2018.10.11

大人の趣味の為のライフスタイルマガジン「IN THE LIFE(イン・ザ・ライフ)」

パリ、デザイン蚤の市「LES PUCES DU DESIGN」

 とある5月、パリのエキスポ会場にてデザイン蚤の市が4日間開催された。春と秋に定期的に開かれるこの蚤の市、店舗を持たないヴィンテージ家具のディーラーも欧州各地から集まるだけに、デザイン家具のコレクターには外せない大事なイベントである。

 会場は大きく2つに分かれ、ヴィンテージデザインとその延長にあるコンテンポラリーデザイン家具の展示販売がある。家具だけではなく、ヴィンテージ・モード、創造性あふれるデザイナーの試作品のミニ店舗なども楽しめる。

 蚤の市のディーラーというと、露店の奥に座り込んだ怪しげな風貌のおじさんを想像しがちだが(失礼!)、実際はおしゃれな若者が多い。Relax Factoryのオーナー、ジャン・バティスト氏はマルセイユからの参加で、タペストリー(織物)を美大で勉強し、ヴィンテージの椅子などのレストアを扱うところからショップオーナーになったという。ヴィンテージデザインの魅力にはまり、仕事にした経緯は様々。

デザイナーの意思を継いでレストアされたオブジェ達

「COPIE ORIGINALE」というメッセージ付きの赤テープを偽物に巻きつけたアート・パフォーマンス。STUDIO 5.5の作品。偽ブランド流通による欧州の経済損失は大きいという。

aauthentiksが出品するJean Prouvé (ジャン・プルベ)のデザインしたデスクは、脚がコンパスの形状をしているのが特徴。1953年に製造。

コピー? それともオリジナル?

アンティーク時計のブースも発見。ショップのオーナー、Emmanuel HAZON氏のオススメはこのオメガ・コンステラシオンz。

 デザイン蚤の市が常に取り組むテーマは、市場に出回る偽物である。フランスには、「偽ブランンド博物館」という、ありとあらゆる偽物がホンモノの横に比べるように展示されている珍しい博物館が存在する。それほどにフランスが被る偽ブランドによる経済損失は大きいといわれる。

 デザイナーが創り出したデザイン家具には工業製品であれ、作家の没後最低20年間は著作権が発生する。こういった事情を知らずに偽物を購入してしまった消費者は、税関で見つかり次第、品物を没収され破壊される。

 こうした偽物はもちろん、安全性も不確で粗悪品が多い。この先、消費者への注意喚起も行いデザイナー達が安心して創造力を発揮し、新しい作品を世に出していける環境を消費者とともに展開していくのが、このデザイン蚤の市の真の志ともいえる。

この夏からフランスのナント市に大きなショップをオープン予定のVincent RIOT氏のブース。特大サイズのペアのL型ソファーは70年代のEnnio CHIGGIOのデザイン。

アルミニウムの彫刻から数々の斬新なランプのデザインを生み出したMax SAUZEの息子が手がけるショップ、Ekilux。画像のOrionはベストセラーとなったうちのひとつ。

カメラマン: Osamu Yajima
テキスト:Lelia Sakai
媒体:VINTAGE LIFE 20

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