2018.06.29

大人の趣味の為のライフスタイルマガジン「IN THE LIFE(イン・ザ・ライフ)」

たった53台しか生産されなかった、幻ともいえる一台「1943 H-D EL/SP...

最も"レア"な年式のバーンフレッシュ。世界中に飛び火した戦闘の最前線に送られる米陸軍のWLAの製作に追われ、民間機の製造が極度に落ち込んだ43-45年のH-D。 歴代のナックルで最も少ないのが1943年式だ。

根強いファンを従える排気量61ciのOHVエンジン。パンチのあるホットモデルとして1941年にラインナップに加わったF系は74ciに設定された。

 アーミーモデルWLAの生産が25,000台超とピークに達した1943年、同年式のナックルヘッドはE/F系を合わせてもわずか200台に満たなかった。この数字からもわかる通り、1943年式のOHVモデルは、生産台数でいえば1936年から47年まで製造されたナックルヘッドの中で最も"レア"な年式である。
 
 ご覧のナックルはまさにその43年式で当時生産された53台(!)のELの1台。いかにもバーンファインドといった迫力の出で立ちだが、アウトフィットを彩るライトグレーはファクトリーオリジナル。物資が不足した戦中モデルならではの色彩である。
 
 オーナーのダニーはヴィンテージバイクのレストアラーとして70年代からキャリアを重ね、その一方でピリオドパーツをコレクトし続ける旧車狂。"本場アメリカの"という前振りを差し引いてもそのコレクションは圧倒的、文字通り"筆舌に尽くしがたい"規模だった。
 
 12歳でバイクに乗り始めたダニーは、15歳の時友人の父親の1956FLHに乗り、H-Dの洗礼を受ける。その2か月後にオリジナル1949年式のハイドラを手に入れ数年乗った後にチョップ。以来飽きることなく、オールドH-Dが常に身近にある生活を送ってきたという。

「フラット、ナックル、パンヘッド。この3機種を全年式揃えるのがゴールだ」

というダニー。ちなみにそのゴールまであと数台に迫っているというから驚きだ。

「3機種をコンプリートしたら? シャベルの全年式に挑戦するよ」。現在100台超を所有するダニーは、そう遠くない未来に夢のミュージアムをオープンさせる予定。圧巻のクレクションが見れる日も近い! 本場のコレクター、恐るべし─。

DAN ARMSTRONG
アートコレクターでもあるダニー、自宅には壁面が見えないほどの絵画で埋めつくされ、様々なスカルプチャーも多数。曰く、「モーターサイクルのコレクトは趣味であり仕事。幸せな人生だよ」。

1980年代、ニューヨーク州ローチェスターにある東海岸で一番大きなパーツカンパニーの社長から譲ってもらったという1943EL。生産台数では30sナックルよりも希少である。

Photographs:Ken Nagahara
Text:Gonz (満永毅)
媒体:ROLLER magazine vol.15

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