2018.11.14

大人の趣味の為のライフスタイルマガジン「IN THE LIFE(イン・ザ・ライフ)」

湖産アフリカンの魅力再発見! 「美しきアフリカンシクリッドの世界」

カラフルな色彩が魅力のアフリカ産シクリッドたち。観賞魚として古くから親しまれてきた仲間だ。今回はマラウイ湖、タンガニーカ湖産のメジャーな種類を紹介しよう。 飼育は水質調整に注意が必要だが、いずれも基本的には丈夫で飼いやすい魚たちだ。自分なりのレイアウトをイメージして、アフリカン水槽を立ち上げよう!

ひと味違う! 熱帯魚飼育の楽しみ「湖産アフリカンシクリッドの魅力と飼育方法」

アフリカンの美しさ

 これが淡水魚? と思えるような体色の魚が多い、アフリカンシクリッド。中央アフリカにあるマラウイ湖やタンガニーカ湖に生息しているシクリッドだ。エンゼルフィッシュやディスカス、アピストグラマなど、南米原産シクリッドよりマイナーな存在だが、アフリカンシクリッドのあざやかな青や黄色の金属光沢は海水魚かと思うほど美しい。

 また、マラウイ湖に生息するほとんどの種類はマウスブルーディングと呼ばれる口内孵化を行い、繁殖にも比較的簡単にチャレンジすることができる。ひと味変わったアクアリムに挑戦するなら、断然アフリカンシクリッドがおすすめなのだ。

 マラウイ湖産のシクリッドは、アーリィが代表種でブルー、イエロー、ピンクなどカラフルなものが多く、中にはカメレオンシクリッドと呼ばれ、ころころと色彩を変化させるものもある。中~大型で魚食性の種類が多い。一方のタンガニーカ湖はリフトレイク群の中でも最古の歴史を持ち、体色はマラウイ湖産ほど派手ではないが、シェル・ブルーダーなどの小〜中型種が中心。しかし、オスの頭部が突出し、迫力があるフロントーサなどの魅力的な大型種もいる。

水質の管理に注意

 飼育については、まず飼育水の水質調整が大切になる。湖産アフリカンは弱アルカリ性の硬水を好む性質がある。このような水質を維持するために底床やろ材にサンゴ砂を用いるとよい。サンゴ砂を用いればpH7.5~8.0、総硬度8~10、炭酸塩硬度4~6当たりの数値が得られる。弱アルカリ性の飼育水は、立ち上がって安定するまで4~5日ほど日数がかかるものだ。お気に入りのアフリカンをタイミングよく迎えられるようにあらかじめ水槽をセッティングしておこう。

 また、急激な水質悪化によるペーハーの低下を避けるため、1~2週間ごとの定期的な水換えが必要だ。一度の大量換水は避け、毎回3分の1程度を換えるとよい。また、亜硝酸の濃度が低ければ、水質調整剤を使ってペーハーや硬度を調整してもよいだろう。

 使用する水槽は、ほとんどの種類が10㎝以上のサイズに成長するうえ、テリトリー意識が強いため、できるだけ大きなサイズを用意してあげたい。魚のサイズが大きい分、水を汚すのでろ過能力は充分に確保することも大切だ。遊泳力が高く、 適度な水流を好むので外部式フィルターがベストだろう。また、酸素消費量も多いのでできればエアレーションも施したい。

 混泳をさせる場合、同種間でもケンカをしたり、いじめられてしまう個体が出てきてしまう可能性がある。対策としては縄張り意識が出ないよう、ある程度飼育数を増やしたり、石組みや水草、飾りサンゴなどをあしらって、弱い魚が隠れるシェルターを作ってあげるのも有効だ。

 エサは粒状の人工餌料のほか、クリル、冷凍アカムシなどをバランスよく与えるとよいだろう。とくにマラウイ湖産のシクリッドはとても大食漢だが、水質維持のためにもエサの与えすぎには注意したい。 水温は22~28℃をキープして、夏場はなるべく高温にならないように注意しよう。

繁殖にチャレンジ

 マラウイ湖産シクリッドの飼育の醍醐味として、マウスブルーディングが挙げられる。繁殖のために何か特別なことをする必要はなく、成熟したオスとメスがいれば自然と繁殖してくれる。

 アフリカンシクリッドで複数の種類が同居していると、同種間だけでなく、別の種類と交雑してしまうことがあるので注意が必要だ。特定の種類の繁殖を目的とするなら同種の雌雄のみで飼育しよう。ただし、飼育数の多いほうがペアができやすいので、ゆとりがあればなるべくたくさんの数を同じ水槽に入れておくとよい。

 雌雄の見分け方だが、種類がさまざまで一概にいえない。オスとメスで体型が異なる種類の魚もいれば、オスの体色や尾ビレが特徴的になったり、顔の上にコブができるものなど多岐にわたる。ショップで事前に確認して購入するのが安心だ。

 アフリカンシクリッドの多くの種類はマウスブルーダーで、メスが口の中で卵を孵化させて稚魚がある程度大きくなるまで育ててくれる。そのため、食卵される心配はないが、メスはその間は一切何も食べない。だいたい2~3週間で稚魚を吐き出すが、なかなか吐き出さないときは、稚魚飼育用の容器の中でメスのエラ蓋を軽く押すと簡単に出てくる。

 稚魚は成魚とは隔離して、ある程度の大きさになるまで育てよう。稚魚にはブラインシュリンプや、細かく砕いたフレークフードなどを与える。自分で稚魚から育てる楽しみを満喫しよう。

スキアエノクロミス・フライエリィ/
アフリカンシクリッドの王様的な存在で、古くからアーリィの名で親しまれている。メタリックブルーの輝きと背ビレの白い縁取りが美しい。マラウイ湖産のマウスブルーダー。

フロントーサ/
タンガニーカ湖産の大型シクリッド。5~6本の黒いバンドが入り、生長とともに青みが出てくる。頭部のコブも特徴的。

オレンジピーコック/
中型のアフリカンシクリッドで体色はオレンジ色。気性が荒く、縄張り意識を持つため、シェルターを充分につくる。

トロフェウス・ドゥボイシー/
タンガニーカ湖産の中型種。水玉模様の幼魚から成魚になると1本の白バンドに。成長とともに色彩の変化が楽しめる。

AFRICAN AQUARIUM 01「緑豊かな明るい水中世界を 色あざやかな魚が泳ぐ」

 弱アルカリ性を好むアフリカンシクリッドでは、水草をレイアウトした水槽はあまり見られない。しかし、丈夫な種類を選べば、水草レイアウト水槽でアフリカンを飼育することだってできる。

 ここでは幅60㎝の水槽「テトラホワイトアクアリウム」(スペクトラムブランズジャパン・60×30×36㎝)を使用し、水草でレイアウトをつくったあと、複数のアフリカンを混泳させている。

 底床には黒い人工砂を用い、白っぽい石をメインに組んでいる。白と黒のコントラストがはっきりしていて、水草のグリーンや魚の体色がよく目立つ。

 水草は、石組みの間から葉を出すようにアヌビアス・ナナやミクロソリウム・ソードリーフを植栽した。スクリューバリスネリアは後景に使用し、前景にピグミーチェーンサジタリアやロベリア・カージナリスを植えている。いずれも使用した水草は丈夫な種類で、この環境でも充分に育成が楽しめるものをセレクトしている。

 魚は、スキアエノクロミス・フライエリィ、ゴールデンゼブラシクリッド、レッドゼブラシクリッドの3種類。やや小さめで、同じようなサイズの個体を複数、やや多めに入れることによって、ボスをつくらせず、争いを極力減らすように工夫している。メタリックブルーが美しいアーリィを主役にしつつ、ゴールデンゼブラシクリッドの黄色と、レッドゼブラシクリッドの赤色がよいアクセントなって、華やかな水景を演出している。

 飼育数が多いと、水質の悪化も早いので、こまめな水換えが必要になる。日常管理は、1日1回のエサやりと週に1回3分の1程度の水換えを行うとよい。

照明は「テトラパワーLEDファイン60」。高い演色性で魚の体色もきれいに見える。スタイリッシュなデザインも魅力。

AFRICAN AQUARIUM 02「60㎝水槽でペア飼育! ブリーディングにチャレンジしよう」

 イエローピーコックのペアを飼育するスタイルだ。状態よく飼育していれば、ゆくゆくはブリーディングを楽しむこともできる。

 水槽は「グラステリア600ST」(幅60×奥行き30×高さ36㎝)を用い、フィルターは「サイレントフローデュアルブラック」、照明は「クリアLEDパワーX600」(いずれもジェックス)を使用している。

 レイアウトはシンプルにして、カラフルな魚を引き立てた。底砂に「シーケムグレイコースト」(LSS研究所)を敷き詰め、人工岩の「ライフロック」(カミハタ)を組んでいる。マリンアクアリウムで使用される素材を使うことで、アフリカンシクリッドが海水魚のようにも見えてくるから不思議だ。

 マラウイ湖産のイエローピーコックはカラフルなオスと地味なメスを同居させている。はじめはテリトリー争いする危険性が高いので、複雑に岩組みをつくって、複数の隠れ場所をつくっておくとよいだろう。

 相性がよければ、繁殖行動をとるようになる。まず、平たい石にメスが産卵し、そのあと卵とオスの精子をメスが口内で受精させ、孵化育成する。2週間ほど経つと、メスの口から稚魚が吐き出される。稚魚はすでに自由に泳ぎまわるくらいに成長している。稚魚は隔離して育てるとよいだろう。

海水水槽で用いられる人工の岩「ライフロック」を使用している。複雑に組むことで、魚の隠れ家をつくっておくとよい。

AFRICAN AQUARIUM 03「小型のデザイン水槽で楽しむ海水魚風レイアウト」

 このアクアリウムをひと目見たら、ほとんどの人が海水魚水槽だと勘違いするのではないだろうか。よーく見ると、実際に飼育しているのは、アフリカンシクリッドの若魚たちだ。スキアエノクロミス・フライエリィとスノーホワイトシクリッド、レッドゼブラシクリッドの3種類を混泳させている。

 水槽はスタイリッシュなデザインの「アーク400」(コトブキ工芸・幅35×奥行き18×高さ20㎝)を使用した。さらに、レイアウト素材はすべてレプリカを使っているのがポイントだ。人工ライブロックの「ライブロックレプリカ」(エムエムシー企画レッドシー事業部)を水中フィルターの前に配置し、カラフルな人工サンゴ「ゼストレプリカサンゴ」(ゼンスイ)を複数レイアウトしている。さまざまな形状のサンゴを取り入れることで、起伏に富んだサンゴ礁の世界を演出している。

 さすがはアフリカンシクリッド。華やかな背景に負けず劣らず、そのカラフルな美しさを発揮している。

人工のサンゴを利用して、海の世界を表現してもおもしろい。

AFRICAN AQUARIUM 04「タンガニーカ湖の魚を集めた 個性を楽しむ混泳スタイル」

 タンガニーカ湖が原産のアフリカンシクリッドだけを集めた混泳水槽がこちら。川砂を厚めに敷き、木化石を複数配置させたシンプルなレイアウトのなかに、ネオランプロローグス・ オケラートゥスや、ネオランプロローグス・カウドプンクタータス、ジュリドクロミス・マルリエリを泳がせている。

 水槽は「グラスガーデンS450」(幅45×奥行き15×高さ35㎝)、照明は「ライトアップホワイト400」、フィルターは「スペースパワーフィットホワイトS」(いずれも水作)を使用。両面から観賞できる薄型タイプの水槽でテーブルなどにも設置しやすい。

 ネオランプロローグスは、ブリチャージが有名なタンガニイカ湖産のシクリッドで、カラフルな体色の種やヒレが伸長して美しいものなどさまざまな種類が知られている。今回は黄色い体色のオケラートゥスと、ヒレが黄色に染まるカウドプンクタータスを導入した。ジュリドクロミス・マルリエリは古くから知られ、ポピュラーな種類。飼育は容易で、複数匹いれば繁殖も可能。岩組みの中に産卵するタイプで、稚魚と親魚が共存する姿が楽しめる。

ネオランプロロ-グス・ オケラートゥス。巻貝産卵型の小型種。原種は茶褐色の体色だが、あざやかな黄色の体色が美しい改良種も。

AFRICAN AQUARIUM 05「自由な発想で楽しむ円柱型のアフリカンアクアリウム」

 ヨーロッパ生まれのデザイン水槽「バイオーブ・チューブ35」で制作されたアフリカンレイアウト。バイオーブシリーズは、これまでにない発想で機能性とデザイン性を両立させた水槽システムだ。チューブ35は円柱スタイルで、中央の底にろ過フィルターが設置され、効率のよい水質浄化を行っている。

 またバイオーブではさまざまなアクセサリーが豊富に揃っているのも魅力といえる。アフリカンシクリッドは、弱アルカリ性の硬水が飼育水の条件となるため、水草の多くは導入できない。そこで人工プランツなどのアクセサリーを使えば、さまざまなスタイルのレイアウトが楽しめるようになる。ここでは、有茎草のアクセサリーやマリモを思わせるグリーンボール、そのほかカラーボールなどを使用し、賑やかな雰囲気に仕上げている。

 魚はスノーホワイトシクリッドを3匹導入。マラウイ湖原産のラビドクロミス・カエルレウスの改良品種で、純白の体と赤い目の対比が美しい種類だ。華やかな水景にシンプルな体色がよく似合っている。

 飼育は容易で丈夫な魚だが、やや気が荒いため、2匹だけの混泳は危険。岩組みなどで隠れ家を豊富につくってあげるとよいだろう。

AFRICAN AQUARIUM 06「画期的なデザイン水槽でアフリカンの舞いを楽しむ」

 画期的なデザイン水槽「バイオーブ」でつくったアフリカン水槽のバリエーションだ。水槽は「バイオーブ・フロウ15」(幅30×奥行き21×高さ32㎝)を使用している。一番の特長は3方向のビューを実現したこと。1面を部屋の壁面側に設置すれば、省スペースで部屋の隅々から美しいアクアリウムを眺めることが可能となる。

 フィルターや照明器具などもデザインのなかに含まれたオールインワンスタイルで、見た目もすっきり。また、一般的なガラスよりも透過率の高い、丈夫なアクリルを使用しているのも特長だ。豊富な純正アクセサリーのなかからは、純正セラミックメディアのほか、風水モス、カラーボールを複数配置した。

 導入したアフリカンシクリッドは、プセウドトロフェウス(ムブナ)のミックスを豊富に。ムブナとはマラウィ湖の沿
岸の岩場に住む体長 10 ㎝ 前後の小〜中型アフリカンのグループ全体を指す現地語。イエローやブルー、ピンクなど、カラフルな魚が泳ぎまわる様子は、ナチュラルなインテリアとしても最適だ。

カメラ:佐々木浩之 Hiroyuki Sasaki
テキスト:平野 威 Takeshi Hirano
媒体:AQUA Style 10

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