2018.10.23

大人の趣味の為のライフスタイルマガジン「IN THE LIFE(イン・ザ・ライフ)」

美しい水草レイアウト水槽を作ろう!「水草、育てる楽しみ」

透明感のある涼しげな水中空間で育つ、美しい水草たち。個性あふれる種類を、流木や石などの天然素材とともにレイアウトして楽しもう。水草レイアウトという趣味は、初級から上級まで、さまざまな楽しみかたを提案してくれる。

水草水槽を立ち上げよう

小型水槽を使った本格的な水草レイアウトが完成するまでを追う。
素材のセレクトや水槽への配置、水草の処理、植栽、トリミングなど、水草育成の基本となるテクニックを教わろう! 

必要なアイテムを揃える

 水草レイアウト水槽をはじめるなら、一般的なアクアリウムとは異なる、水草育成に特化したアイテムを揃える必要がある。水槽やフィルター、ろ材、照明、ヒーター、CO2添加器具、底床材、肥料、バクテリア、流木、石、ピンセット、はさみなどが必要になるアイテムだ。

 ここでは30×30×30㎝で背面にろ過槽を備えた「システムアクア30」を使用。ビギナーでも簡単に水草レイアウトが楽しめるシステム水槽だ。照明は専用に開発された「ソルスタンドG」を設置。

 まずはじめに水草の栄養分となる底床肥料の「パワーサンド」を適量入れ、そのうえに水草育成用のソイル「アマゾニア」を敷き詰め、平らにならす。その後、流木と石を配置すれば、レイアウトの骨格部分が完成する。水草レイアウトでは、水槽の前面から前景・中景・後景の3等分して水草の植栽を考えるとバランスのとれた風景になりやすい。

 また、流木や石を配置するうえでは、仕上がりの構図も意識しておくとよいだろう。基本の構図には山型、谷型、三角型の3パターンがある。山型タイプは凸型構図とも呼ばれ、左右の空間バランスを生かした構図。谷型タイプは凹型構図とも呼ばれ、中央部に空間をあけるスタイル。三角構図は左右のどちらかに空間をもたせるスタイルで、なだらかなスロープ状に天然素材や水草を配置する構図だ。

 ここでは三角構図をイメージして、流木と石を配置した。流木が勢いよく上方に伸びるように配置し、その足もとに石を置くことでよりナチュラルな雰囲気が生まれる。

1:初心者でも扱いやすい幅30㎝のシステム水槽(システムアクア30)を用意。底床肥料のパワーサンドを入れる。

2:パワーサンドは水槽の正面や側面から見えないように整える。入れすぎると立ち上がりが不安定になるので注意。

3:水草の育成に適したソイル「アマゾニア」を入れ、やや背面が高くなるように、平らに整える。

4:手ごろなサイズの流木(スマトラウッド)をひとつ配置。左から右上に伸びるようなイメージで。

5:流木の足もとに、明るい色彩が特徴の龍宝石を3つ配置。石が加わることでよりナチュラルな雰囲気に。

6:中央部分にソイルを加え、レイアウトの骨格が完成。ソイルの表面に霧吹きをして、レイアウトを安定させる。

下準備をして水草を植栽する

 水草は鉛に巻かれていたり、ポットに植えられていたりして、そのままではレイアウトに使用することができないものが多い。

 まず水草を購入したら、鉛やポットを取り除き、水道水でよく洗って巻き貝やその卵を持ち込まないようにする。とくに、海外から輸入された水草は農薬が使われていることがあるため、専用の除去剤を入れた水に浸してから使用すると安心だ。

 その後、植栽前の下準備をはじめる。有茎草は種類ごとに植えつける長さに揃えて茎をカット。根をすべて落としてしまっても問題ない。植栽後、すぐに節から根が生えてくるためだ。エキノドルスやクリプトコリネなどのロゼット型の水草は根を数㎝残してカットしておく。また傷んだ葉は株元から取り除いておくとよい。

 前景に使うグロッソスティグマは細かく株分けしてトレーなどの上に並べておく。ヘアーグラスは長く伸びた根をカットして、こちらも株分けしておく。ウィローモスは流木に活着させると自然な雰囲気を演出できる。適量流木の表面に置き、木綿の糸を巻きつけていく。また、ミクロソリウムは小さな溶岩石に根を巻きつけ、株元をビニタイで固定しておくと配置しやすい。

ピンセットやはさみ類(ADA)も、用途に合わせて揃えておくと便利。

底床はソイルが主流

水草レイアウトをつくるとき、土を焼き固めたソイルを底床として使用するのが一般的。水草用に開発されたソイルは適度に栄養分が含まれ、水草の生長を助けてくれる。ソイルにはおもに養分が含まれた栄養系とろ過能力を高める吸着系に分けられる。ほかにレイアウトの見栄えをよくする化粧砂も販売されている。

水草一番サンド(ジェックス)

レイアウト素材いろいろ

素材選びは流木を主役にするのか、石を主役にするのかを考えよう。それぞれにいくつかの種類があり、色合いや形状、質感などに違いがある。ひとつのレイアウトでは、同じ種類の素材を使うことが鉄則だ。たとえば、ブランチウッドであれば流木はブランチウッドだけ、青龍石であれば石は青龍石だけで組んでいく。

ホーンウッド

黄虎石

二酸化炭素を添加する

 本格的な水草水槽をつくるなら、二酸化炭素(CO2)の添加は必要不可欠といってよい。一部、ハイグロフィラやアヌビアスの仲間など、CO2を添加しなくても育成できる種類もあるが、添加したほうが美しく生長する水草が多いのも事実だ。

 水槽内にCO2を添加するシステムには、強制添加式や発酵式、簡易式などがある。中でも供給量が調整しやすく、照明とも連動させやすい強制添加式がおすすめだ。小型水槽から大型水槽まで対応でき、安定したCO2の供給が可能になる。

 ここではボンベやレギュレーター、拡散器、耐圧チューブなどがセットになったCO2アドバンスシステムフォレスト(ADA)を使用した。60㎝以下の水槽でCO2添加を行う初心者にも扱いやすいセット内容になっている。

 添加量の目安は、立ち上げ直後ではバブルカウンターで1秒に1滴、その後水草が繁茂してきたら1秒に2滴など、水草のボリュームに合わせて徐々に増やしていくとよい。また、CO2のオン・オフは照明に連動させるのが基本。照明を切っている間は光合成を行わないので、CO2の添加も止めて、水草を休ませるようにする。

CO2アドバンスシステムフォレストのセット内容。コンパクトに必要な器具がまとまっている。

テトラCO2キット(スペクトラムブランズジャパン)

CO2フルセット・キューブセカンド(AIネット)

トリミングとコケの対策

 生長した水草をカットするトリミングは、水草レイアウトを状態よく長く維持するために不可欠となる作業だ。とくに生長の早い有茎草をメインに使ったレイアウトでは、頻繁にトリミングを行う必要がある。

 トリミングを怠ると、レイアウトのバランスが崩れ、水草そのものの状態も悪くなってしまう。大きく伸びた水草が水面を覆ってしまうと、前景草などのほかの水草に光が当たらなくなり、生長不良に陥ることも考えられる。水草が生長して繁茂してきたら、早めにトリミングするように心がけよう。

 ひとくちにトリミングといっても種類によってさまざまな方法がある。有茎草の場合は茎の途中をカットして脇芽を出させる。ボリュームが足りない場合はカットした草を挿し戻すとよい。ロゼット型の水草は葉を株元からカットする。

 また、水槽の立ち上げ初期には必ずコケが生えてくる。ガラス面などに付着したコケはスポンジなどで拭き取り、水草に付いたコケはトリミングの際に葉をカットして取り除こう。その後、水換えをして、オトシンクルスやヤマトヌマエビなど、コケをエサにしてくれる生物を投入するとよい。

ヤマトヌマエビ。コケ対策の代表。5匹導入した。

肥料などの添加剤

水草が栄養不足になると生長が鈍るので、定期的に肥料分を添加するとよい。各種の栄養素が配合された液体肥料や追肥用の固形肥料が市販されているので、目的に合わせて使用する。また、水草育成に役立つコンディショナーも豊富。このほか、コケを予防したり退治したりするアイテムも揃っている。

テトラ フローラプライド(スペクトラムブランズジャパン)

水草コンディショナー(ジェックス)

人気の水草ミニガイド

草姿や葉の形状・色彩など種類によってさまざまな個性が際立つ水草の世界。
よく利用され、比較的育てやすい種類を紹介しよう。

パールグラス(Hemianthus micranthemoides)/
小さな葉が密につく有茎草で、ライトグリーンの葉が水槽を明るく彩ってくれる。数十本をまとめ植えすると見栄えがする。トリミング後の挿し戻しも容易。

オーストラリアンクローバー(Hydrocotyle Tripartita)/
クローバーに似た葉を展開する有茎種。ランナーを這わせ、さらに茎を伸ばして葉を展開させる。環境に適応すると生長速度が早く、勢力を広げすぎることがあるのでこまめなトリミングが必要だ。

ロタラsp.(Rotala sp.)/
ベトナムHraの名前で流通するロタラの一種。CO2添加という環境下で、より赤みの深い葉を展開する。ピンチカットなどのトリミングには強く、短期間に茂みをつくることも可能。

ラージパールグラス(Micranthemum umbrosum)/
パールグラスよりも大きな葉を広げるかわいらしい水草。丈夫で繰り返しのトリミングにも強い。密生した環境では光量不足により、下葉が黄色く枯れ込むことがあるので植栽時には適度に間隔をとるとよい。

アヌビアス・ナナ(Anubias barteri var. nana)/
サトイモ科の強健種。石や流木などに着生する性質があり、幅広い水質に対応する。

ハイグロフィラ・ピンナティフィダ(Hygrophila pinnatifida)/
葉のギザギザが特徴のハイグロフィラ。流木に活着したり、ランナーで殖えたりする。強めの光量だと葉が赤く変化する。

グロッソスティグマ(Glossostigma elatinoides)/
明るい丸葉で底床を埋め尽くす定番の前景草。CO2の添加と強めの光量を当てると一面が緑の絨毯に。有茎草のため、茎が上へ伸びてきたらこまめにトリミングするとよい。

カメラ&テキスト:平野 威 Takeshi Hirano
媒体:AQUA Style 9

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