2018.09.14

大人の趣味の為のライフスタイルマガジン「IN THE LIFE(イン・ザ・ライフ)」

ロータリーエンジンと宇宙的スタイルを携えて現れた未来からの使者「MAZDA CO...

マツダ初のロータリーエンジン搭載車として、1967年に登場したコスモスポーツ。その革新的メカニズムを暗示するかのようなスタイリングは、日本人デザイナーの手によるもので、フェラーリのエクスペリメンタル・モデルの影響を感じるものの、当時の日本車としては図抜けてモダンで個性的であった。1968年には走行安定性の向上を目指してホイールベースを150mm延長し、フロントグリルを拡大して冷却性能を向上させた後期型にスイッチされ、トータルで1,100台あまりが生産された。プラモデルでは1/24に関しては日東が前期型を、ニチモとハセガワがそれぞれ後期型を発売している。ナカムラ、ナガノなどが1/20でフルディテールキットをリリースしていた。

ニチモらしい秀作キットをより魅力的に

 ベテラン・モデラーの鴨居さんが制作したのは、ニチモ1/20のコスモスポーツ。同シリーズではモーター内蔵の積み木のようなエンジンが云々されることが多いが、このキットではモーターライズ用とは別にディスプレイ用のスマートなエンジンパーツが用意されていた。

 鴨居さんの作品では、そのエンジンにキットのプラグコード以外の配線をさらにプラスしてディテールアップを行っている。ドアなど開閉部のチリ合わせに注力したとのことで、その甲斐あってクリーンな仕上がり。

丹念なディテール工作でみなぎる実車感

 クラシックなアイボリーホワイトのボディが美しい、ハセガワのマラソン・デ・ラ・ルート仕様。ほぼボックスストレートであるが、さかつうのリベット類やエッチングワイパーを奢り、細部まで丹念に塗装することによって、高いリアリティを実現。アメリカ車のキットを作りなれたビルダーらしく、窓枠周りのクロームフィニッシュのクリーンさが印象的な作品に仕上がっている。

子供たちのヒーローになったアイドル的存在

プラモデル制作のお手本的な清潔感あふれるフィニッシュが印象的な作品。一見ボックスストレートだが、ルーフ前端につくアンテナ留めの作り直しや、なおざりにされがちなフェンダーミラーのペイントなど、ディテールへの注意も抜かりない。

模型の世界を飛び越えて、観る者の郷愁の念を駆りたてる

 今回、唯一のジオラマ作品を制作したのは大蔵友人さん。背景のトタン家屋や古い看板、ドラム缶などはすべて自作したもので、枯れた草木の秀逸な表現と相まって、現実世界と錯覚させるようなリアリティを見せ、観る者の感情に訴えかけてくる。まさに作者の想像力の賜物と言えるだろう。また朽ち果てていくであろうクルマ自体の工作も素晴らしく、錆びてしかるべき部分へのサビ表現、また透明パーツの濁りなどの表現が目を惹く。

1990年代のハイテック・ムーブメントを彷彿させる個性的フィニッシュ

 1990年代にアメリカのボイド・カディントン率いるHOT ROD by BOYDが先鞭をつけたハイテック・ムーブメント。クロームパーツを廃し、アルミの無機質な質感を組み合わせることで近未来感を演出したスタイルだが、そんなアプローチをコスモの宇宙的なスタイリングにドッキングさせたのが本作例。車体を低く、薄く見せるためのローウィンドシールド化や2トーンの塗り分けなどは、当時を知るベテランモデラーだからこそなせるフィニッシュだ。

近代的テイストを採り入れた速い旧車をイメージ

 実はFDとの連作となる藤岡さんのコスモスポーツ。FDが息子、こちらはその父親のコスモスポーツという設定だそうだ。アメリカで人気の旧車に現代的なパワートレインを組み込んだプロツーリングを意識して、13Bターボ搭載を想定し、そのパワーを受け止めるためにブレンボ、18インチのグラムライツを奢っている。ボディカラーは昨今のマツダのテーマカラー、ソウルプレミアムレッドをメタリックレッドとクリアーレッドの2コートで再現。

旧車とロケットバニーの見事なコラボレーション

 コスモスポーツにロケバニフェンダーというアイデアもさることながら、アクの強いコスモスポーツのデザインに、ビス止めのフェンダーを馴染ませたビルダーのデザインセンスに敬服したくなる作品。

 フロントはバンパーレスとしながら、エアインテーク形状の造形の巧みさで"のっぺり感"は皆無。ボリュームの増したフェンダーとの視覚的バランスを取るべくダックテール化されたリアエンドなど見どころ満載だ。ボディ色を'60年代的なツートンとしたのもポイントが高い。

大改造を感じさせない、それこそが最大の賛辞。

 「コスモスポーツにZ4の下半分がくっつきそうだったから作りました」。

 ビルダーは制作コンセプトを事もなげにそう記すが、スキルがなければ到底思いつかない発想である。とにかく本作品を見て感心させられるのは、コスモスポーツとZ4のボディの接合個所がまったく分からない点にある。また接合個所も通常ならばパテあるいは瞬着などの表面の波打ちや肉痩せなどが見られるものだが、仔細に眺めてもその形跡を発見するのは不可能に等しい。塗装の美しさも圧倒的だ。

 現実的にはGTカーとコスモスポーツの融合など有り得ないにも関わらず、リアリティは驚くほど高く、説得力もあり、何よりもカッコイイのである。

細部にいたるまで何ひとつ破たんしていない

 ボディ上面こそコスモスポーツの面影が残るが、ボディサイドは完全に別物だ。圧巻はZ4GT3のフェンダーをコスモのイメージを損なうことなく融合させたフロントフェンダーの造形にある。ディフューザーやウィングとのバランス感も見事である。ロールケージもコスモのキャビンに合わせて組み直されている。ホイールはアオシマのアドバンレーシングGTを5穴からセンターロックに改修してセット。タイヤはタミヤのポルシェ993GT2用のスリックを流用している。

カメラ:服部佳洋 Yoshihiro-HATTORI、横澤靖宏 Yasuhiro-YOKOSAWA
媒体:モデルカーズチューニング 弐

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