2018.06.20

大人の趣味の為のライフスタイルマガジン「IN THE LIFE(イン・ザ・ライフ)」

歴史遺産を保有するコレクターが特に大切にする1台「1928 H-D JD」

ひとづてに開かれる道。静寂に包まれた草原に佇むJD。 東海岸特有の秋風に包まれてのあの撮影は、神様からのプレゼントだったに違いない──。

「今から10年ほど前、地元では知る人ぞ知るクルマのコレクターが亡くなって、エステートセール(遺品処分)が開催されると聞いてね。フラッと訪れた会場の一番奥、ガラクタの下に埋もれていたのを発見し掘り出したのがこいつだよ」。

 TODD MICKINAK──彼もまた東海岸のとある街に生きる無類の旧車狂で、複数台所有するヒストリクスの中でも特に大切にしているのがこの1台。秘蔵のJDの撮影を本誌のためならと快諾してくれたジェントルマンである。

 蛇足だが、彼のようなマニアはそもそも雑誌に載ることに興味はなく、運良くスワップミートなどで出くわしその場で撮影することは可能だとしても、見ず知らずの人間を自宅ガレージに招いて撮影に協力することは絶対にない。歴史遺産を保有するコレクターならなおさらで、信頼する仲間のエクスキューズがあってこそ取材は実現する。

「埃にまみれていたが目を凝らして仰天したよ。サビこそ浮かんでいたが、シートメタルには工場出荷時のオリーブグリーンが残る正真正銘の1928年のJDだったからね」。
 
 トッドが聞いたハナシでは、オーナーはクルマのみならず大のバイク好きで、生前はたくさんのコレクションがあったそうだが、最後まで手放さなかったのがJDだったという。

「こいつを譲り受けた時、エクストラパーツと共に前オーナーが1962年に撮影したとい1枚の写真を渡された。今とほぼ変わらぬこの28JDが写っていたよ──」。
 
 それは東海岸特有の秋風に包まれての撮影だった。やわらかな西日を受けるいにしえのH-D。静寂に包まれた草原での夢のようなひととき。あれはモーターサイクルの神様からのプレゼントに違いない──。

ROLLER magazine VOL.15

TODD MICKINAK
ここで紹介したJD以外にもナックル/ハイドラ/デュオグライド/ジェネレーターシャベルなどH-D歴代のアイコニックをコレクトする熱狂的なH-D信者。その実態は物静かなジェントルマンだ。

28度のキャスターアングルを持つシングルクレードルのリジッドフレームにスプリンガー、F20/R18のホイールにF3.85 ×20/R4.00×18のタイヤをセットアップ。ちなみにフロントブレーキが採用されたのはこの年式からだ。

吸気OHV/排気SV機構のF-HEAD(通称ポケットバルブ)エンジンは、ボア3-7/16×ストローク4”で排気量74ci。キャブはSCHEBLER社のDELUXEを装備する。参考までにエコノミーモデルのJは排気量61ciに設定された。今から87年前、昭和3年に生産された1万1,007台のうちの1台である。

右ガソリン/左オイルのセパレートタンクフットクラッチ/ハンドシフトの3変速。スピードメーターはCORBIN製。

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