2018.10.19

大人の趣味の為のライフスタイルマガジン「IN THE LIFE(イン・ザ・ライフ)」

イタリア、秘密の倉庫。「MAGAZZINO」

イタリアで質実剛健に出会う

 「秘密の場所がある、そこに僕と友人のクルマがあるんだ。是非、見て欲しい」。

 『VINTAGE LIFE』18号で取材した自転車メーカーTAURUS代表のミケーレと共に向かった場所は、ミラノ・マルペンサ空港からほど近い、とある場所。

 1908年に建てられたという、今はガランとし廃墟になりつつある繊維工場。そこで私達を迎えてくれたのは、1970年式の真っ赤なALFA ROMEO 1300 GT JUNIOR COUPE。だが、今回の主役はこのクルマではないようだ。

 我々を出迎えてくれたALFA ROMEOのオーナーは、ミケーレの友人であり、この工場の持ち主でもあるニッコロ。実はこのニッコロ、アルフィスタではなくポルシスタ(ポルシェファンのこと)。彼の父親はイタリアのポルシェ356クラブの会長を長年務めていたというから、ニッコロのポルシェ好きは父親の影響だろう。

 聞けばイタリアにはポルシスタが多く、いくつもの熱狂的なポルシェレジスタークラブがあるそうだ。ちなみに356クラブには約230人のメンバーが在籍しているという。そんな話をしながら、我々は倉庫の中に向かう。

出迎えてくれたのは真っ赤なアルファ

ミラノマルペサ空港からほど近い、1908年に建設されたというこの織物工場は、つい最近まで稼働していたというが、今は閉鎖されて無人となっている。

工場が稼働していた頃は、幅3.5メートル以上、長さ数十メートルの機械が何台も稼働していたというから、その広さは想像がつくだろう。そして今は、歴史を感じさせる広い空間だけが残った。

イタリアのポルシスタ達

 工場の敷地内にある倉庫の中で私達を出迎えてくれたのは、1970年式のPORSCHE 911 2.2S、そして1959年に21台のみが生産されたというPORSCHE 356A 1600 CARRERA G5 DELUX COUPE。

 ニッコロの家族は、このポルシェの他に何台ものポルシェを所有しているそうだ。ニッコロによればポルシェは「コレクターにとって、不安を与えない、安心出来るクルマ」だという。

 一方、ミケーレも筋金入りのポルシスタ。運転免許を取ってから今までに約20台のポルシェを乗り継ぎ、最近ではイタリアに20台しかないという1958年式のPORSCHE 356 A 1500 CARRERA GS/GT SPEED STERを手に入れたのだという。そして彼の息子もまた、ポルシスタなのだそうだ。

 2人のイタリア人ポルシスタが、歴史ある繊維工場の中でポルシェ談義に花をさかせる。それはほのぼのとした光景であると同時に、何か不思議な光景でもあった。

 二人によれば、フェラーリも良いけれど、丈夫で実用的なのはポルシェ。イタリア国内にはポルシェ専門のレストアショップも数多く、パーツも揃っているそう。ちなみに、本家のポルシェ博物館にもイタリアでレストアされたものがある。

 廃墟になりつつある歴史ある繊維工場。「できたらこの場所を、クラシックカーを並べられるような環境にできたらいいな」。ミケーレと共にドライバーズシートに座ったニッコロがポツリといったひと言が、印象に残っている。

1958 PORSCHE 356 A 1500 CARRERA GS/GT SPEEDSTER/
イタリアに20台しかないという、1958年式 PORSCHE 356 A 1500 CARRERA GS/GT SPEEDSTER。オーナーは、イタリアの自転車メーカーTAURUS代表であるミケーレ。彼もまた、熱烈なポルシスタであり、これまで20台ものポルシェを乗り継いでいるという。

テキスト:Yuko Noguchi
媒体:VINTAGE LIFE 19

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