2018.10.18

大人の趣味の為のライフスタイルマガジン「IN THE LIFE(イン・ザ・ライフ)」

静岡の地から、"遺す文化"を提唱する。「KENT Co., Ltd.」

 1930年代を中心に、旧くは18世紀から20世紀までの様々な年代のアンティーク家具、英国の雑貨、家具のリペア用品の展示・販売。メンテナンス待ちを含めた、大量のストックストレージ。職人の手作業が中心となるメンテナンス・ファクトリー。英国の郊外にあるアンティークマーケットを訪れたかのような錯覚に陥るこの場所は、「KENT STORE SHIZUOKA」である。

 卸や一般販売など、業者からエンドユーザーまで、アンティーク家具好きにその名が知られている「KENT STORE」。その本店であるこの場所で、お気に入りの家具を探してみよう。

一歩足を踏み入れると、そこはアンティークの世界

技術力と大量のストック

18世紀の中期の、オーク材を使用したレフェクトリーテーブル、185万円(取材当時)。冒頭のテーブルはロイヤルオーク社のハンプトンダイニングテーブル、185万円(取材当時)。共に本体価格。

  "良い家具は使い捨てではなく、修理しながら次の世代に受け継がれていくべき"という「遺す文化」を提唱する「KENT STORE」。その想いを実現するために、2002年に創業。その創業の地として選ばれたのが、静岡であった。

 静岡は、家具や楽器などの生産が盛んで、腕の良い木工職人が多い土地柄。その静岡の地で、アンティーク家具をジャパン・クオリティでメンテナンスし、販売する。創業当時からの想いは、2度の移転を経てオープンした静岡本店のファクトリーでも続いている。

 このファクトリーには木工・塗装・フィッティング・アップホリスタリー・ポリッシャーなど、20代からベテランまで在籍。その工程は手作業がメインとなり、英国アンティーク家具ならではのスタイル・風合いを損なわないようにメンテナンスが行われる。さらに現在の仕上がりだけでなく、ニスやラッカー(再塗装することが可能)などといった塗料のセレクトなど、次世代の職人がメンテナンスを行うことまでも考えた「遺す文化」に沿った作業が行われている。

 静岡本店では、このファクトリーで丁寧にメンテナンスされたアンティーク家具を購入することも可能なうえ、ストレージには未修理のものを含め約10,000アイテムにものぼる大量のアンティークがストックされている。例えばその中からお気に入りの家具を選び、風合いはそのままで脚だけの調整、座面のみの張り替えなど、ユーザーに合わせたリペア・メンテナンスも可能となっているという。また、そのストック量から、同タイプのものを複数個セレクトすることもできるため、飲食店などの商業施設からのオーダーも多いのだという。

約15名の職人が、手作業を中心としたメンテナンスを行っているファクトリー。写真は木工スペースだが、他に塗装のためのスペースも用意されている。

ショールームには、ディスプレイ用となるタイプライターやミシンなども大量に展示。その他、雑貨やリペア用のアイテムなども豊富に用意されている。

時が経過して再びメンテナンスが必要となった際も再塗装できる様に、ニス塗りはもちろん、風合いを残しつつ塗膜の強度を高めたラッカー塗装も可能。

216脚が実る、ベントウッドツリー

アンティークを手に入れる幸せ

アンティークのウィングチェアをベースに、壁紙やカーテン生地でも知られている、英国の芸術家ウィリアムモリスの生地「Forest」を全面に張って仕上げられている。32万4,000円(本体価格、取材当時)。

ガラスを配した扉がセットされた、ブックケース。この時代に流行したアカンサスの装飾が施され、脚はバルバスレッグとなっている。奥行が290mmと使いやすいサイズ。18万5,000円(本体価格、取材当時)。

10,000ものアンティークと過ごす空間

ショールームは数フロアにわかれ、それぞれテーマにそったディスプレイがなされている。10,000ものアンティークを中心としたアイテムが一度に見られるのも、静岡本店の魅力となっている。

 厳選されたアイテムを展示・販売するショールーム、東京目黒店を有する「KENT STORE」。静岡本店のショールームは、クオリティと合わせ、さらに圧巻の物量で訪れる人を驚かせることになる。

 冒頭にも記した通り、静岡本店には1930年代を中心とした家具の他、様々なアイテムが1,2階のショールームにところ狭しとディスプレイされる。そのショールーム全てが、見どころとなっているが、中でも圧巻なのは200以上のベントウッドチェアがディスプレイされる通称"ベントウッドツリー"。ここに訪れた人は、その迫力に圧倒されることになるハズだ。

 それこそ一歩進むごとに様々な発見がある静岡本店のショールーム。ストレージの数千に渡るアイテムも見学可能となっているので、アンティーク好きならば、ここに入った瞬間から、時がたつのも忘れてしまうことになるだろう。

Photo & Text:Hiroyuki Kondoh
媒体:VINTAGE LIFE 20

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