2018.12.12

大人の趣味の為のライフスタイルマガジン「IN THE LIFE(イン・ザ・ライフ)」

"今さらフジミのヨンメリ"なんて言わないで!?

脱!頭デッカチモデリングのすゝめ

Do you remember this face?

 1980年代中盤にスタートしたフジミのインチアップディスクシリーズ。そのNo.5として登場したのがケンメリだった。他の車種がGX61を筆頭にウレタンバンパー世代だったのに対して、ケンメリとハコスカは明らかに旧車で異色で、エアロディスクホイールもシリーズ名に合わせて、無理矢理履かせたような印象があった。

 中二病なんて言葉がある。中学二年生頃の甘酸っぱい想い出を引っ張りだして余韻に浸っている、ちょっと痛い大人を揶揄する表現だ。でもそれをわかっていて、敢えて"プラモ中二病"を楽しんでいる。特に弱いのが箱絵再現である。もはや、それがカッコイイか悪いか、あるいはリアルだとかリアルじゃないとか、どうでもいいのである。むしろちょっとカッコ悪かったりするとゾクゾクしてしまう。

 そんな時、フジミのヨンメリを手に入れた。そう、わかる人はわかるアレである。今ヨンメリを作りたいと言ったら、多くのモデラー諸氏がこういうだろう。「やっぱりアオシマが一番。アリイのもなかなか形は良いよ」と。

 ではなぜ僕があまり話にも上らないフジミのヨンメリを手に入れたかといえば、箱をパカっとあけて、ふとあるパーツと目があったからである。それは、あの不敵な四角いヘッドライトの穴がモールドされたフロントグリル。ほとんど旧友との再会だった。「まだ君、そこにいたのか!」と。

 すでに最新のIDシリーズの箱絵からあの四角いヘッドライトは姿を消していたが、パーツはひっそりと生き延びていたのである。こうして僕はプラモ中二病をこじらせたのである。子供心に目に焼きついた、ちょっと薄気味悪い、箱絵仕様のヨンメリを作ってやろうと。

 まずはあのシャコタンっぷりを追求する。今や接着剤やプラスチック用のノコギリ、便利な道具がたくさんあるので、わりとあっさりと思った場所にタイヤを持っていけた。そしてタイヤもまた良い。しかし、車高は決まれど、「何か違う感」が募る。そう、お約束の共通板シャシーを収めるためか、ボディ下部の絞り込みが足りず、なんだか四角いのである。ならばと、裏にプラ棒を貼って、表からゴリゴリと削り込んで下半身に丸みをつけてやった。するとどうだろう、驚くほど僕の好きなヨンメリの姿になった。

 この箱絵仕様、実は当時からしても違和感アリアリだった。一番の要因はホイール。皆無とまではいかないまでも、1980年代前半、エアロブームの時分にあっても、空力ウンヌンに縁遠いケンメリにエアロディスクを履くのは明らかにミスマッチだった。それは箱の変遷を見てもらえればおわかりいただけるが、フジミの社内都合が産み出した、有り得ない仕様だったのである。でもそれを分かっているからこそ、限りなく箱絵に近づけたくなるのだ。

 かくして出来あがったのが、ご覧の作例。完成してみると作者としては近年稀に見る満足感を得ることができたが、おそらくこれをみた読者諸兄の多くは「?」であろう。そしてまかり間違って「ビビビ」と来てしまった方は、フジミのヨンメリの箱を持ってレジ向かっていることだろう。

やっぱりヘンだよ!?エアロディスク

 上は、今に息づくフジミのインチアップディスクシリーズの元となる、『ハの字シャコタン』シリーズの箱絵。特徴的な角目(箱にはセドリック用と書かれている)とブラックアウトされたバンパーやモール類、ナックルラインは描かれているが、ホイールは深リムのゴールドメッシュでエアロディスクは装着されていない。続く『インチアップハの字』の箱絵でついにエアロディスクが付くが、まだチンスポとリアウィングは未装着だ。

今見ると悪くない!? 過渡期のご都合イラスト仕様

 前後バンパー下のバランスパネル部分はすべて下方延長、丸めこみを行っている。サイドシルも下端を内側に折り込んで、ボディの裾広がり感を軽減している。ヘッドライトはリフレクターをアオシマのリバティウォーク・ケンメリの吊り目用リフレクターを移植。バンパーウィンカーは適正なサイズの穴をあけると、フジミのケンメリR用のクリアパーツがぴったり収まった。

 サイドウィンカーはアオシマのケンメリのボディから削り取ったものを使用。ホイールはキットのパーツをそのまま使ったが、タイヤは最新のオレンジウィールズ製のストレッチタイヤに変更。テールランプは外周の円形モールのモールドが荒れており、適当なエッチングパーツ(メーターリング)を装着した。マフラーエンドはフジミのケンメリR用を加工。ロールバーは箱絵では黒だが、ナックルラインに合わせて赤に塗装した。吊革は握りをホワイト、ベルト部分をグレーでペイント。

工作のツボ

ボディ未加工の状態。フロントバンパー下のアゴ部分が平板で立体感に乏しい。

裏から3×4mmのプラ棒をシアノンで接着。表から削り込んでいく。

サイドシルは、折りたい部分を裏側からPカッターなどでケガいて折り込みやすくする。曲げ終わったら裏からシアノンで補強。

 リアのバランスパネルも基本的にはフロントと同じ方法で削り込んだ。向かって左が加工前、右が表から削りこんで、裏からも削った状態。裏側から肉抜きをしないとボッテリした印象になるので要注意だ。

もう1台の箱絵仕様スカイライン見参!(ただしこっちは普通にカッコ良し!)

 角目ケンメリの作者、鵜飼と同い年のCreativityクルーの羽山和良さんがコラボする形で制作してくれたフジミハコスカの箱絵仕様。こちらも前後バランスパネルの下方延長、フロントグリル外周の形状修正など、よりカッコイイハコスカを目指して細部に手が入る。ホイールはキットのワタナベで、タイヤは同じくオレンジウィールズのストレッチタイヤを装着。さすがに、違和感があり過ぎてエアロディスク仕様までは再現できなかったとはビルダーの弁。

テキスト:Makoto UKAI(鵜飼 誠)
媒体:modelcars tuning 3

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