2018.11.09

大人の趣味の為のライフスタイルマガジン「IN THE LIFE(イン・ザ・ライフ)」

水草レイアウトレッスン「大自然をコンパクトにしたジオリウム」

水槽という限られた空間の中に、ジオラマのような広々とした世界を形づくる「ジオリウム」。新たなアイディアや細かなテクニックを紹介しよう。

 ワンズモールの高橋義和さんが制作するテラリウムは完成度が高く、多彩でさまざまな工夫が凝らされ、見る人の心を魅了する。ショップでは数々のテラリウム水槽が展示販売され、子どもからお年寄りまで、その作品の前で足を止め、長い時間じっくりと眺めているのが印象的だ。

 中でも、動物や恐竜などのフィギュアを取り入れるなどしてつくったジオラマ風のアレンジを「ジオリウム」と呼び、人気を集めている。それぞれのジオリウムを目の前にすると、自由な発想が浮かび、そのストーリーに引き込まれていく。今回はそのジオリウムづくりのプロセスを紹介しよう。60㎝水槽を利用して、急峻な崖の水辺を再現するレイアウトだ。

 ジオリウムの土台はおもに発泡スチロールでつくられる。背面に水中ポンプをしのばせ、上部から水を流している構造だ。発泡スチロールの表面はライターの火で複雑な形状にしたあと、全体にモルタルを塗り、色をつけていく。

 植物は、一般的な栽培しやすい観葉植物をメインに配置していく。水の流れを重視したうえで、適切な素材を利用しているのも特徴だ。植物の栽培や魚の飼育が長期間楽しめる、完成度の高いジオリウムができあがった。

1:「作れる君」をカットして、レイアウトの土台となるろ過槽をつくる。シリコンで接着。

2:水槽の背面に配置するろ過槽部分を組み立てる。

3:今度は水槽の右側に配置するろ過槽部分を組み立てた。園芸用の底穴ネットで吸水口をつくっておく。

4:発泡スチロールをさまざまなサイズでカットし、ライターの火であぶる。

5:火であぶることによって、発泡スチロールの表面を複雑な形状にする。これが土台の表面になる。

6:水槽の背面に「作れる君」を1枚、シリコンで貼りつける。

7:左側のろ過槽を設置。接地面はすべてシリコンで接着する。

8:同様に右サイドのろ過槽部分も接着。魚などが内部に入ってこれないようする。

9:発泡スチロールでつくった崖の表面部分を接着していく。

10:左の上部には池をつくり、そこから水が流れ出すような構造に。

11:自然なイメージを想像しながら、崖の部分を貼りつけていく。

12:すべての発泡スチロールを貼りつけた。橋を架ける位置や、水の流れる場所も計算されている。

13:ビニールの手袋を着用してモルタルに水を混ぜる。少し柔らかめのほうが扱いやすい。

14:モルタルを土台の表面に塗っていく。

15:モルタルを土台全面に塗り終えたところ。1つの地形に見えてきた。

16:モルタルは1日以上乾かした後で、ペンキを塗る。使用したのはシリコンアクリルペンキ。

17:色を塗り終えると、さらに自然感が高まってくる。色は好みで。

18:流木を固定する。土台に直接グルーガンで接着した。

19:水槽の上部に流木を2つ。崖に生える樹木のイメージ。

20:手作りの橋を架ける。これもグルーガンで固定。

21:次は植栽部分の制作へ。「植えれる君」を植栽スペースに、シリコンで貼りつける。

22:あらかじめ観葉植物を配置するスペースを確保しておくこと。

23:観葉植物の植栽スペースは中央のほかに、左右にそれぞれ1か所あり、各所に「植えれる君」を。

24:植物を配置していく。流木の株元にシダ類を差し込むように。

25:「植えれる君」に小さな穴をあけ、そこに植物の根元を差し込むようにして植え込む。

26:右サイドには、シダ類のほかテーブルヤシやフィットニアなどが植えられた。

27:観葉植物の株元には、シノブゴケを配置する。

28:他の植栽スペースにも植物を植えていく。固定しにくい場合は、針金をU字にして株元に差し込むとよい。

29:陸上部分の植栽が完了。ナチュラルに緑が生い茂っているように見える。

30:水を溜める池の底には砂利を敷き詰めて。

31:水槽の底面には、ソイルを入れる。水草は植えないので薄く敷き詰める。

32:右背面に水中ポンプを入れ、上部に汲み上げられるようにセッティング。

33:水槽の左側のポンプは、ホースを使って2つに分岐させる。

34:左側のポンプから汲み上げられた水は、シャワーパイプを通って植物の根元に流れる。

35:もう一方は池の上部にセットしておく。

36:水を入れる。水位は水槽の半分ぐらいをあらかじめ想定していた。

37:ポンプを稼働させ、水を回す。水の流れはウィローモスである程度誘導できる。

38:小さなつる性植物を仕上げに配置するだけで、自然感がグッと増す。

39:水中には斑入りのアヌビアス・ナナを配置し、水面にはアマゾンフロッグピットを浮かばせた。

40:ラスボラやプリステラを泳がせて完成。見どころの多いジオリウムが完成した。

Finish:ジオリウムはいろいろな角度で眺めたくなる。

カメラ&テキスト:平野 威 Takeshi Hirano
媒体:AQUA Style 9

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