2018.06.20

大人の趣味の為のライフスタイルマガジン「IN THE LIFE(イン・ザ・ライフ)」

意味深長な空気を従えた、いにしえのモーターサイクル「1936 H-D EL / ...

ベネチアンブルーとクロイドンクリームが意味するもの。史に名を刻むH-Dのマスターピースこれが"正真正銘"のファーストナックルだ。

 かねてからその噂は耳にしていた。これまで本誌の取材で幾度となく世話になった旧車クラブAMCAの古参や名の通るクラシックバイクのコレクターが口を揃えるように「デイブのサンロクは世界一」と言っていた。そして去年の秋にイーストコースとを訪れていた際、ついに念願が叶う。
 
 H-D史上初のOHVモデルの1936年式、ファーストイヤーのナックルヘッドを所有しているだけでも一大事だが、その上工場出荷塗装を保持する1台とあらば、この文化に携わる者なら事件である。車両を目の当たりにした瞬間、正直動けなくなった。恐れ多くて触るどころか近づくことさえためらってしまった。
 
 少なくとも製造後約80年が経過した車両には見えなかったし、タンク両サイドのウォーターデカールがあれほど鮮明に残っているのも衝撃的だった。かくしてそれは、意味深長な空気を従え、デイブのガレージに神々しく鎮座していたのである。
 
 1990年代初頭にこのサンロクに遭遇したデイブは、共にオリジナルペイントの37ELと46FL、さらにキャッシュでの追金でこのサンロクを手にいれたという。

「37年も46年の素晴らしい車両だったけど、ナックルマニアにとって36年はやはり特別な存在で、オリジナルペイントとなれば別格。自分のコレクションの中で最も気に入っているのがこの車両だよ──」。
 
 デイブのようなコレクターは文字通り、旧車の守護神といえる。彼らのようなエンスージアストがいたからこそ、いにしえのモーターサイクルがこうして今に生き長らえたのだ。博物館に展示されるレストア車も大切だが、当時を伝える歴史遺産となればオリジナルコンディションに勝る物なし。

DAVE MINERVA
現存する1936年式の61OHVナックルヘッドの中では最高峰との呼び声も高いご覧のサンロク。 デイブはこれ以外にも多数のスペシャルをコレクションする東海岸屈指のコレクター。

フェンダーサイドのふたつのフックに吊り下げるスリーベルトのサドルバックもマッチングイヤーのH-D GENUINE。

狭角45度のVバンクというH-D伝統のレイアウトを踏襲した排気量61ci=1000cc、史上初のOHVエンジンを搭載するモデル1936EL。当時のスピード狂の間でH-Dの61OHVといえば、誰もが知るスーパースポーツモデルだった。スクエアタイプのエアクリーナーカバーは1936年のみのワンイヤーパーツだが、5インチのラウンドタイプも選択できた。

1936年限定のファクトリーオリジナルペイントVENETIAN BLUE×CROYDON CREAMをここまで鮮明に保持するサンロクは極めて希少。「SHERWOOD GREEN×SILVER」「DUSK GREY× ROYAL BUFF」「TEAK RED×BLACK」「MAROON×NILE GREEN」などの鮮やかなカラーバリエーションをラインナップしていた。

Photographs:Ken Nagahara
Text:Gonz (満永毅)
媒体:ROLLER magazine VOL.15

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