2018.11.09

大人の趣味の為のライフスタイルマガジン「IN THE LIFE(イン・ザ・ライフ)」

"擬態"で周囲に溶け込む、猛毒を持つ魚を撮る。「series OKINAWA」

 海中の"ドロップオフ"と呼ばれる断崖絶壁に体を固定して、マクロレンズでの小さなハゼの撮影にピント合わせで悪戦苦闘していると、左側から熱い視線を感じた……ゆっくりとその視線の先の薄暗い窪みに目を凝らして見ると、周りの岩などと区別がつかない生き物が、ジーッとこちらの様子を伺っている。

 英名で「Scorpion Fish」と呼ばれるほど、猛毒を背びれに持つカサゴだ。身体の表面はまるで岩や海藻のような色と質感を精巧に施していて、ひと目見ただけではわからないほど周囲の背景に溶け込みながら、獲物を待ち受けている。いわゆる擬態の得意な魚である。

 さあ、今度はこの子をなんとか撮影しようとライトを当てて、水中カメラのファインダーを覗いてみる。周囲に同化していて、このまま撮影しては「どこにいるのかな?」状態に仕上がってしまうので、周りをぼかすためにピントを浅めにと絞りを開いてみた。

 そして、水晶のような綺麗な目にピントを合わせながら顔だけをクローズアップさせていくと、海藻みたいに変わった形の髭を持った"ハクション大魔王"のような愛くるしい表情の魚が現れて、いい仕上がりとなったのである。(沖縄本島)

カメラ&テキスト:宇治川博司 Hiroshi Ujigawa
媒体:CORAL FREAKS 26

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