2018.11.14

大人の趣味の為のライフスタイルマガジン「IN THE LIFE(イン・ザ・ライフ)」

CHANNEL ZERO「死ぬ前に聴く1枚」

カントリーからJAZZ、SOUL、パンクまで問答無用の"超個人的"レコメンドミュージックをお届けします。The Music For Life!

LEE BENDER

Blue Valentine(Tom Waits)/
 かなり不可能なリクエストだろう。「死ぬ前に聴きたい1枚」。すぐに思い浮かんだのは俺が青春時代に聴いてたアップリフティングな音楽で、それを全部一気にリストにして今回の記事にしようかと思った。そのリストのなかからひとつに絞るには難しかったが、ここではTom Waitsの『Blue Valentine』を選ぶことにする。

 もっと正確に言うと"Romeo is Bleeding"という曲だ。この曲を聴くと情景が思い浮かぶ。でもそれだけではない。トムは見事に当時のカルチャー、スタイル、真実、闘志をミックスさせている。さらにストーリーを鮮明に描きながら、優雅さと暴力で汚すというやり方はトムならでは。この曲の歌詞に関する1冊の本が書けるだろう。トムの煙草でしゃがれた声、クールな吠え声、サックスと70年代のジャズクラブの揺れ動くベースライン。

 "...huddled in the brake lights of a 58 BelAir and listenin’ to how Romeo killed a sheriff with his knife."

初めて聴いたウェイツの曲。死ぬときはこの曲を聴く。人はみな死んでゆくものだ。

JEFF DECKER

Unknown Pleasures (Joy Division) Every time I listen the "UNKNOWN PLEASURES" by Joy Division, I want to kill myself.
One of these days I’ll follow thru and it’ll be the last album I ever hear.

――Joy Divisionの『Unknown Pleasures』を聴くたび、俺は死にたくなるんだ。いつかそれを実行するだろう、そしてそれが最後に聴くアルバムとなるだろう。

TAMMI TIBETAN

Lost Sounds(Black-Wave)/
 死ぬ前に聴きたい1枚を選ぶっていうのは、気が遠くなるほど難しいタスクだわ。それは、精神的にも感情的にも死ぬ覚悟をさせてくれるような曲じゃなきゃダメだし。自分自身を別世界へ連れて行って、死の恐怖から解放させるような音楽と歌詞じゃなくちゃいけないし。

 私はLost Soundsの『Black-Wave』を聞いたら別の世界へ行けると思う。ダークな低音がとってもこのテーマに合ってるし、ダークウェーブとニューウェーブ・シンセの異様なコンビネーションは、間違いなくあなたを異世界の異次元へと招き入れてくれるだろう。それってどんな世界だろう、死後の世界かしら?

OLIVER JONES

To Mega Therion(Celtic Frost)/
 俺が「死ぬ前に聴く1枚」……実に難しい選択だ。それは俺がどんな風に死ぬかにかかってるんだからな。

 俺はただ歳をとって死ぬのか? それは望まないが、もし俺がそうやって死ぬんだとしたら、たぶんメロウな曲を選ぶだろう。そうだな、OZOだろうか? それとも「ボディ・ダブル」のPino Donaggioの音楽だろうか。でも俺が死にたい方法で死ねるとしたら、バイクに乗って200マイルの速さで突っ走る。自分自身とのレースだ。たぶん速すぎて、消えちまうだろうな? 

 そんな死に方ができるんだったら、ヘルメットをかぶってCeltic Frostの『To Mega Therion』を聴きたいと思う。まさにオーバーヒート寸前のヘビメタ傑作。ギターとドラムは俺が疾走するスピードにマッチする。もし俺のエンジンが爆発しても、その爆音はTom G Worriorのデスボイスだと思って、俺自身もたぶん気付かないだろう。

 要は、俺はつまんない死に方で死にたくないってことだ。俺が好きな死に方で死ぬのさ。どこまでも速く……。

RALPH "MOOCHIE FINLEY"

Looking In(Savoy Brown)/
 SAVOY BROWNはブリテッシュブルースベースのロックバンドだ。アメリカのリスナー向けに収録したと言われている。音楽の進行方向をめぐって解散するが、メンバーが入れ替わって"FOGHAT"という名前で再結成する。

 FOGHATも聞いてもらいたいバンドだ。DAVE PEVERETTのヴォーカルは鮮明で鐘のように鳴る。オレはモーターサイクルでもバンドでも、選ぶときは自然に惹かれる。チョッパー好きなら往年のバンドを聴いてみるのもいい。"STEPPEN WOLF"を聴くバイカーが多いが、当時のカスタムビルダーは60〜70年代の世界を違った観点や経験から表現したバンドが好きな奴が多かった。

 ビールを飲みながらロックンロールが聴きたい。このアルバムは歌詞があるものが数曲、それにインストゥルメンタルも混ざっている。聞き入ってみると、リードギターのクールなリフからメインストリームのゴミではないとわかる。バイクをビルドしたりハングアウトしたりするときにハマるアルバムだ。

 SAVOY BROWNはいいバンドで、FOGHATはもっといい。だがそのバンドの軌跡を辿り、原点ともなったこのアルバムを聴く価値はある。オレは古いバイクを乗る様に古い音楽を聞くと、シンプルだった昔に戻ることができる。

媒体:ROLLER 26

NEWS of ROLLER magazine

ARCHIVES

RANKING

POPULAR TAG

NEWS

SEARCH