2018.08.17

大人の趣味の為のライフスタイルマガジン「IN THE LIFE(イン・ザ・ライフ)」

美しい水草水槽で 小さな熱帯魚を群泳させたい!「小型美魚が泳ぐ水槽」

水草が豊かに育つ景色のなかを、自由に泳ぐ魚たち。カラフルな小型の熱帯魚が群れをなして泳ぐ姿は美しく、いつまでも眺めていたくなる。今回は、小型魚を主役にしたレイアウト水槽をいくつもご紹介。さまざまなスタイルで、小型熱帯魚の飼育を楽しんでみよう!

AQUARIUM 01「緑深き複雑な山の風景に、無数の熱帯魚を泳がせて」

 まるで山の遠景を思わせるような大自然。迫力のある風景を形づくっている水草レイアウト水槽だ。山肌は水草のグリーンで覆われているが、深い緑色から明るいライトグリーン、赤い葉色まで取り入れ、微妙に異なる色のグラデーションをつくっている。

 この風景にさらに彩りを与えているのは小型熱帯魚たちだ。主役はブラックネオンテトラで、おもに上層部を群れをなして泳いでいる。派手な色みをもたないブラックネオンテトラだが、落ち着いたトーンの水草水槽によくマッチしている。また、水草が豊富に植えられた環境だからこそ、ブラックネオンテトラは本来の美しさが充分に発揮できている。

 ブラジル原産のブラックネオンテトラはカラシンの仲間で、水質に対する適応範囲が広くてとても丈夫な種。おとなしい性格なので、複数を群れで飼育するのがベストだ。さらにカージナルテトラやラミレジィ取り入れることで、彼らのカラフルな色彩をより引き立てている。

 このアクアリウムを制作し管理しているのは、ビーボックスアクアリウム松戸店の坪田巧さんだ。立ち上げてから4年が経過したものだという。水槽サイズは90×45×60㎝で、左右に石と流木を組み、水草を植栽している。随所に見える石や流木の風合いが、とてもリアルで立体的。中央にとった空間も神秘的で、山の洞窟のようにも見える。

 水草は、アヌビアス・ナナ、ロタラsp.、テネルス、ハイグロフィラ・ピンナティフィダなどを使用。それほど多くの種類を取り入れているわけではないが、それぞれの個性を生かした植栽を行っている。とくに微妙な葉色の違いをバランスのよい分量で配置していて、そのグラデーションが美しい。二酸化炭素は1秒に2滴ほど添加し、ライトの照射時間と同じ時間帯で、オンオフを電磁弁で行っている。

 じっくりつくり込んだ、見どころの多いアクアリウムといえる。

群れをつくって泳ぐブラックネオンテトラは、ポピュラーなカラシンの一種。水温や水質の順応性が高く飼育しやすい。

シダ系のように流木などに活着させて育てられる、ハイグロフィラ・ピンナティフィダ。光が弱い場所でもOK。

AQUARIUM 02「大型水槽に繁茂する水草と、彩り豊かな小型魚たち」

 大型水槽に多彩な水草がレイアウトされた、本格的なアクアリウムがこちら。左右にサイズの異なる水草のまとまりをつくり、中央部分に広い空間を作った谷型の安定した構図で、明るく清々しい水中世界を演出している。

 水槽サイズは幅120㎝で、奥行きと高さは45㎝。流木と石でレイアウトの骨格を形づくっているが、そのほとんどが見えなくなるほど、水草が元気に繁茂している。

 水草の種類はグリーンロタラやロタラ・ロトンディフォリア、パールグラス、ウォーターウィステリアなどの有茎種をメインにしたレイアウトだ。それぞれが状態よく生育し、ちょうどよいバランスを保っている。葉の形状や色彩、伸び方など、それぞれに個性がある水草たちを、全体的にうまくまとめて観賞価値を高めている。

 この水景の主役となる魚は、あざやかな色彩が魅力のカージナルテトラだ。たくさんの個体が群れをつくって泳ぐ様子は美しい。そのほか、ラミーノーズテトラ、ブラックファントムテトラ、ネオンドワーフレインボーなどを織り交ぜ、水草水槽によく似合う混泳を行っている。

 このアクアリウムは、水槽レイアウトのデザイン・レンタル・メンテナンスを行うアクアモードの代表、助川浩之さんが手がけた作品で、クライアントの事務所に設置されているものだ。クライアントの後藤一方さんは7年前からオフィスに水槽を設置している。もともと90㎝水槽で楽しんでいたが、約半年前にこの120㎝水槽にリニューアルした。釣りが趣味という後藤さんは、「やはりアクアリウムが職場にあるだけで心が和みますね」と話してくれた。

 120㎝水槽を立ち上げるうえで、後藤さんから助川さんに対する要望は「とにかく緑いっぱいの水槽にしてほしい」ということだった。水槽全体のレイアウトデザインや水草の育成・管理はすべて助川さんが行い、魚のセレクトは後藤さんが行っているという。

「水草レイアウトは、魚を飼育する舞台です。いかに魚が美しく見えるレイアウトをつくるかが腕の見せどころです」

と助川さん。見た目の美しさはもちろん、魚にとって居心地のよいレイアウトをつくるということをモットーにしている。

 実際、水流の強さや向き、光の強弱によっても、魚の泳ぎかたは大きく変わる。取り入れる魚の特性を理解して、どこにどのように魚を泳がせたいかを考えてレイアウトしているという。魚はいろんな種類を入れすぎず、主役を決めて選ぶとまとまりのある水景になるそうだ。

 現在、水草の管理は生長した有茎草のトリミングがメイン。一度にたくさんの種類をカットするのではなく、種類を決めて順番にトリミングすることで、景観を大きく損ねずに維持することができる。

数ある淡水魚の中でももっともカラフルな種類といえるカージナルテトラ。この水槽の主役。

マツブッシープレコも飼育中。おもに水槽奥の岩陰に潜んでいる。

AQUARIUM 03「清々しい高原の山を連想させるアクアリウム」

 大きな塊状の流木を、大きな山に見立ててレイアウトしたアクアリウムだ。ニューラージパールグラスの明るいグリーンが底面を覆い尽くし、清々しい高原の風景を演出している。流木背後の後景にはロタラ・インジカを植えて、山の形状にあわせてトリミング。流木にはアヌビアス・ナナを活着させている。

 この水中空間を泳ぐのが、グリーンネオンテトラとベールテールエンゼルフィッシュだ。メタリックグリーンのラインが特徴のグリーンネオンは数を豊富に入れて群泳させて。また、ロングフィンタイプのベールテールエンゼルも複数収容して群れをつくらせているのがポイントだ。

 水槽サイズは60×30×45㎝で、底面フィルターを使い、底床に「ブルカミアD」を利用している。ブルカミアの粒の内部には無数の微細な空間があり、有用バクテリアの棲み家となるため、ろ材としての機能も果たす。コケの原因となるリンや流木のアクなどを吸着除去するほか、微生物による水の浄化が行われ、また水草の発根育成にも優れた特性を発揮する。
 
 魚の飼育や水草の育成に適した環境に配慮した美しいアクアリウムになっている。

ベールテールエンゼルフィッシュの幼魚を複数泳がせて。ロングフィンが魅力。

水槽を下から見上げると、山のような景色がより立体的に見えてくる。

AQUARIUM 04「明るいリビングによく似合う熱帯魚水槽はいかが?」

 白を基調にした明るいリビングに設置された、インテリアにふさわしいシンプルなアクアリウムだ。奥行きの少ないスリムタイプの60㎝水槽を用い、ろ過には底面フィルターを利用している。底砂には明るい色の砂利を敷いて、涼しげな印象に。溶岩石と枝状流木でレイアウトの骨格をつくっている。

 水草はリシマキアを左右に配置し、レッドルドウィジアやネサエア、シペルスなど葉の形状や色彩がはっきりと異なる種類を選んでバランスよく植栽している。奥行きの少ない水槽はレイアウトするのが難しいタイプだが、左右の異なるバランスと空間をうまく空けることによって、奥行きを感じさせるレイアウトに仕上げた。

 魚は、熱帯魚の定番種であるネオンテトラと、透き通るような紅色が特徴のサーペの組み合わせ。さらに「白コリ」と呼ばれる、アルビノコリドラスを収容している。魚たちは水草の中に隠れることもなく、水槽のあいている空間を埋めるように泳いでくれている。魚が泳ぐスペースも計算されたアクアリウムなのだ。

 なかなかうまくレイアウトができないという人なども参考にするとよい作品といえるだろう。

中央部分の空間を埋めるように群れで泳ぐネオンテトラとサーペ。

水槽の左サイドは、右の流れを受ける形で、グリーンロタラとホトニアで構成。

AQUARIUM 05「本格的な水草水槽に国産グッピーを泳がせる」

 30㎝キューブ水槽に、豊富な水草を植栽した作品。水槽の手前と左側をあけ、白い化粧砂を敷くスペースを設けるなど、狭い空間をより広く見せるための工夫が随所に見られる。

 小型の水槽では、できるだけ葉が小さく細かい種類を選ぶのがコツ。そのなかで、形状や色合いの異なる種類を取り入れて水景に変化をつけている。魚は国産グッピーのドイツイエロータキシードをセレクト。群れをつくって泳ぐ感じではないが、シルクのようなクリーム色の尾ビレが美しく、緑深い水草水槽によくマッチしている。

前景は細かな葉をもつ、ショートヘアグラスを密植させて。

AQUARIUM 06「溶岩石をメインにした30cmキューブレイアウト」

 赤茶色の溶岩石を積み上げてレイアウトした作品。こちらも30㎝キューブ水槽で、右側に空間をあけてつくられている。
 ハイグロフィラ・コリンボーサコンパクトを石のすき間に配置し、後景にロタラ・マクランドラやマヤカなどを植えている。

 また、ウィローモスを活着させた流木も上手に利用。前景には小さな葉が魅力のキューバパールグラスが広がっている。魚は、群れで泳ぐアルビノネオンテトラを収容。石の色や葉の色に、ピンクホワイトの体色がよく目立つ。

アルビノネオンテトラは目が赤く、体のほとんどが透明。性質はおとなしく他魚との混泳も容易。

AQUARIUM 07「こんもりとした崖に彩り豊かな水草を美しく」

 苔石を積み上げ、スリムウッドを適度に配置し、高低差のある緑豊かな崖をつくっている。

 水草は、ハイグロフィラ・ピンナティフィダ、オーストラリアドワーフヒドロコティレ、ウィローモスの3種しか使っていないが、適材適所に配置され、随所に見える石や流木の風合いも含めて、自然感にあふれたアクアリウムになっている。

 水草は何度もトリミングを繰り返すことで、小さい葉を展開させるように作り上げた。30㎝キューブ水槽でも大自然を感じさせるようなレイアウトだ。魚はグリーンネオンテトラを収容したので、その群泳が楽しめる。

活着性のあるハイグロフィラ・ピンナティフィダ。ピンチカットするとどんどん株を増やしていく。

AQUARIUM 08「魚と水草をシンプルに楽しむ水中世界」

 滑らかな川の流れをイメージさせる涼しげな水草レイアウト水槽だ。水草は、バコパ・オーストラリス、ブラジリアンフラジャイル、ロタラ・ロトンディフォリア、ウォーターマッシュルーム、ウィローモスなど、豊富な種類を取り入れているのが特長とえいる。

 レイアウトのメインは動きのある流木だ。流木の向きによって水の流れを感じさせるような効果も。さらに色みのある石を随所に配置し、変化をつけている。魚は定番のネオンテトラを豊富に泳がせている。すくすくと育つ有茎草の間をくぐり抜けるように魚が泳ぐ光景も美しい。

カメラ&テキスト:平野 威 Takeshi Hirano
媒体:AQUA Style 4

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