物の模型に、ピクニックセット、スポーツがテーマの絵画などさまざまだ。

02「ゴルフボールはガチョウの羽を詰め込んでいた」

1937年型のトライアンフ・タイガー80。大恐慌下の経営不振で二輪部門をやめようかとさえ検討していたトライアンフ社に自らの二輪メーカーとしての誇りと自信を取り戻させたという名車。キズなどもごくわずかな美車。

 イギリスらしくクリケットやクロケット(ゲートボールの祖先)のキットもあるが、基本的にはすべてインテリアのデコレーションである。インテリアとして楽しむアンティークやヴィンテージ品には家具、食器、本などさまざまあるが、スポーツ・アンティークには、徹底して遊びのための道具だからこそ醸し出せる「余裕」の味わいが常に漂っている。存在自体がすでにエレガントなのだ。

 そして実際、裕福な人たちの肥えた目や贅沢な欲求を満たすために作られたそれぞれの品の完成度がすばらしい。子どものためのおもちゃの帆船であっても、本当の船に使われるのと同じ材で、おそらく船大工が作ったのではと思わせる同じような加工が見える。

地下にはなんと教会を思わせるゴシック様式のヴォールト(穹窿)が。この並びでも地下の天井がこんな風になっているのはここだけで、なぜなのかは謎に包まれているのだそうだ。

有名なフィッシング・タックル・メーカー、ハーディの1937年のトラウト用フライ・ロッド。後ろは1900年前後のJ・バーナード&サンのトラウト用リール。

 科学や工学技術の進歩とともに変化するスポーツグッズは、なんとも知的好奇心をくすぐってくる。19世紀前半までゴルフボールは革にガチョウの羽を詰め込んだ手縫いのものだったが、19世紀半ばには樹脂を固めたものになる。そして表面に凹凸模様をつけると飛距離が伸びることがわかり、さまざまな模様が試された。ゴルフも、道具の進歩とともにコースの作られ方も変化してきているのだそうだ。

 さすがに硬化した昔のボールは使えないが、ゴルフクラブのほうは最近またそのよさが見直され、ヴィンテージやアンティークのクラブだけで行うトーナメントが世界で広がり始めているという。マンフレッド・ショッテンとして主催する「ヒッコリー・チャレンジ」もそのひとつで、ニッカーボッカーに蝶ネクタイというスタイルでグリーンに立つという。カーボンシャフトの現代のクラブにはない素直な使い心地に驚き、夢中になる人が多いのだそうだ。

 自動車でも自転車でも、ヴィンテージ車で未舗装路などを走るレースイベントが人気を集めているが、いまのものとは違って、温かみのある道具で好きなスポーツをより深く知って味わうのは、最高に贅沢な楽しみだ。

英国流の定義で言えば、競馬で賭け事をするのもスポーツのひとつ。1900年製のホース・レーシング・ゲームは、中央の皿に掛け金を入れて馬をバネで回し、勝敗を競うもの。完動品。

ヨーロッパではスキーは上流階級の優雅なスポーツ。スキーの様子や雪山の写真もたくさん並んでいた。

1920年代から運動不足は問題だった!? 室内で使う「健康椅子」という名前のローイングマシン。

テキスト:Yoko AOKI
媒体:VINTAGE LIFE 12

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