2019.01.18

大人の趣味の為のライフスタイルマガジン「IN THE LIFE(イン・ザ・ライフ)」

20日で作った!奇跡のカップ・レースカー「MAZDAMX-5」

タミヤの新型ロードスター(ND)のキット、おそらく手にされた方の多くがその出来に驚き、モデリング・プランを練っている、あるいはすでに完成させていることと思う。ここでは、Creativityクルーの吉田史洋さんが、試作キットベースながらわずか20日間で完成させた、NDのワンメイク仕様の全貌をお見せしよう。

ノーマルとは一線を画す圧倒的な存在感

 マツダ(ユーノス)ロードスターというクルマの魅力。数え出したらそれこそキリがないが、そのひとつに"イジって楽しめる"ということがある。街中で遭遇する歴代ロードスターたちは、完全なまでにオリジナルという個体は少なく、何らかのモディファイやカスタムが施されている場合がほとんどだ。

 それはまたプラモデルにおいても然りである。初代(NA)は国内仕様と北米仕様がタミヤから、北米仕様がアメリカ・レベルから、2代目(NB)はアオシマ、3代目(NC)はフジミ、そして現行型(ND)がタミヤから発売となったのだが、ボックスストレートで組むというより、それをベースにカスタムプランを思い描いているビルダーの方が多いように思える。

 ちなみに、本当に歴代ロードスターのキットはどれも名作揃いで、4メーカー4様のアプローチがなされながら、すべて並べても遜色ないリアリティと好プロポーションを誇っている。しかし、その反面、キットの完成度が高い分、足回りなどはいい加減な改造を施したりすると、途端にリアリティを損ねたりするので、丹念な作りこみが要求される。

リアルなシャシー表現にも注目!

 2015年末に発売されたタミヤのNDロードスターのキット。成型色は白、黒、クリアーの3色でヘッドライトやテールライトのリフレクターはメッキパーツとされている(写真は試作品のためメッキ部品は含まれていない)。またエンブレム類やドアミラーのミラー面にはメタルインレットシールを採用し、ウィンドシールド裏側のブラックアウト部を塗装する際に便利なウインドウマスキンステッカーも付属している。

 ハンドル位置は右と左が選べ、ダッシュボード、ワイパーカウル、ワイパーの左用、右用がそれぞれ準備される。実際に人間をスキャンして原型が作られたリアルな女性フィギュアも、完成後のディスプレイ時に効力を発揮する。

 さて、ここに紹介するのは、まさに丹念な作りこみの積み重ねで存在感を増した『Creativity』ではお馴染みのビルダー、吉田史洋さんの手によるタミヤ改、『MX-5カップ・レースカー』である。実車を知る方ならば、まずその完成度の高さに目を奪われるであろうし、知らなくともこの作品が弊誌『model cars』誌面掲載用として締切までわずか20日間で作られたと訊けば、驚きを隠せないはずだ。

 MX-5カップ・レースカーは今後グローバルで開催されるNDロードスターを使ったワンメイクレース用車輌であるが、つぶさに調べていくと一見ノーマル然とした印象だが、相違点が少なくないことに気づかされる。吉田さんは制作開始時のことをふり返る。

 「改造箇所が多く、しかも制作期間はぎりぎり、自分のスキル等と照らし合わせても、作例依頼は受けたものの、当初は初めての作例制作ということもあってかなりの緊張と重圧を感じていました。それでもとりあえず手を動かさないと進まないと思って制作を始めました」

 しかし、制作を進めるにあたって、キットの素性の良さ、自身もかつて長らくNAロードスターを所有した経験などもフィードバックされて順調に作業は進んでいく。

 「タイヤやホイールをあてがってるうちに、キットの出来の良さに引っ張られるようにどんどん楽しくなり、制作途中の"こんなんどうやって再現しよう?"といった壁にぶつかっても、自分でも驚くような集中力が発揮できたようで、今まで考えたことも無いようなアイデアが浮かび、その壁を越える度にまたテンションが上がりました。

 完成前一週間くらいは夜中の2時、3時まで作業してましたが、それも苦にならず最後まで楽しく制作できました。あっという間の3週間でしたね。自分で言うのもなんですが、今まで趣味で作った作品のレベルを超えることが出来たんじゃないかと感じています。なんせ自分で作ったにもかかわらず作品にオーラを感じましたから(笑)」

 そんな作品は改造作品でありながら、タミヤの同キットのプレス発表の場にタミヤ・ワークス制作の完成見本と並ぶなど、多くの人の目にふれることになったのである。

HOW TO MAKE 〜カップレースカーが出来るまで〜

EXTERIOR

今回のモディファイポイントは、大きく分けてディフューザーなどの空力パーツ、車高の適正化、タイヤ&ホイールの変更、ロールケージの制作、カラーリングがあげられる。タイヤ&ホイールをのぞけば、すべてワンオフ作業で制作されたもの。

TIRE AND WHEEL

ホイールに関して、実車は4穴だが時間的な制約もあり、5穴のフジミのBBS RG346を使用した。タイヤに関してはハセガワのラリーカー用を流用、タイヤ側面のロゴはA-one製転写シールを使用している。

INTERIOR

実は外装以上に改造箇所が多いのがインテリアである。まず一番に目を惹くのがロールケージだが、タミヤの曲がるプラ棒や通常のプラ棒を駆使して現物合わせで制作。またフロアに敷かれたフロアプレートや、幌の取り除かれたパッケージトレイ周辺の造形、セーフティネットほか、模型用ではない素材を巧みに用いて再現されている。

CHASSIS

足回りのリアリティを犠牲にせずに、1mmほどロワード。説明書では黒一色に塗りつぶす指定のストラットは形状の良さに惹かれ、RSグレードに標準のビルシュタイン風に塗り分け。マフラーは純正では大きなサイレンサーが一体成型で付くが手前のフランジ部でカット。ピンバイスで穴開け、1mmプラ棒を差し込んでダボをつくり、そこに3mmプラ棒を熱で曲げたマフラーエンドを接着。シャシーのリアリティはこのキットの魅力だ。

カメラ:服部佳洋 Yoshihiro-HATTORI、横澤靖宏 Yasuhiro-YOKOSAWA
媒体:モデルカーズチューニング 弐

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