2018.08.30

大人の趣味の為のライフスタイルマガジン「IN THE LIFE(イン・ザ・ライフ)」

われら、ロータリー仲間! 「the MAZDA ROTARY BUILD OFF...

マツダ・ロータリー車を題材に、プラモを思いっきり楽しんでみようじゃないか!

 2015年の東京モーターショーで発表されたマツダのショーモデル「RX-Vision」。マツダが掲げる「魂動(こどう)デザイン」のコンセプトを元に、世界一美しいFR車のプロポーションを目指して制作されたものだ。

 しかし、その美しいエクステリア・デザインには"クルマ好きを歓喜させる大前提"があった。そう、ロータリー・エンジンの搭載である。現状最後のロータリーエンジン搭載車であったRX-8が生産を終了してから4年近い歳月が経過した今、少々気が早いが、『モデルカーズ・チューニング』第2弾の巻頭特集は、ロータリーの復活を祝してテーマをマツダ・ロータリー搭載車としてみた。

 車種、年代、作風……まさに十人十色なFacebookのカーモデル・コミュニティ『Creativity(クリエイティビティ)』のクルーによる作品たちをお楽しみいただくと共に、是非、貴方のモデリングのインスピレーション・バイブルとしてもご活用いただきたい。

やっぱり俺たちはヤンチャなマツダが好きなんだ「MAZDA RX-7」

 『モデル・カーズ・チューニング 壱』、そして姉妹誌『モデル・カーズ』ほか、ラディカルなカスタムからファクトリーストック、そしてヒストリック・フェラーリまで幅広いジャンルをカバーする異色のモデラー、後藤祐介氏。ここではそんな彼と、実車の世界で活躍するやまざきたかゆき氏とのコラボレーションによる現代版街道レーサー的FDを紹介しよう。

 日頃我々は、プラモデルを改造する時にはプラ板やパテを用いて、自由に形状変更をしてしまう。なぜならそこに何の制約も存在しないからだ。それがプラモデルの醍醐味と言ってしまえばそれまでだ。一方、実車の世界でも同じことをしようと思えば、出来るかもしれない。しかし、それは途方もないコストがかかることは間違いないし、形だけを追えばクルマとしての機能を損ねてしまうことだってあり得る。

 そこで今回はプラモデルでありながら"実車脳"を使ったカスタム・モデルの制作にトライしてみることにした。ブレーンとして力を貸してくれたのは以前からの友人である実車カスタムの世界で活躍するデザイナー、やまざきたかゆき氏。彼はかつて自動車メーカーにも勤務し、荒唐無稽なドリームカーではなく、コストやクルマとしての機能にも意識を配ったデザインをする、真のプロフェッショナルである。

 今回のお題であるFDをモチーフに彼が描いてくれたデザインを見て驚いた。ラディカルにカスタムされてはいるが、ドアやルーフ等の構造体に関してはなるべく元のボディを残すために工夫されている。やまざき氏はそのコンセプトをこう語る。

「今回はベース車両をデコレーションするカスタマイズではなく、最低限のモディファイで、ベースモデルの魅力を最大限に引き出すことに留意しました。知らない人が見たら、改造車に見えない、自然でセクシー、普通に売ってそうな、そんなオーラを感じてもらえれば最高です。パーツ構成や造形も実車で問題なく再現できるよう配慮してあります。

『ビス止めオーバーフェンダートレンド』のネクストステージを提案するつもりでデザインしました。 もちろん、次は実車化を狙います。通常とは逆のパターンですね(笑)」

 彼がこだわったのは"純正感"。RX-8やfurai等、いかにも近年のマツダが作りそうなディテールを盛り込んでいる。さらにコンセプトをふたりで詰めていく過程で僕らが強く意識したクルマがあった。それは古(いにしえ)の名車、マツダ・サバンナRX-3である。

 言うまでもなくマツダ・モータースポーツの歴史において、ロータリーエンジンのポテンシャルを決定的なリザルトと共に、国内外に鮮烈に印象づけたクルマであり、FD3Sの始祖にあたる1台。グリルセンターのエンブレムや、アクの強い、いかにも'70年代のマツダが好んでいたランプ類のディテールはこのカスタマイズドFDが「サバンナ」と血縁関係にあることを思い出させてくれる。

 ランプ類といえば今回流用したのは新型コルベットC7のヘッドライトとテールランプだった。ここも実車デザイナーのノウハウが反映されている。ファイバーやカーボンのボディパーツと違い、レンズ等のガラスや樹脂部品の自作はとてつもないコストを必要とするため、他社種の純正品を使うのである。

 そして何故コルベットの部品だったのか。それはかつてSA22C時代にコルベッティという RX-7ベースのC3コルベット・スティングレイのレプリカがあり、また後のC5コルベットは発表時にFD3Sの模倣と揶揄された。軽量かつ理想的な重量配分とV8も霞むような暴力的ロータリーパワーにコルベットを思わせるカウル・インダクションフードと流用ライトを得て長きに渡る因縁にケリを付けさせよう、と。

 '70年代のR X- 3の街道レーサーを想起させるライムグリーンのボディにカーボンブラックのフード、ビタローニミラー、そして大径20インチとなったスピードスターMK-IIIホイール。それらを備えて低く身構えているFD3S。「サバンナ」の名は失えど、大パワーレシプロを狙撃するロータリーの血統は現代のカスタムシーンにおいて一線を走るやまざき氏にとっても魅力的であったのだ。

 RX-Visionは確かに美しいが、少々淡麗過ぎやしないか。往年のマツダファンにとっては少々アクが強いくらいが、マツダ言うところの「魂動」、すなわち魂を揺さぶるデザインなのではないのか、そんなメッセージをここに籠めてみた。

ヴァーチャルの世界から呼び出されたハンドメイドの結晶

安定感溢れるワイド&ロー・フォルム

五角形のフロントグリルは近年のマツダ車のデザイン・マナーに則りながら、往年のRX-3へのリスペクトをも籠めたもの。リトラクタブルからC7(第7世代)コルベット用の固定式に改められたヘッドライトによって、視覚的な重心が下がり、安定感が一層増している。

コーダトロンカ処理で、より精悍に変化

テールライトはヘッドライト同様、レベルのC7コルベットのパーツを流用する。リアバンパーおよびテールライトハウジング部分は実車と同じ分割線で切り離され、そこにあらたにコーダトロンカ調のリアパネルをセットして、すっきりとしたリアビューを演出。

テキスト:Yusuke GOTO(後藤祐介)
媒体:モデル・カーズ・チューニング 弐

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