2018.05.01

大人の趣味の為のライフスタイルマガジン「IN THE LIFE(イン・ザ・ライフ)」

ジェフ・ケンダルとSanta Cruzの長く深い関係

Jeff Kendall 1967年10月1日生まれ。インディアナ州インディアナポリス出身。'80年代にSanta Cruzのプロとして活動し、'93年からスタッ フとしてNHSに従事。現在はNHSの副社長としてSanta Cruzをはじめとするカンパニーやライダーを支えている。

SANTA CRUZの元プロスケーターであり、NHSの現副社長を務めるジェフ・ケンダル。世界のトップカンパニーを擁するディストリビューターとの出会いそしてプロスケーターからインダストリーの裏側への転向について語ってもらった。

【The History of Santa Cruz】

1985年の夏。友人のギャビンとコーリー、オブライアン兄弟がNHSの面々と交流を深め始めた頃、Santa Cruzの元プロスケーターであり現NHS副社長を務めるジェフ・ケンダルはPowell Peraltaに所属していた。当時はちょうど高校を卒業したばかりで、出場を狙っているコンテストがふたつあったのだという。ひとつは東海岸のバージニアビーチで開催されるアマチュアのバーチカルコンテスト、“トラッシュモア”。そして、カリフォルニアとネバダの州境に位置するタホで開催される“マイルハイ”。そんな頃、オブライアン兄弟を通して、NHSからSanta Cruzに移籍すれば両コンテストの渡航費をすべて出すとのオファーが舞い込んでくる。ボーンズブリゲードとの確執を覚悟しつつも、ケンダルはPowell Peraltaを取り仕切っていたステイシー・ペラルタにすべてを話し、両コンテストの費用を出すようにリクエスト。しかし、結果はNO。そうして、ケンダルはNHSのオファーを受けてコンテストに出場。その結果、トラッシュモアを優勝、そしてマイルハイは4位という好成績を残した。こうして、ケンダルとSanta Cruzの長く深い関係が始まったのである。

様々なコンテストに出場し、『Wheels ofFire』、『Streets on Fire』や『A Reason forLiving』などSanta Cruzの映像作品に登場しながらプロ活動を謳歌したのは’86年から’92年までの6年間。’90年代初めにスケートインダストリーが急激に低迷し、さらにはシーンのトレンドがトランジションから100%ストリートへと移行したことで、ケンダルをはじめとする’80年代のプロスケーターたちの収入が激減していったのだ。

「当時はボードセールスが激減して、そのロイヤリティでは到底生活することができなくなっていた。だからNHSでバイトとして、SMAを管理していたラス・ポープと一緒にSanta Cruzのチームマネージャーをすることにしたんだよ。あの頃のNHSには従業員が30名ほどしかいなかったから、ひとりでいろんな仕事をこなさなければならなかった。NHSの今のCEOであるボブ・デナイクに助言をもらいながら、その場その場で実践的に仕事を覚えていくしかなかった」

ケンダルが当時のNHSで担当したのはチームのマネージング、ほぼすべてのアドの撮影、映像作品のフィルミングとエディット。チームマネージャー、ブランドマネージャー、そしてマーケティングディレクターとして、時間をかけて少しずつNHSのインフラを整えていった。そして、8年前に副社長のポジションを自らリクエスト。6ヵ月のビジネスプランを立てて実践し、その結果が認められて副社長に昇進した。そうして、ケンダルのスケートとの関わり合い方が大きく変わっていった。その中でも一番変わったこととは、“チーム”という概念の捉え方だという。プロスケーターとして活動していた頃よりも、チームの意味やその重要性が明確になったとケンダルは話す。

「目標を達成するためには、信頼とチームワークが不可欠だと身を持って感じた。プロスケーターの頃と比べて、チームという存在が10倍以上大切なものとなっている。昔は自分自身を向上させることだけに集中していればよかったけど今は違う。自分を向上させると同時にチーム全体や同僚も成長させなければならない。Santa Cruzというカンパニーの見方もプロスケーターの頃と大きく変わった。プロスケーター生活の約4倍もの時間を裏方として過ごしているからね。自分に対してだけでなく、NHSやSanta Cruzに携わる多くの人の責任を担っていることをはっきりと自覚している」

さらには、インターネットの普及によってマーケティングそのものも大きく変わったため、ビジネスのプランニングも複雑になっていった。エドユーザーのニーズを把握し、効果的に話題を作るためにしっかりと統計から学んで様々な分析をしなければならない。次から次へと新しいマーケティングツールが登場するため、時代に取り残されないように世の中の動きからも目を離さないようにしなければならない。数えきれないほどの責任を負いながら、ケンダルは忙しない日々を送っている。

「午前7時半にはオフィスに入り、1日のミーティングが始まる前にメールの確認。ほぼ毎日、セールス、マーケティング、クリエイティブ部署とミーティングを行っている。ビジネスとしてスケートインダストリーの動向だけでなく、実際のスケートの動きもちゃんと把握するようにもしている。それでも夕方5時半にはオフィスを出るようにしている。家族との時間のためだよ。NHSは昔から家族と仕事のバランスを大切にしてきたカンパニーなんだ。これは絶対に忘れてはならないことだね」

プロスケーターから裏方に転向して22年。様々な進化や変化を経験しながら、Santa Cruzの価値観やブランドイメージを守ってきた。

「正直言って、プロスケーターからブランドの裏方に回るのは大変だった。でも常に自分自身を高めてNHSを成長させることだけに専念し続けてきたんだ。でも今はこれ以外にしたい仕事なんてないと言い切れるし、Santa Cruzの成長と進化に尽力することができて、その成功を仲間と一緒に喜べることが本当にうれしい。今も変わらずスケートと関わり合えている。感謝の気持ちでいっぱいだ」

SLIDER Vol.25

Santa Cruzの初期のデッキと“思いがけずボードがビジネスになったー1973年”のメッセージ。“スケート”の文字が消されているのは、Santa Cruzがスノーボードにもビジネスを広げたためだろう。

'86年にリリースされたジェフ・ケンダルの初シグネチャーモデルとグラフィックの原画。

NHSの設立者のひとり、リッチ・ノバックと笑顔を見せるケンダル。

副社長を務めるケンダルの毎日は実に忙しない。壁には歴代のSanta Cruzプロのシグネチャーモデルが飾られている。

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