2018.10.05

大人の趣味の為のライフスタイルマガジン「IN THE LIFE(イン・ザ・ライフ)」

かつての地図は一枚のアートへ。「MAINELY ART & FRAME...

 一枚の絵や写真がアートとして認められるための条件とは一体なんだろう。有名な画家が描いたものだから? 長い時を経た貴重なものだから? それももちろん加味されるべき要素だが、答えは至ってシンプル。"美しいかどうか"だ。メイン州ポートランドのとあるショップでは、美しくも意外なものがアートとして扱われていた。

 ポートランドは気鋭のアーティストたちが凌ぎを削るアートのホットスポットで、数々のショップが並ぶ一角に「MAINELY ART & FRAMES GALLERY」がある。こちらは名前から推測できるように絵画の販売とフレームのオーダーメイドを手がけるショップ。しかし他所とは明らかに違うのは、当時は実用的なツールとして使用されていた地図がアートとして販売されている点にある。

美しきヴィンテージ・マップの数々

時代や土地を問わず、多種多様な地図が店頭に並ぶ。これらは、ショップのオーナーが各地で開催されるオークションに足を運び、落札して買い付けを行っている。状態の良さにも納得だ。

 「MAINELY ART & FRAMES GALLERY」で販売されている地図は、古ければ100年以上もの昔に実際に使用されていたものさえある。それらは極上のコンディションに保たれ、スリーブやフレームに納められた状態で店舗に並べられているのだ。当時実際に使用されていた地図が現存しているとなると、歴史的資料としての価値も高いことは言うまでもない。

 古い地図からは共通点を見つけることができる。まず第一に地域ごと、目的ごとに地図が細分化されているということ。第二に航海や戦争時の活動の記録としての地図が見られることだ。そしてそれらの特徴をより明確にするための絶妙な配色や、描かれる絵(航海であれば船・戦争であれば戦闘機等)こそが、ヴィンテージ・マップをアートたらしめる最大の要因。当時の実用的仕様が長い時を経てアートへと昇華したのだ。

ショップの奥では、同ショップのビジネスのひとつであるオーダーメイドフレームの製作が行われている。ヴィンテージ・マップはもちろん、アートに合わせたフレーム製作もオーダー可能。取材時には手前に写っているマップに合う色のフレームを製作している最中だった。

ポートランドの街は区画整理がきっちりと行われている上に、似た建物が多く並ぶため初めて訪れる人、特に生活圏の異なる日本人にとっては迷いやすい街だ。「MAINELY FRAMES & GALLERY」に足を運ぶ際には、ショップ前に置かれている緑の看板を目印にするといいだろう。

地図とアートで世界の歴史をかいま見る

第二次世界大戦時のアメリカ軍の世界的な動向を記録した地図。1942年の東京大空襲の記録が記載されているほか、東京を初めとする、アメリカが主要都市としてみていた日本各地の都市がマークされていることがわかる。シビアな地図ではあるが、室蘭の表記が「MORORAN」と誤表記されていたり、ポップな配色や絵のおかげでそう感じさせない。

メイン州ポートランドの発展の歴史を辿った1932年製の地図。水際線が1632年時より現在の方が下がっていることから、埋め立てで土地を広げたことがわかる。

アメリカのユニオンステーションと言えばワシントンD.C.やシカゴが有名だが、絵によるとどうやらかつてはポートランドにも同様の駅があったようだ。

テキスト:Ryoma Watanabe
媒体:VINTAGE LIFE 15

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