2018.12.17

大人の趣味の為のライフスタイルマガジン「IN THE LIFE(イン・ザ・ライフ)」

コレクションコーラルズ「飼育システム」

数多くのサンゴの中でもその独特の色彩と豊富なカラーバリエーションを誇る、オオバナサンゴやカクオオトゲキクメイシ、スコリミアなどの美しきコレクションコーラルの数々。そしてそんな幻想的で色彩鮮やかな姿に魅了されてやまない多くのアクアリストたち。コレクションコーラルズ……そのトビラをいざ開いてみよう。

 コレクションコーラルをきちんと飼育するためには、どんな水槽システムが必要となるのかをまずは知っておきたい。

 数多くのコレクションコーラルをも取り扱う、アクアテイラーズ東大阪本店の海水担当篠藤尚幸さんに、飼育をするために最低限必要な器具類や飼育管理方法をレクチャーしていただいた。

【水槽】

 今回、篠藤さんが提案してくれたのは30㎝キューブ水槽。水槽のサイズは水量的にも最低限これくらいは必要だという。またコレクションコーラルを配置するのには立体的なレイアウトにすることが多いので、奥行きのある水槽のほうがより魅力的な水景を作れるだろう。

 水槽のシステムはナチュラルシステムでも強制ろ過システムでも維持をすることは可能だが、給餌をすることも多いコレクションコーラルは水質を悪化させやすいので、同店ではろ過フィルターを用いた強制ろ過システムを推奨している。

【照明】

 コレクションコーラルにあてはまるLPSの数々は、いずれも好日性サンゴなので体内に褐虫藻を持ち、給餌以外にも光によって栄養を得ることで生命活動を維持している。そのため、照明は観賞目的のみならず不可欠なアイテム。とはいえ比較的深い海に生息するので強すぎる照明は苦手。浅場に生息するミドリイシやソフトコーラルほど明るい照明は必要ない。観賞的な要素を踏まえても、ブルーLEDがもっとも相性のよい組み合わせだといえる。

【プロテインスキマー】

 水槽内に発生するゴミやフンなどの有機物を除去するプロテインスキマー。サイズや方式などさまざまなので、選んだ水槽に合わせたチョイスを行うことができる。今回の水槽ではマメデザインのガラス製プロテインスキマー、マメスキマーⅢを採用。省スペースで設置もできて美観にも優れている。小型水槽に最適なプロテインスキマーだ。

【水質】

 できるだけ、栄養塩のない清浄な環境が好ましいのはいうまでもないことだが、ミドリイシほどにシビアな水質は要求しない。給餌をする場合に水を汚しやすいことも考慮すれば、コレクターコーラルの飼育には強制ろ過システムが向いているだろう。今回の水槽でも外部式フィルターを採用したろ過システムで管理を行っている。

【水流】

 コレクションコーラルの多くは大きく共肉を膨らませるので、共肉がめくれてしまうような強い水流は好まない。とはいえまったく水流のない環境も表面にデトリタスなどが溜まりやすく、また止水域なども作りやすくなってしまうので、水槽全体に緩やかな水流が流れるような間接的な水流を意識して、水流ポンプを稼働させるようにしたい。

【クーラー】

 コレクションコーラルに限らず、サンゴの仲間にとって夏場の高水温は大敵。また外気温によって水質が頻繁に前後するような環境は生体にストレスとなってしまうので、水温は年間を通じて一定にすることが大事だ。水温を一定にするのにもっとも効果的な方法は、水槽用クーラーの導入だろう。やや出費はかさんでしまうが、大切なサンゴのためにもぜひ導入を推奨したい。

【給餌】

スポイトでオオバナサンゴに餌を与える。エサを取り込む様子を観賞できるのが醍醐味だ。

 コレクションコーラルは好日性サンゴなので、特別に給餌をしなくとも飼育をすることは可能ではある。しかしマウスが大きくて摂食行動も活発なので、エサを与えることで触手を大きく開き、エサを取り込むシーンをみることができる。また光に対してよりも摂食に依存しているとも考えられるので、エサを給餌をすることでより共肉は成長し、色彩も揚がるケースも多い。

 エサの種類は冷凍のコペポーダやブライン、ホワイトシュリンプのほか、専用のサンゴフードも発売されているので、利用したい。与えすぎは水質悪化の原因にもなり、また個体にもストレスになるので週に1度程度の給餌で充分だ。水換え前に与えるなど、ルーティンを決めて与えるようにするとよい。与えるときにはスポイトなどで個別にそっと置くようにして与えるとよい。

【レイアウト】

ライブロック同士をリーフセメントで活着させた、篠藤さんのアイディアブロック。同店で購入もできる。

 コレクションコーラルを美しく観賞し、コレクションを楽しむのには、レイアウトも重要なファクターとなる。奥行きを活かして前後に配置できるようなライブロックレイアウトを作ろう。またライブロック内部にも水流は行き渡るようにすき間を作るのも大事なポイントとなる。サンゴ同士の接触にも注意しよう。

 他種との接触においては負けてしまうことが多く、また同種間であれば接触していてもすぐに問題になることは少ないが、できるだけ同種間でも接触しないようなレイアウトにするよう、心掛けたい。また頻繁にレイアウトを変更してサンゴの置き場所を変えたり、サンゴを持つことで調子を崩してしまうことは多いので、1度置き場所を決めたらあまり動かさないようにすることも大切だ。

【魚との関係】

ハナダイはサンゴには悪戯をしないので、適している。幻想的な水景にもよく似合う。

チョウチョウウオの仲間はサンゴをつついてしまう種類がほとんどなので、向いていない。

 コレクションコーラルが作り出す幻想的な水景には、美しい海水魚がよく似合う。しかし一緒に飼育することのできない種類もいるので注意しよう。

 まずサンゴ自体を捕食してしまう魚種との混泳はできない。チョウチョウウオ全般やヤッコ類などが該当する。小型ヤッコのフレームエンゼルなど、クシピポプス亜属は比較的大丈夫な場合も多いが、それは個体差によるところも多いので外見で判断することはできない。

 ほかにも水を汚しやすい肉食魚や、砂をレイアウトにかけてしまうジョーフィッシュなども向いていない。向いているのはハナダイや遊泳性のハゼ、ギンポ、ベラ類などが適している。欲しい魚種との相性がわからない場合には、ショップに遠慮せずに聞いてみるのもよいだろう。

飼育注意点

スターポリプと接触するオオバナサンゴ。ほとんどの場合、負けてしまう種類が多い。

 給餌やレイアウトの項目でも触れたが、エサの与えすぎやサンゴとの接触、頻繁な移動には特に注意が必要だ。底砂の上に配置することも、デトリタスから影響を受ける場合があるのでおすすめはしない。ストレスを与えることで白化してしまうことも多く、白化した個体も飼育をすることは可能だが、飼育難易度は非常に高くなってしまう。

 また他種のサンゴとの接触は厳禁で、特に長い攻撃触手を持つナガレハナサンゴの仲間やバブルコーラル、アザミサンゴ、トランペットコーラルなど刺胞毒の強い種類やイソギンチャク、マメスナギンチャクやディスクコーラルも、意外に毒性が強いので、レイアウトの際には充分に余裕のあるスペースを確保するように注意したい。

カメラ:佐々木浩之 Hiroyuki Sasaki
テキスト:鶴田賢二 Kenji Tsuruta
媒体:CORAL FREAKS 26

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