2018.12.20

大人の趣味の為のライフスタイルマガジン「IN THE LIFE(イン・ザ・ライフ)」

クラゲはストレス緩和に効果があるか?【調査開始編】

水族館でユラリと不規則に揺れるクラゲを見て、癒やしを感じた経験はあるはず。本当にクラゲにはストレス緩和効果があるのか?神奈川県にある社会医療法人社団三思会とうめい厚木クリニックでは、新江ノ島水族館と共同でクラゲの観賞が人体に与える影響を調査するプロジェクトをスタート。その経緯や展望を聞いてみた。

 クラゲ観賞はストレス緩和に効果があるのかどうかを調べるこのプロジェクト。

 中心となっているのは、『CORAL FREAKS』でも読者参加型の企画などで何度かご登場いただいている、有馬義裕さん。以前、同法人の健診センターで働いていた際、ストレス緩和の方法を模索していた有馬さんは、ご自身がクラゲを見てリラックスした経験から、クラゲ観賞に着目。クリニックに提案し、この度2018年2月に調査開始に至った。

 調査にあたってネックとなったのは、クラゲの飼育に関する情報が少ないという点。調査開始前の飼育では水槽と天然海水のみの飼育で失敗してしまったことも。調査対象となるクリニックの患者さんやスタッフからデータが取れても、調査期間中にクラゲがいなくなってしまっては台無しになってしまう。そこで、有馬さんは、多くのクラゲを展示することで有名な新江ノ島水族館に飼育指導を依頼。水族館に出向いて、技術を教わったという。

 新江ノ島水族館からの生体の提供や、メーカーから必要な機材の貸し出しなどの協力も得て、いざクリニックでの飼育を始めた有馬さん。水族館と全く同じ環境にすることは難しいため、飼育用品などを工夫することで、水質が安定。 現在は水槽の状態を見ながら2~4週間の換水と、pHチェック、2日に1回の給餌のみで飼育しているそう。

 「水質が安定した理由は、硝酸塩の発生を抑えるため、マメスキマーや硝酸塩還元筒などの飼育機器を追加したこと、バクテリアの投入、クーラーによる水温の維持(20℃)、PHが8.0で安定する人工海水を選定したことかと思います。 幼生エフィラも生まれ、ポリプからの繁殖に成功しました」

 調査は、4か月ほどの予定(延長の可能性あり)。ミズクラゲ水槽観賞前後の血圧と脈拍の変化で、ストレスの軽減を確認する。結果が出れば、病院だけでなく企業や教育機関の相談窓口等、多くの場所でのクラゲ飼育が期待できるはず。とうめい厚木クリニック院長の山田拓司さんも、今回の調査について期待を寄せる。

「クラゲ観賞にストレス緩和の効果がみられれば、今後緩和ケア病棟などに水槽を設置し、がん患者やその家族にかかるストレスの緩和に役立てたい」 (山田院長)

クリニックの一角に設置された調査スペース。自動血圧計で血圧と脈拍をはかり、水槽観賞後の変化を測定する。

調査に使用するミズクラゲは、新江ノ島水族館からの提供。

ストック水槽。取材時にもエフィラが誕生し、クリニックスタッフが様子を見に来ていた。クラゲの飼育は、クリニック内の話題づくりとしても機能しているのかもしれない。

今回のプロジェクトを中心となって進める有馬さん。自宅でも複数の海水水槽をキープしている。

カメラ:佐々木浩之 Hiroyuki Sasaki
テキスト:藤森優香 Yuka Fujimori
媒体:CORAL FREAKS 26

NEWS of IN THE LIFE

ARCHIVES

RANKING

POPULAR TAG

NEWS

SEARCH