2018.10.10

大人の趣味の為のライフスタイルマガジン「IN THE LIFE(イン・ザ・ライフ)」

大人こそ楽しめるおもちゃの博物館「POLLOCK’S TOY MUSEUM」

 最近はベビーカーの中でスマホを凝視している赤ちゃんが少なくないご時勢だが、ほんの一昔前まで、子どもの想像力はブリキやぜんまい、紙やセルロイドといった素材でシンプルに作られたおもちゃで育まれていた。劇場がひしめくロンドンのウエストエンドにも近い場所にあるこのおもちゃ博物館は、子どものためでなく、昔は子供だった大人のためのおもちゃ博物館である。

豪華なミュージアムショップも見もの

ミュージアム1階はおもちゃ屋さんのレジと受付を兼ねている。その後ろには現在も生産販売されているトイ・シアターが展示されている。豪華な舞台のものはインテリアにもなりそうだ。

 築1700年代という建物からして雰囲気たっぷりの「POLLOCK’S TOY MUSEUM(ポロック・トイミュージアム)」。その少し傾いた床から天井までを各時代、世界各地からの展示物のおもちゃがびっしりと覆っている。

 このミュージアムは1940年代頃までヨーロッパの比較的裕福な家の子どもたちに人気があったトイ・シアターの品揃えが多い。これは紙製の立体的なミニ劇場で、演目ごとに背景シーンや小道具が描きこまれており、子どもたちが人型の登場人物を動かしてセリフを言い、家族でお芝居を楽しむ優雅なおもちゃだった。

 芝居つながりで映画やテレビの祖先ともいえる初期の上映機「マジックランタン」もいくつか展示されている。1932年に初版が出たかの有名なモノポリー(もちろん元祖ロンドン版!)など、ああっと声が出てしまいそうな懐かしい品が続く。ロンドンで数時間空いたら足を向けてほしい場所だ。

全体的にはやはり19世紀ヴィクトリア時代の人形やトイ・シアターが多いミュージアムだが、ここは乗り物など男の子のおもちゃが集まっているコーナーも。いまではそんな表現はしないが、「男の子のための」エッフェル塔的なタワーを建てるおもちゃなどもある。

その後の映画産業にもつながっていったシネマトグラフ、ごく初期の上映機マジックランタンの展示。フリックブックと呼ばれるパラパラ漫画からアニメーションが生まれ、それを明かりを使って映写し大勢で楽しめるようになっていくその進歩の様子がわかるのはとても楽しい。

ブリキのミニチュアカーなどは、イギリス、ドイツ、フランスのものもあるがやはり20世紀に圧倒的に豊かだったアメリカのものが多い。生活必需品ではない子どものおもちゃはその社会の余裕や雰囲気を見事に表わしている。

テキスト:Yoko Aoki
媒体:VINTAGE LIFE 15

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