伝統と革新の麗しき調和
「ファッションとインテリアのトレンドは、ここ数年でかなり近付いてきています。ファッションショーでインテリアのアイデアが得られることも。そして、ファッション同様、インテリアのトレンドの移り変わりも早くなっているのです。フランスでは、そういった時代の流れに合わせて、外装はそのままでも内装をリフォームにより新しく生まれ変わらせて永く住む、という考え方が浸透しているんですよ」と、『トップメゾン』のチーフプランナーである大矢裕美さんは語る。
そのフランスにおけるリフォームの考え方を日本で実践すべく、名古屋にある『トップメゾン』の南仏スタイルのコンセプトハウス「プレステージ・メディテラネ」の内装が一新された。今回のインテリアのスタイルは、今フランスで注目されているというラグジュアリーモダンだ。
石造りと塗り壁のコンビネーションにロートアイアンの門扉、S形瓦やジェノワーズといった南仏らしい外観……、そして玄関ドアを開けると、外観とはまるで印象の異なる空間が広がる。足を踏み入れて、まず目に飛び込むのは鮮烈なほどにコントラストが利いたダークブラウンとベージュの大理石敷きの玄関ホール。アーティスティックな設えに心をときめかせつつ両開きのドアを開けると、そこはリビングルームだ。
現代の宮殿とでも表現しようか、クラシックとモダンが見事に融合した華麗な世界。何よりも目を惹くのは、ルネッサンス様式のマントルピースを彩るブラックタイル。既存のマントルピースの周りが現代的にリデザインされているのだ。艶やかな表面にダマスク柄やラインストーンがあしらわれ、その一つひとつが美術品のように麗しい。設えられた調度品はすべて、形状こそクラシックだが、質感やデザインがまるで新しい。重厚さのなかに、煌めきを秘めたインテリアがここに完成している。
リビングから左手に進むと、家族のくつろぎの場であるファミリールーム、そしてパウダールームとバスルームへとつながる。バスルームは浴槽と洗面スペース、シャワーブースが一体となったホテルライクな間取りとなっており、浴槽は従来のものを使用し、スペイン製のタイルで壁を装飾することで、さらなるリュクスな空間として甦らせている。コーラー社のホーローの浴槽に身を沈ませれば、心身の疲れなど一気に蕩け出してしまいそうだ。








ファミリールームからキッチン、その先はリビングの右手に当たるダイニングルームにつながっている。つまり、回廊タイプの間取りとし、家族が行き来しやすいよう動線が確保されているのだ。キッチンとダイニングはリビング同様、ラグジュアリーモダンスタイルを踏襲。白い大理石に黒いキッチンやダイニングセットが浮き立つように強調され、光と影を中和するようにミラーやクリスタルなどが各所に配されている。玄関ホール奥の階段を上がると、2階の廊下の突き当たりが主寝室。濃淡のダークカラーでコーディネートされた部屋には、やはりクラシックなダマスク柄の壁柄が配され、1階のスタイルと呼応している。
外観は塗り替えを行なうなどして補修をしつつ、内装を現代風につくり替えて住むという考え方。そのため、フランスでは200年も300年も住まわれ続ける家があることも珍しくない。『トップメゾン』の新たなコンセプトは、環境への配慮や、建物の長寿命化が求められる現代において、ひとつの回答を提示したと言えるだろう。
[DATA]
プレステージ・メディテラネ コンセプトハウス
■ 竣工:2000年10月 ■ 敷地面積:309.65㎡ ■ 延床面積:196.20㎡
トップメゾン株式会社
東 京 ■ プレステージ・イルド(オープンハウス) 東京都世田谷区深沢4丁目8番3号 PHONE:03-5760-1150
大 阪 ■ 大阪府大阪市西淀川区佃2丁目3-5 リバーサイド ラ・メゾンビル 2F PHONE:06-4808-8884
名古屋 ■ 愛知県名古屋市千種区四谷通2丁目10番地 ルーツストーン ラ・メゾンビル 2F PHONE:052-781-5070
http://www.topmaison.com/ フリーダイヤル 0120-152-102
■ 対応価格帯(坪):50万円~ ■ 営業時間:9:00 ~ 18:00 ■ 施工エリア:関東・関西・東海エリア ■ 保証:10年保証
Photo/Kousuke-FUJIMATSU(藤松光介) Text / Kei-YOSHIDA(吉田 桂)