2018.08.22

大人の趣味の為のライフスタイルマガジン「IN THE LIFE(イン・ザ・ライフ)」

丈夫で飼育しやすい癒し系ペットアニマル「かわいい両生類」

 近年の爬虫類飼育ブームも手伝って、熱帯魚専門店で販売されることが多くなっている両生類。

 両生類を簡単に説明すると、例外的な種類を除き、幼生時は水生でエラ呼吸を行い、成熟とともに陸上生活を行って肺呼吸をするようになる、脊椎動物門両性網に属する動物の総称だ。我々の馴染みの深い種類でいえばカエルやサンショウウオなどが挙げられる。

 非常に多くの種類が世界中に分布する動物で、ブリーダーによって養殖された個体を中心にペットとして数多くの種類が流通している。プラケースなどの小さな容器、手軽なシステムで充分に飼育することができる種類も多く、比較的長生きで種類によっては熱帯魚飼育よりも敷居の低いケースが多いのも魅力。また、愛嬌のある容姿やのんびりとした動きに魅了されるファンも多い。

 今回は中でも比較的入手性も高く、人気の種類を中心に紹介する。魅力たっぷりの両生類たちとの暮らし、はじめてみませんか?

ツノガエル

ペットとして流通するカエルの仲間の中でも特にポピュラーで人気の高いツノガエル。
独特の容姿と大きな口で人気を不動のものにするカエル界のスーパースター。

 目の上にあるツノ状の突起が名前の由来ともなっている、ツノガエル。南米の森林などに分布する地表性のカエルだが、近年はブリーダーによる養殖も進み、さまざまなカラーバリエーションの個体が比較的安価で入手できたり、別のツノガエル同士を掛け合わせたハイブリット個体も登場している人気の高いペットフロッグだ。

 国内にはベルツノガエル、クランウェルツノガエルを筆頭にアマゾンツノガエル、カーティンガツノガエル、ホオコケツノガエル、ブラジルツノガエルの6種類が流通する。特に流通の多いベルツノガエルやクランウェルツノガエルは飼育も簡単で、飼育初心者の最初の1匹としておすすめのできる種類である。

 餌を目の前にピンセットなどで与えると大きな口で餌に飛びつく姿から、パックマン・フロッグのニックネームも持ち、またこの給餌シーンこそが本種飼育の最大の楽しみでもある。適切な環境で飼育すれば10年以上の飼育も充分に可能なので長い付き合いを楽しむことができる。

 また、本種のみならず両生類全般にいえることだが、彼らの体表は薄くて柔らかい粘膜質の皮膚となっており、環境の温度で体温が変わる変温動物なので人間の手のひらはとても熱く、長時間触れることは火傷をしてしまうことも多い。触れ合って飼育を楽しむ種類ではないことを念頭においておこう。

 食欲は旺盛で目の前にあるものはとりあえず何でも食べてしまうことも多いので、基本的に繁殖を狙ったペア以外は単独飼育が好ましい。あまり活動的な種類ではないので、飼育の容器は幅が30㎝もあれば終生飼育も充分に可能だろう。排出物で中毒になりやすいので、フンは随時取り除くようにしたい。

ベルツノガエル/
ツノガエルといえば多くの人が真っ先に思い浮かべるのは本種だろう。ツノガエルの特徴ともいうべき突起状の角はあまり発達しておらず、ツノガエルの中ではもっとも丸味を帯びた体形をした一般種。複雑な迷彩模様を基調に、カラーバリエーションも豊富で特に人気が高い。食に対してもっとも貪欲で飼育難易度も低い、ツノガエル飼育の入門種ともいえる種類。

クラウンウェルツノガエル/
ベルツノガエルと双璧をなす流通量と、アルビノなども含めてバリエーションも豊富な種類。容姿はベルツノに非常によく似ているが本種の方がやや小ぶりで角も本種の方が目立つ。ベルツノやアマゾンなど他種とのハイブリット個体が多く流通するのも、本種の大きな特徴だ。

ウーパールーパー

サンショウウオの仲間ではもっともペットとしての地位を確立しているウーパールーパー。
しかしポピュラーが故、飼育方法は様々な情報が錯乱している。正しい飼育方法とは?

 「ウーパールーパー」の名称で流通する可愛らしいサンショウウオの仲間。正式名称はメキシコサラマンダーと呼ばれ、天然の個体はメキシコのソチミルコ湖とその周辺にのみ生息する固有種だ。近年は環境汚染や外来種の浸透など、さまざまな要因で生息数は激減し、絶滅の危機を危惧されている種類でもある。

 ペットとして流通する本種は、国内のブリーダーの手によって養殖された個体が流通し、その愛くるしい表情や仕草で高い人気を誇っている。幼生の形態のまま成熟するのが大きな特徴で、顔の左右でヒラヒラさせる外鰓が本種の代名詞ともいえるだろう。また再生能力が優れており、手足などがちぎれてしまっても再生するのも本種の大きな特徴だ。

 飼育にはアクアリウムと同様に水槽を用いて飼育するのが一般的。飼育水は熱帯魚と同様にエラ呼吸を行うので、塩素や重金属を中和剤で無害化した水が好ましい。新しい水を好むので小さな容器で飼育する場合は毎日の全換水を行いたい。水槽飼育であればろ過フィルターを使用することで水換え回数は軽減できるが、週に1度、全体水量の半分程度の水換えは行うようにしよう。

 一般的に共食いをしてしまうので混泳は不可能だといわれている本種だが、小さい幼体のうちに成長に差が出てしまえば共食いの危険性はあるものの、15㎝前後のサイズで同サイズの個体同士であれば、混泳も問題ないという。混泳をする場合にはできるだけ大きな容器で飼育を行い、隠れ場所になるシェルターを使用したり、餌も各個体に行き渡るように与えることも重要だ。混泳数は水量10ℓに対して1匹が目安となる。

特に男性ユーザーに人気だというブラック。本来はこちらがノーマルカラーである。

ブラック同様に男性ユーザーに人気が高いという、模様がマーブルタイプの個体。

サラマンダー

成体になると水中より上陸し、陸生生活を中心に過ごすサンショウウオの仲間たち。
ペットとして多くの種が流通し、手軽なシステムで飼育できる魅力にあふれた両生類だ。

 外見はトカゲにもよく似た容姿で、カエルのような大きな口と飛び出したような黒い目。ペットアニマルとしては、ここまで紹介したツノガエルやウーパールーパーと比べてマイナーな存在ではある、サラマンダーと呼ばれる両生類の仲間たち。本項で紹介するのは、中でも成体になると陸上生活を行う陸生有尾類の仲間で、手軽なシステムで飼育ができる丈夫な種類である。

 有尾類という名称には本誌読者には馴染みの少ない単語だと思われるが、その名の通り、両生類の中の大きな分類では尾のある種類が属し、特別天然記念物のオオサンショウウオや前項で紹介したウーパールーパーも有尾類の仲間である。

 ペットとして流通する多くの種類は海外より輸入され、種類やカラーバリエーションも多い。一部のマニアには非常に高い人気を誇っており、マニア限定のペットという側面もあったものの、近年は熱帯魚専門店でも比較的流通が増えてきているので入手する機会も少なくはない。

 飼育方法としては、小型の種類が多いので飼育容器は大きなものは必要ない。自然界ではやや冷涼な環境に生息しており、湿度の高い環境を好むので、乾燥には注意して定期的な霧吹きを行うようにしたい。また、寒さには強いので、冬場の管理は非常に楽で、とくにヒーターなども必要ない。

 問題なのは夏場の高温対策で、室内が30℃を超えるような環境では最悪の場合、死に至ってしまうケースも多い。夏場はクーラーなどを用いて、常時室温を高くても28℃程度に抑えるようにしたい。冷温庫やワインセラーの中で飼育をして夏場を凌ぐという飼育者もいるほど。適切な環境であれば10年以上も長生きする種類なので大事に育てていきたい。

マダライモリ/
派手な色彩で近年高い人気を誇る小型種。国内でもブリーダーによって繁殖がされており、養殖個体が多く流通し、入手性も高い。繁殖を狙うのならテラリウムのような水場も必須。

イボイモリ/
その名の通り、イボのような突起が特徴的な種類。主に中国に生息する。他種と比べて乾燥に耐性があり、飼育は容易だろう。

ヤドクガエル

森林の宝石と呼ばれ、ビロード細工を連想させる光沢のある美しい色彩が魅力のヤドクガエル。
飼育が難しいというイメージも強いが、いくつかのコツをおさえれば大丈夫!

 現地先住民族が、狩猟用の吹き矢の先端に使用したといわれる毒を持つことから、ヤドクガエル(矢毒蛙)の名称がつけられたといわれ、中米から南米北西部全域まで広い範囲に生息する仲間。その毒々しいまでの美しい色彩と名称から取り扱いには注意が必要なイメージを持たれてしまうが、先天的に毒を有しているわけではなく、自然界で捕食している餌によって生成されるといわれている。

 したがって、多く流通する繁殖個体は生まれつき毒は持っておらず、また、天然採取の個体も飼育環境下では毒の元になる餌を与えない限り、毒が抜けていくので素手で触れてしまったからといって大事に至ることはない。

 ヤドクガエルの飼育環境は、湿度の高い熱帯雨林に生息している彼らには、高い湿度と新鮮な水が重要となる。また隠れ場所にもなり、土とともに汚れを浄化する働きも担う多く植物も飼育には不可欠な要素だ。そのため、ビバリウムと呼ばれるケージ内にコケや多くの植物をレイアウトした飼育環境との相性が高く、多くの飼育ユーザーはビバリウム内でヤドクガエルの飼育を楽しんでいる。

 照明は、植物を育成する目的では不可欠で、ヤドクガエルにとってに昼夜の生活リズムを作るのにも役立つ。また冬場の保温対策としても少なからず役に立つだろう。熱帯雨林に生息する彼らに適した飼育温度は25~28℃が良いとされる。屋外で飼育するペットではないので、冷暖房が整った環境であれば問題はないケースも多いが、昼夜の温暖差に注意して夏場はエアコンや熱帯魚用の冷却ファンを、冬場はケージを断熱材で覆ったり、パネルヒーターを用いたりなどして凌ぎたい。

イチゴヤドクガエル/
その名のようなイチゴのような美しい体色が特徴の人気種。ヤドクガエルの中でも小型の種類なので繊細な印象を持つが、丈夫で飼育はしやすい。

コバルトヤドクガエル/
名前の通り、全身を美しいコバルトブルーで覆われた美しいヤドクガエル。やや臆病な面を持ち、飼育当初は隠れがちだが徐々に順応して、姿を見せてくれるようになる。

フクラガエル

独特な容姿とスローな動きが、ゆるキャラ的なペットとして人気急上昇中。
決して流通量の多い種類ではないが、その魅力に迫りたい。

 饅頭のような独特の胴体に短かい手足。動きは遅く、いささかカエルのイメージとは異なる姿に魅了されるファンも多い人気種だ。

 アフリカ大陸東部から南東部の乾燥地帯に生息する地中性のカエルで、普段は地中で生活をし、雨が降ると地中から出てくることからレインフロッグとも呼ばれている。養殖は確立されておらず、市場には採集されたワイルド個体のみが流通している。そのため、生息地の雨期である10月~3月のみ輸入され、乾期となる4月~9月は入荷が途絶えてしまうので、通年入手できるような種類ではない。

 飼育環境としては基本的に地中生活がメインとなるので、少なくとも体高の3倍程度の深さの用土で管理し、多湿環境は好ましくないので乾燥した部分と水分を含んだ場所を容器内で分けてつくるとよい。地中より出て活動することはほとんどないので土を飼うイメージが近く、観賞的な楽しみが多いとはいえない。飼育していることを忘れないようにしたい。

モザンビークフクラガエル/
茶褐色の体色とその膨らみ具合が饅頭にしか見えない種類。アフリカ大陸東南部のモザンビークに生息し、入荷量は少ない。

アメフクラガエル/
モザンビークフクラガエルと比べてまだら模様の体表が特徴で、少し怒ったような顔がとても可愛い。モザンビークフクラガエルとの混雑種と思われる個体も流通する。

カメラマン:平野 威 Takeshi Hirano
テキスト:鶴田賢二 Kenji Tsuruta
媒体:AQUA Style 4

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