2018.09.25

大人の趣味の為のライフスタイルマガジン「IN THE LIFE(イン・ザ・ライフ)」

アメリカ流 フィルソンとの付き合い方「Life with FILSON」

前回に引き続き、ワシントン州の自然とフィルソンのモノづくりについてレポート。何故この地で生まれ、何故120年もの間アウトドアマンに愛されているのか。今回はアメリカならではのフィルソンとの付き合い方について掘り下げていく。

Michael Williamsさん/
NYを拠点としてフィルソンのPRを行っているマイケルさん。インスタグラムのフォロワーは何と7万人もいて、そのファッションやライフスタイルは常に注目の的。フライフィッシングも愛する生粋のフィルソンガイだ。

森に囲まれた優雅な宿で大自然を満喫!

フィルソンのプレスチームが用意してくれたフィッシングツアー取材を終え、つかの間の休日を得た我々は一路マウント・レーニアへ向かった。

 ワシントン州の自然を語るうえで欠かせないのが、標高4,392m西海岸最高峰の山、マウント・レーニアだ。この霊峰はアメリカ最大の氷河を有し、山頂は一年中雪に覆われたままなのだという。日系人からはその雄弁な姿がまるで富士山のようだと、『タコマ富士』と呼ばれて親しまれている。

 その裾野に広がる国立公園へは、シアトルから車で2時間の距離なのでワシントンに来たならば是非立ち寄るべきだ。我々は山を見ながら辺りをドライブするというステレオタイプの観光をしただけなのでその話は割愛するが、豊富な雪どけ水が作る迫力のある滝や澄み渡った湖、原生林の森に心奪われたのだった。

 レーニア山の裾野には世界遺産の温帯雨林が広がり、夏はハイキングや避暑にやってくる人々でにぎわっている。石を投げれば洒落たロッジやホテルに当たる気もしたが、我々はキャビン一棟一棟が森の中に建てられている隠れ家的ロッジ『ウェルスプリング スパ(http://wellspringspa.com/)』に一泊することに決めていた。

 同施設内には2つの露天風呂があり、森林浴しながら湯に浸かることが出来るし、敷地からはトレイルコースが伸びているので気軽に大自然を満喫できる。だらけてて良し、動いても良し。ビールがあればなお良し。この宿では何をしたって癒しとなるのだ。

受付にはスパの予約を書き込むのであろう黒板と、部屋のキーが入った封筒。キーの隣には、自由に楽しんで! とのウェルカムメッセージが添えられていた。

マウント・レーニアの麓で過ごす休日

マッキノー・ウールとオイルフィニッシュ・ティンクロス。ブランドを代表する素材を組み合わせて生まれたマックティンクルーザー。裏地がフランネルで着心地も◎。

我々が泊まった「Tatoosh Loft」は、石造りの暖炉がある、ゆったりとしたロッジ。行ったのは夏だったが、夜は摂氏10度以下となるので火をつけて温まった。

ベテランシューターに教わるクレー射撃

ROD & GUNはフィルソンガイの嗜み。ワシントン州の真ん中、ヤカマ周辺に広がる荒野にショットガンの銃声がこだました。

ブローニングの上下二連銃を携えて射撃の楽しさを教えてくれた、ガイドのガイさん。やけた肌にフィルソンがよく似合う。

 アメリカは凄い。日本ではライセンス無しには銃を手に持つことさえ許されないのに、このアウトドア大国では銃に火薬を詰めてクレー射撃までさせてくれる。

 前回はヤカマ・リバーでのフライフィッシングをレポートしたが、その時にガイドを務めてくれた「Red's Fly Shop」は、実は射撃やハンティングのガイドツアーも行っているのだ。過激な射撃場ではマシンガンやアサルトライフルを撃たせてくれる所もあるが、Red'sではアウトドアアクティビティの一環としてゲーム性のある、散弾銃によるクレー射撃ツアーを用意しているのだという。

 「銃の事故の35%は家で起こっている。つまり銃を使わない人や子ども達も事故にあう可能性は0とは言えないんだよ。このツアーは射撃の楽しさを知ってもらうと同時に、遊びを通して銃の取り扱いについて学び、危機管理意識を高めてもらう事も目的としているのさ」

 我々をガイドしてくれたガイさんはシアトルから通っているシティハンターで、クレー射撃初体験の参加者にも優しく指導してくれる。

 Red'sが管理している射撃場と猟場は、合わせて1,000エーカー(東京ドーム約87個分)。クレーの発射台は自然のフィールドを活かして作られており、素人からベテランまで楽しめるよう工夫されていた。

ここはマガモのような軌道を描いてクレーが飛ぶ初級コース。難易度は様々用意されている。

ヴィンテージを再構築して生まれる、新しいフィルソン

資源を大切にするとともに、経年変化した質感が楽しめる「ヴィンテージ・レストアシリーズ」。フィルソンの想いが凝縮された各一点限りの銘品は、シアトルの直営店で作られている。

クレアさん(左)がフィルソンで働こうと思ったのは、エヴァンさん(右)に愛用のリュックサックを修理して貰ったのがきっかけだとか。お二人はモノを大事にしたり、古いものから新しい価値を見出す作業が楽しいと話していた。

 アメリカ本国のみであるが、フィルソンは製品に対して「A LIFE TIME GUARANTEE(生涯保証)」を謳っており、(有償・無償は程度によるが)古いものでも購入した本人であれば破損したなら修理、もしくは新しいものと交換してくれる。それは同社のモノづくりの象徴ともいえる活動で、長い間ユーザーから支持される一つの理由となっている。

 そして、その保証制度で新しいものと交換される事になった壊れたバッグは、その後廃棄されるかというと、そうではない。壊れるまで愛用されたバッグにフィルソンは敬意を表し、解体したり修繕をおこなって、「ヴィンテージ・レストアシリーズ」として新しい命を吹き込むのだ。

 昨年リニューアルしたシアトルのフラッグシップの店内には、修理及びレストア商品を制作するアトリエがある。そのスペースは入り口に設えてあり、来店したお客さんは如何にフィルソンの商品が愛されているかを窺い知ることが出来る。

 「僕たちは店内で作業しているので買い物に来たお客さんとよくお話をするんです。年配の方からは昔のフィルソンの話を聞けたり、今日は息子に服を買いに来たんだという話も聞くことがあります。リペアの仕事をしていると、フィルソンは親から子、そしてその子供へと、何代にも渡って長く愛されているんだなぁと、常々感じさせられますね」

 使い古された製品をカスタムして販売、次のお客さんに後を引き継いでもらう。ヴィンテージ・レストアシリーズはフィルソンの歴史を感じさせる素材を使いながら、新しいデザインも加えて展開。ブランドの世界観に奥行きを持たせている。

解体した部材を改めて縫製。レザーは過去に開いていた縫い目の穴に針が落ちるように調整して縫う。

これぞアメリカ製! 質実剛健なモノづくり

フィルソンの工場は全米で4か所。なかでもシアトルにある2つの工場ではその半分以上の生産を担う。ワックスドキャンバス、ラギッドツイル、マッキノーウール、レザーetc...。フィルソンのヘビーデューティーなアイテムは、最上級の素材を使って最上級の工場から送りだされている。

シアトルではバッグや小物などを中心に製造。最近ではオールレザーのバッグも増えているので、レザーのストックは山のように用意されていた。

 フィルソンがヘビーデューティーたる所以を知りたければ、一度シアトルのフラッグシップショップの1階にあるファクトリーを覗いてみることをお勧めする。実はフィルソンでは毎週木曜日の午前と午後の2回、一般のお客さん向けにファクトリーツアーも開催しているのだ(http://www.filson.com/tours/)。

 長年続くアウトドアクロージングメーカーで現在も国内の自社工場で製造しているという事自体珍しいのに、更にその工場を一般公開してしまうというのはごく稀なケース。彼らがいかに誇りをもって商品づくりをしているかがそれだけで伝わってくる。

 実際にファクトリーツアーに参加すると、ヴィンテージものの力強いミシンを使う一方で、最新のレーザーカッターを導入するなど、顧客にとって最良の方法で柔軟にモノづくりをしていることに気づかされる。また、製品開発の部署も工場内にあり、フットワーク軽くサンプル作りを行っている風景も見てとれた。

 『どうせ持つなら最高のものを』――創設者CCフィルソンが熱心に語っていたその言葉は、今なおポリシーとして受け継がれている。扱う天然素材はすべて最高品質のモノを使用し、各工程のプロフェッショナルが集まって一つの商品を作り出す。そうして維持される"本物のクオリティ"はブランドの基盤となっている。

小物に使う革を切り出すクリッカー油圧裁断機。各工程に専属スタッフが就きラインごとに製造することで、商品のクオリティをキープしている。

各工程を経て完成したバッグ。レザーやコットンといった天然素材を用いて作られたバッグは、使っていくうちに味わいが増してくる。

日々アップデートされるクラシックスタイル「PRODUCTS」

フィルソンがクロージングと同じくらい力を入れて作っているのがバッグ類である。
長年の使用に耐えられるタフさと、デイリーに使える機能性。彼らはその両方を備えたものだけを世に送り出している。

奥青色:SMALL PACK/
フィルソンの世界観をライトに表現した、マットなナイロン素材のデイパックが登場。素早く荷室にアクセスできるドローストリング仕様で、内部には取り外し可能なウール素材のポケットも付属。服装を選ばないグッドデザインだ。

中央左側:PADDED COMPUTER BAG/
15インチまでのノートPCが入る、パッド付きのポケットを内蔵したブリーフケース。マチが広くとられているので嵩張るものも持ち運べる。細かくポケットもあるので書類を小分けにして収納が出来るのもうれしい。

中央右側:RUGGED CANVAS TOTE/
ウォッシュ加工が施された24オンスのラギッドキャンバスと、ブライドルレザーを組み合わせた新作の大容量トートバッグ。ヘビーな生地を使用しているので手持ちしてもヘタらず、コーディネートの良いアクセントになってくれる。

手前:DUFFLE MEDIUM/フィルソンバッグの代名詞、22オンスのラギッドコットンツイルで仕立てられたダッフルバッグ。ミディアムサイズは機内持ち込み出来るサイズに設計されており、1泊の旅行鞄としても優秀。オリーブグリーンは日焼けによる経年変化も楽しめそう。

テキスト:Junpei Suzuki
媒体:HUNT 13

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